「ついカッとなって怒鳴って後悔…」
「怒りを抑えて苦しくなった…」
誰しも一度はこんな経験があるはず。
「怒り」で人間関係が壊れたり、仕事にも影響したり…何かと扱いづらい感情ですが、人間にとって必要な感情のひとつです。
大切なのは「怒り」に振り回されず、上手に付き合うこと!
「アンガーマネージメント」は、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。
アンガーマネージメントで人生をもっと楽に生きてみませんか?
第16回は、「3つのコミュニケーションのタイプ[攻撃的タイプ]」の続き、「3つのコミュニケーションのタイプ[非主張的タイプ]」を解説していきます。
目次
3つのコミュニケーションのタイプ
自分も相手も大切にする自己表現を目指す
「怒ってもいいけど、適切な怒り方をする」ことを目指すのが、アンガーマネジメントです。
「適切な怒り方」がどんなものか理解するのに活用できるのが、「アサーティブコミュニケーション」の考え方と伝え方です。
アサーティブコミュニケーションとは、自分も相手も大切にした自己表現方法です。
感情に振り回されず、相手と対等に向き合い、率直に問題解決を目指して話し合うことを目指します。
コミュニケーションのタイプには、アサーティブなものを含めて、攻撃的タイプ、非主張的タイプの3つがあります。
あなたはどれに当てはまることが多いか、チェックしてみてください。
今回は「非主張的タイプ」です。
非主張的タイプ
特徴
自分を抑えて相手を立てる自己表現をするタイプ。
「こんなことを言ったら相手にどう思われるか」が気になるため、荒波を立てたくない、または、「どうせ分かってもらえないのでは」という不安もあり、自分の言いたいことを抑えてしまうタイプで、言えたとしても、率直に言えず、うまく伝わらないこともあります。
コミュニケーションのスタイル
- 言い訳がましく言う
- 遠まわしに言う
- 我慢が重なると爆発することもある
- 言い損なう
- 語尾まで言わない
このタイプの人は、はっきり自分の意見を相手に伝えられないため、
「なんで言えなかったんだろう…」
と自分を責めたり、中には、
「あなたのことを思って言わずにいたのに…」
など、心の中で相手を責めることもあります。
「怒ることはみっともない、大人気ない」と、怒りに対してネガディブな思いを持っている人が、このような表現を選んでしまう人も多いです。
あなたは、怒りの感情を伝える時に、
「こんな小さなことで怒っていたのかと思われないかな…」
「反発されたらどうしよう…」
など、ネガディブな想像を膨らませたことはありますか?
ですが実際、これらはあなたの思い込みに過ぎないケースも多いもの。
適切な言い方をすれば伝わる、そう信じて向かい合うことも大切です。
本当の良い関係とは、何について怒っているのか、何がOKで何がNGなのか、怒りを伝えられる関係です。
相手が威圧的だから言いたいことが言えないという人もいますが、自分の関わり方が相手をさらに威圧的・高圧的にしている、ということもあります。
はっきり言わないことで、相手は「で?何が言いたいの?」と、相手をイラっとさせることもある、ということです。
相手を変えることはできませんが、自分の伝え方、関わり方を変えることで、相手の受け止め方と反応を変えることはできます。
また、「あの時、ちゃんと言えばよかった」という後悔は、心の中で一次感情として溜まっていき、自分を責め、相手にも「私はこんな思いをしてるのに、なんで分かってくれないんだろう」と責める気持ちに変わってしまいます。
結果、体の痛みや憂鬱な気分になったり、ある日突然キレて、相手に怒りをぶつけてしまうことも起きてしまいます。
例えば…、
あまりの剣幕に、Aさんは上司の命令だと言い出せなかったのですが、そこで生まれた「なんであんな風に言われなきゃいけないの?」という思いがシコリとして残ってしまいます。
それは、フツフツとしいた怒りに変わり、ことあるごとに先輩を避けるようになってしまいました。
ついに「先輩はどうせ私のことが気にくわないんだ」と先輩のことが嫌いになってしまったそうです…。
次回、「3つのコミュニケーションのタイプ[アサーティブ]」、へ続く