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回避性パーソナリティ障害とは?② ~発症の原因は親に褒められたことがないから?回避性パーソナリティ障害の原因と治療法~

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回避性パーソナリティ障害とは?① ~変に思われるのが怖くて面接に行けない!過度な不安を感じる回避性パーソナリティ障害の特徴~

自分のことを批判されたり、嫌われたりすることを極端に恐れて、人との関わりを避けてしまう「回避性パーソナリティ障害」

発症の原因は何なのでしょうか?

回避性パーソナリティ障害の原因は?

回避性パーソナリティ障害の原因は、主に家庭環境に関係していると考えられています。

「親から褒められた経験がない」と、自分に自信を持てず、自分を肯定することが出来なくなってしまいます。

回避性パーソナリティ障害の人の身近に、自己愛性パーソナリティ障害の人のように、華やかで常に賞賛を求めるような人がいることがしばしばあります。

スポットライトの中心にいるような自己愛性の人が兄弟や家族にいて、その目立たない影のような存在として回避性パーソナリティ障害の人が育ってきたというケースが少なくありません。

そこには、親の態度や評価が影響していて、親が何らかの理由で否定的な態度を取ったり、褒められたことがほとんどないという人が多いようです。

親の愛情は太陽の光のようなもの。

それに照らされて育った子どもは、安心と自信を身につけて困難にも耐えて、しっかり育っていけますが、運悪く照らしてもらえなかった子どもは、不安と自信欠乏の中で、自分自身さえ支えるのにも苦労することになります。

逆に、親からの過干渉によって自分を出せなくなってしまったり、親が過保護であると、自分で物事を決められなくなってしまうこともあります。

本人の意思とは無関係に、小さい時から親の望ことをやらされ続けた結果、それが強制労働体験のように一種のトラウマになってしまうケースです。

やらされてきたこと、努力することに対して、「もうたくさんだ」という思いが染みつき、その後遺症で無気力になってしまいます。

近年、回避性パーソナリティ障害とまではいかなくても、回避性パーソナリティの傾向を持った若問が増え、引きこもりの急増として話題になっています。

回避性傾向の若者とセットでよくみられるのが、頑張り屋で努力家の親たちです。

そうした親たちは、多少つらいことがあっても、自分の務めを果たすために努力するという信念を持っていますが、我が子にも弱音を吐かせず、頑張らせるという傾向を生んでしまいます。

その他にも、いじめや、親、または教師にひどく叱られた、大勢の前で恥をかいたといったトラウマ体験や、持続的なストレスも、回避性パーソナリティ障害の発症に繋がるようです。

回避性パーソナリティ障害の治療法は?

回避性パーソナリティ障害の治療には主に精神療法が行なわれます。

認知行動療法を行なうことで、自分の考え方のクセを少しずつ変えていきます。

回避性パーソナリティ障害の方は、物事をネガティブに捉えがちです。

そのため、認知行動療法を繰り返し繰り返し行ない、「こういう考え方もある」「必ずしもそれ(相手の発言など)がネガティブな意味であるとは限らない」と、少しずつ受け入れられるようにしていきましょう。

また、あえて苦手な状況や場面に向き合うことで、少しずつ不安を消していく暴露療法もよく行われます。

そのほかに、不安や恐怖感を抑えるために、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの抗うつ薬抗不安薬を服用する、薬物療法が一緒に行われる場合もあります。

周囲の人の対応

主体性を尊重する

回避性パーソナリティ障害を防ぐために最も大切なことは、本人の主体性や気持ちを尊重するということです。

本人の意志とは無関係なことを押し付けた挙句、「そんなことも出来ないの?」とけなして、二重の自己否定を与えてはいけません。

日ごろから親ではなく、本人が何を求め、何をやりたいのかを大事にしましょう。

同じ試練や困難を自分の意志で主体的に取り組んだ場合と、いやいや強制されてやった場合とでは、苦痛やダメージが全く違います。

助けを求めたり、逃げ出す自由を与えることが最悪の状況を防ぐことにも繋がります。

義務を説いても動かない

引きこもりが長引いている回避性パーソナリティ障害の若者の場合、義務感が強い強迫性パーソナリティの親ににらまれ、射すくめられているということがよくあります。

親は、子どもは学校へ行くことが仕事で、どんなことがあっても自分の仕事を果たすべきだと思い込んでいます。

しかし、回避性の人は、「こうすべき」という親の強い義務感にプレッシャーを感じ続けています。

親は子どもの気持ちを顧みることもあまりなく、子どもも親に何を言っても無駄なので、自分の意思表示をずっと抑えてきていることが多くなります。

そして、ついにくたびれ果てて、ある日突然動けなくなってしまいますが、これは子どもの初めての意思表示なのです。

長年の蓄積疲労で骨折してしまったようなものですから、すぐには回復しません。

本人の意志に委ねて、自ら動き出すのを待つことが最良の結果を生むことが多いです。

周囲が焦ってしまうと、それが見えないプレッシャーになって伝わるため、かかりっきりになったり、一喜一憂せず、本当の意味で本人に主導権を渡しましょう。

否定的な言い方はしない

回避性パーソナリティ障害の人は、散々否定的なことを言われ続けてきたため、周囲から否定的な意見を少しでも聞くと、全てが台無しになったような気持ちになってしまいます。

「やっぱりあなたは…」
「どうして、できないの?」

といった言い回しは禁句です。

肯定的な言い方で、根気よく接し続けることがポイントです。

回避性パーソナリティ障害の人の克服ポイント

回避性パーソナリティ障害の人は、失敗を恐れるあまり、身動きが取れなくなっています。

しかし、何もしないでじっとしていれば、安全で苦痛がないかと言えば実際はそんなことはなく、行動しないことで人間が持っている能力や抵抗力を弱らせてしまいます。

また、決断や行動をしないことで、失敗から学ぶチャンスさえも失われてしまいます。

動いてみれば、自分を縛っていたのは、実は自分自信の動けないという思い込みだったことに気づくでしょう。

しかし、回避の砦ができてしまうと、そこから外の世界に出ていくことはなかなか難しいものです。

ですが、実際に引きこもりを可能にする環境がなければ、守ってくれるものがなければ、呑気に引きこもってはいられなくなります。

長年、引きこもっていた青年が、その子をずっと心配していた律儀な父親が突然亡くなると、その年のうちに仕事を始め、ずっと仕事を続けているというケースもあります。

引きこもりは、それを可能にする環境があって初めてできる、ということです。

回避性パーソナリティ障害まとめ

回避性パーソナリティ障害の方は、人から嫌われたり、批判されることを極度に恐れてします。

そのため、本人は仕事に就きたいと思っていても、面接に行けないということもあります。

回避性パーソナリティ障害の治療には認知行動療法などの精神療法が効果的です。

認知行動療法を繰り返し行ない、考え方のクセを少しずつ改善していきましょう。


参考:
パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか, 岡田尊司, PHP研究所,2004/5/31
回避性パーソナリティ障害(AVPD),MSD マニュアル家庭版

 

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