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パーソナリティ障害ってどんな病気?② ~原因と治療法~

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パーソナリティ障害の原因は、未だ明確にわかっているわけではありません。
しかし、家族との関係や育て方など、家庭環境が原因となることが多いようです。
また、遺伝的な要因や、強いストレスによってできたトラウマなどが原因となることもわかっています。

パーソナリティ障害の主な原因

  • 家庭環境
  • トラウマ
  • 遺伝
  • 発達障害

家庭環境

パーソナリティ障害の原因で、一番多いのが家庭環境だと言われています。
親が気分によって子どもに対する接し方を変えていたり、子どもに無関心でいると、子どもは親に対して不信感を抱きます。
それがやがて、親だけでなく第三者にも向けられるようになり、パーソナリティ障害となることが知られています。

両親の離婚によって会えなくなる、兄弟が生まれたことで構ってもらえなくなる、親自身がうつ病などを持っており、ネガティブなことを言うなど、子どもが親の愛情を十分に感じられない要因は多くあります。
また、親がルールや責任などを幼い頃から強く子どもに押し付けることでも、甘えたいという気持ちが抑え込まれ、パーソナリティ障害の原因となると考えられています。

パーソナリティ障害の症状が細分化されていることは前回の記事に記した通りですが、白黒思考や不安定で激しい感情、強い不安や見捨てられることへの恐怖、他者への興味や信頼の欠如など、親の愛情を受けずに育ったことに起因する症状が数多くあります。

トラウマ

いじめや挫折など、子どもの頃の体験がトラウマとなり、その心の傷が癒えないまま成長していくと、ふとした瞬間のフラッシュバックなどで精神が不安定になり、認知の歪みと繋がってしまうことがあります。
必ずしも家庭内の問題であるとは限りませんが、両親の離婚や親からの虐待など家庭環境がトラウマの原因となっていることも多くあります。

遺伝

パーソナリティ障害には、遺伝的な要因もあると言われています。
とはいえ、親がパーソナリティ障害を持っていれば子も必ずパーソナリティ障害になるというわけではありませんし、パーソナリティ障害そのものが遺伝するというわけでもありません。
親と子が、よく似た性格をしているところを見たことがある人は多いのではないでしょうか。
何かしらの出来事を体験した際に、それをどのように受け止めるかは人それぞれですが、親子ではこの物事の受け止め方が似る傾向にあります。
そのため、気分が変動しやすかったり、過剰に反応してしまいやすいなどのパーソナリティ障害と繋がるような性格を親が持っていた場合、それが遺伝することで子もパーソナリティ障害になりやすくなる傾向にあります。
とはいえ、人の性格は遺伝によってのみ形作られるわけではなく、育つ環境によって大きく左右されます。
パーソナリティ障害も同じように、やはり生活環境、家庭環境による影響の方が大きいと考えられています。

発達障害

他の精神疾患等と併発することの多いパーソナリティ障害ですが、発達障害はパーソナリティ障害と併発していることの多い疾患です。
ADHDやLDなどの発達障害を持つ人は、「落ち着きがない」「勉強ができない」等の評価を受けて、自分に自信を持てずに育つことが多々あります。
また、対人関係や親とのコミュニケーションが上手く行かず、十分に親や他人との共感を得られない場合もあり、それらの理由から、発達障害と合併してパーソナリティ障害が発症するケースが多いそうです。

パーソナリティ障害の治療法

かつて、人格障害と呼ばれていた頃には、「性格そのものに問題があって治療できない」などと誤解されることが多かったのですが、パーソナリティ障害は治療が可能な疾患です。
タイプによって細部は異なりますが、基本的には精神療法を中心に、薬物療法と合わせて行われます。
問題行動が収まるまでには半年~1年ほど、治療が終わるまでには2~3年ほどかかるとされており、長く付き合っていかなければいけません。
精神療法では、社会と適合できていない、性格の偏りに起因した考え方や行動によって引き起こされる有害な結果を本人に直面させ、受け入れさせることで進めていきます。
前回の記事で説明したように、パーソナリティ障害には本人が自分の行動に問題があると認識していないという特徴があるため、繰り返し指摘していかなければいけません。

家族療法

原因の項で説明したように、パーソナリティ障害の原因の多くは家庭環境にあります。
そのため、当事者だけでなく、家族と共に治療を進めていく"家族療法"が必要になることも多くあります。
当事者に最も多くの影響を与える家族が援助をするために知識をつける必要があるだけでなく、長く続く治療の中で、家族が疲弊し、精神疾患などに繋がることを防ぐ目的もあります。

パーソナリティ障害を持つ人との関わり方

パーソナリティ障害の治療のためには、周囲の人による援助が重要になります。
しかし、助けになろうと手を差し伸べ、親身になって話を聞いたり、なんでも力になってあげるのは、治療になるどころか逆効果になってしまいます。
パーソナリティ障害を持つ人に、「困ったことがあればいつでも力になる」等と伝えると、際限なく依存度を高めてしまいます。
振り回され、いつか援助しきれなくなると、「やはり自分は見捨てられるんだ」等と考え、より障害が悪化してしまうことになりかねません。
パーソナリティ障害を持つ人と関わる時は、できることとできないことを決めておき、常に同じ態度で接することが重要です。

できることとできないことを決めておく

まず一つ重要なことは、治療は専門医に任せるということです。
自分がなんとかしてあげよう、と思うのではなく、適度に距離を取ったほうが結果的に相手のためにもなります。
また、もしも依存されてしまった場合にも、例えば「夜20時を過ぎたら電話・メールには出ない」などと決め、本人にも伝えてください。
ルールを決めなければ、相手の要求はどんどんとエスカレートしてしまいます。

常に同じ態度で接する

パーソナリティ障害を持つ人は、機嫌が非常に良いと思ったら急に怒り出すなど、感情が不安定なことが多いですが、これに合わせてこちらも一喜一憂するなど、ペースを合わせるべきではありません。
むしろ、気分が上がっている時も落ちている時も冷静に言葉をかけることで、常に同じ態度で接し続けることが重要です。

まとめ

パーソナリティ障害の原因は、トラウマや遺伝など様々ですが、その多くは家庭環境にあります。
幼い頃の親との接し方などから、不信感を持ったり、自分に自信を持てなかったりしたことで、後に発症するケースが多くあります。
治療のためには精神療法と薬物療法を合わせて行っていきますが、家族と共に治療を進める家族療法が必要な場合もあります。
パーソナリティ障害を持つ人と関わる際には、一定の距離を保ち、変わらない態度で接することが重要です。


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