あなたは「ほめ日記」を知っていますか?
「ほめ日記」は、自分で自分をほめる日記のことで、自分の個性やクセを知り、良いものは伸ばし、マイナスなクセを修正して、自分の中に隠れている能力や感情・感性などを表面化させることができます。
あなたも「ほめ日記」で、自分の可能性を発見して、最高の人生を創造する力に繋げてみませんか?
第5回は、「引きこもりからの脱出!生身の感情がよみがえった」の続き、「嫌いだった自分を好きに…!「自分を肯定する脳回路」づくり」を解説していきます。
目次
嫌いだった自分を好きに…!「自分を肯定する脳回路」づくり
全ての人は、生まれてきたときは「自分が大好き」です。
自分の命への尊重なくして、この世に生まれてくる人はいないと思います。
自分が嫌いになるにはそれなりの理由があると思いますが、過去をたどってそれを解明したとしても、「自分が大好きだった元の自分」に戻ることは難しいと思います。
しかし、「自分が嫌い」という自己否定感は、後天的にそう思うようになった“単なる思い方のクセ”にすぎません。
あなたの命や存在を否定的に思っていては、あなたの命がもったいないし、かわいそうです。
まず、「今」の自分を受け入れて、ほめる練習から始めましょう。
キラキラした自分をイメージしながら「ほめ日記」を続けた分だけ、あなたの脳の中に自分を肯定する回路「自分ほめ回路」が、きっとつくられるようになっていきます。
今回は、30代・女性Fさんについてご紹介します。
発症の原因は、職場の人間関係のストレスが引き金だったようですが、子どもの頃から友だち付き合いが苦手で、からかわれたり、イジメられたりで、緊張しやすい性格だったよようです。
そんなこともあり、Fさんは幼い頃から自分が大嫌いで、成人してからもその自己否定から抜け出せずに悩み続けていました。
・マイナス思考の自分
・他人や両親、姉に対して常にコンプレックスを持っている自分
・ひとつのことにしか集中できない猪突猛進的な自分
・思い込みが強い(「べき」論になってしまう自分)
・うつ病を患っている自分…
「ほめ日記」との出会いは、子どもが生まれた妹さんに『ほめ日記~子育てハッピートレーニング』の本をプレゼントしたことでした。
贈った本をFさん自身が読んで、「目からウロコだ!これは誰にでも効くはずだ」と直感的に思ったそうです。
Fさんの書き始めのころの「ほめ日記」
- 何かしてもらったら、常に「ありがとう」と言える私はえらい。
- 他人のいいところを見ようとする私はステキだね。
- 「ほめ日記」を書いて2週間経った。何をしても持続力がなかった自分がこれを持続できてるのはエラい!このまま続けていこう。
Fさんの書き始め2か月のころの「ほめ日記」
- 久しぶりに南蛮漬けを作った。ここまで回復したよ。すごいよ。
- 最近、家の片づけにいそしんでいる。ホントによくやってるよ。えらいよ私。
- 4月から仕事に復帰して、半日だけどよく頑張ってるね。この調子だよ。
- 最近の職場、ギスギスしてるけど今日も争いなく無事過ごせた。すごいよ。成長しているよ。
- 今までは将来に対して漠然とした不安を持っていたけど、今は「できることからまずやろう」と思えるようになってきた。成長したね!
Fさんは、「自己尊重、自己肯定感の意識が持てた」という実感を得たときに、うつの改善を感じられたそうです。
具体的には、
- うつの自分でもいいじゃないか
- 失敗したっていいんだ。そのうちできるようになるよ
- それまで否定していた自分を無理なく受け入れられる感覚
- 私にも存在価値がある。生きていてもいいんだという意識を持てた実感
- 全ての人への心からの感謝の気持ちが湧いてくる感覚
これらの感覚や意識の変化に伴い、身体症状や生活の仕方も変わってきます。
例えば、部屋が散らかっていても片づけができない、空腹でも食べようという気にならないと、何に対してもやる気が起きず、体も怠くて動きたくないという「情けない自分」が、部屋を片付けたり、美味しいものを食べたりと、動けるようになってくる。
自信がないため、常に「これでいいのか」と付きまとっていた不安がなくなり、落ち込みも減ってくる。
Fさんは、こうして気分と身体の両面が改善されて「社会に適応できた」という実感を得ることが、自己肯定、尊重につながり、同時に「うつが改善した」と実感したということです。
Fさんの「ほめ日記」ポイント
楽になる感覚を見逃さない
「ほめ日記」の書き始めは、違和感があっても、ほめ言葉がうまく出てこなくても、他の人の「ほめ日記」をマネして、書いてみてください。
書き続けていくうちに、フッと楽になる地点があります。
楽になる途中でやめてしまうと「よくわからなかった」で終わってしまいます。
楽になったポイントを見逃さず、「よくここまでできた、エラい!」とほめながら進みましょう。
次回、過食症からの脱却!マイナス感情が出たら「客観視」、へ続く