前回の【大人の発達障害】では、メモの取り方についての話をしました。
しかし、発達障害を持つ方が、メモに関して困るのは、実はメモの取り方だけではありません。
「取ったはずのメモが見つからない・・・」
「そういえば適当な書類の裏面を使った気がする・・・」
「でも、その書類もやっぱり見つからない・・・。大事なものだから、捨てないと思うんだけれど・・・」
「メモ帳はあるけど、ぎっしりと書き込まれていて必要な情報がどこにあるのかわからない・・・」
このような経験はありませんでしょうか?
そう、メモというものは、情報を書き記しておけばそれでよい、というわけではありません。
作ったメモをしっかりと管理し、確認できるようにしておかなかれば、せっかくメモを取っても使えなくなってしまうのです。
目次
作っただけで終わりになっていませんか?
ADHDを持っている人が陥りやすいのが、「適当な紙にメモをしてなくしてしまう」というパターンです。
気が散りやすく、物を無くしやすいこともあり、「メモを取らなくちゃ」とは思うものの決まったメモ帳を持っておらず、その場の適当な紙にメモをする。
すると、その場では「メモを取ったしこれで安心」と思うものの、その紙をしまい込んでしまったり、持ち歩かないで置いておいたためにどこにいったかわからなくなり、そのまま確認できなくなる・・・。
あるいは、少し変則的ですが、メモ帳自体をたくさん用意しているというパターンもあります。
持っていくのを忘れて新しく購入するなどしているうちに、複数のメモ帳が手元に・・・。
しっかりメモは取ったものの、どのメモ帳も中途半端に使われていて、どこに書いたのかわからない・・・。
こうなってしまえば、せっかく作ったメモも役には立ちません。
一方でASDを持っている人が陥りやすいのが、「一行も無駄にせず、1冊のメモにぎっしり書いてしまう」というパターン。
確かに必要な情報はそのメモ帳にまとまっているのですが、隙間なく詰まった文字の並びの中から必要な情報を見つけ出すのは簡単ではありません。
場合によっては日付が書いていないこともあったりなんかして、このメモに書かれているのは確かだが、どこが該当しているのかわからず探せない・・・。
こちらもやはり、せっかく作ったメモを役立てることができていませんね。
このように、発達障害を持つ人は、作ったメモを活用するのが苦手な傾向があります。
メモ帳の使い方にルールを作ろう!
仕事の大切なことや、手順を書いたメモなどは何度も見返す必要があります。
必要なときにどこに書いたかわからなくならないように、メモ帳にはルールを作っておきましょう。
1.メモの一番上にタイトルと日付を書きましょう。
特に仕事の手順などは略して書くとわからなくなってしまうので、略さずにしっかりとメモすることを心がけてください。
2.メモは1件1ページ
様々な内容のことをぎっしりと同じページに書きこんでしまう人は特に、思い切ってメモは1件につき1ページにしてみましょう。
もったいないと感じるかもしれませんが、そもそも見返して理解できなければ、作った意味がなくなってしまいます。
メモ帳とスケジュール帳がバラバラだとわかりにくいという人は、毎日のメモ欄が広い手帳を選び、それに書き込むのも一つの手です。
スケジュールもメモもひとつのものにまとめてしまえば、管理しやすく、うっかり忘れていたということも防ぐことが出来ます。
こだわりのメモ帳を選ぼう!
発達障害を持つ人は、物に愛着を持ち、こだわる傾向があります。
ならば、その傾向を逆手にとって利用してしまいましょう!
使いやすさももちろん大事ですが、デザイン、手触り、色使いなど、しっくりとくる一冊を探してみましょう。
お気に入りの一冊が見つかれば、自然と普段から持ち歩くようになるはずですよ!
まとめ
発達障害を持っている人は、メモを取っても見返せるようになっていない場合があります。
せっかくメモを取っても、無くしてしまったり、書いてあるものがどこにあるのかわからなければ意味がありません。
メモにタイトルをつけたり、自分が後から見返したときに見やすいように工夫していきましょう。
もちろん、パソコンにあるメモ帳や、メモ管理のアプリを使うのも有効なので、自分の扱いやすいものを活用していきましょう。