この記事では、生きづらさの原因となることがある「スキーマ」についての紹介を行っています。
今回は、「評価されたいスキーマ」と「見捨てられスキーマ」について紹介していきます。
自身のスキーマを理解して自分を苦しめている考え方から抜け出すために、早期不適応スキーマの実例を紹介していきます。
もっとほめられたい
人は誰でも、「自分を見てほしい」「関心を持ってほしい」「ほめてほしい」という欲求を持っています。
"承認欲求"と呼ばれるものですね。
悪いイメージで語られることもありますが、承認欲求そのものは誰もが持っているものであり、自然な気持ちです。
また、この承認欲求があるからこそ、誰かのために頑張ろうと思えるため、これ自体は決して悪いものではありません。
しかし、「他者からの承認」のみに依存して生きようとすることには注意が必要です。
確かに、他者からほめられるのは嬉しいものですが、一方で他者の考えや行動というものは、自分にコントロールできるものではありません。
そのため、相手のためにと思ってやったことが感謝されなかったり、頑張ってやったことが相手に受け入れられなかったりといったことも当然起こります。
こんなとき、自分の価値を自分で認められていれば「そうか、この人には必要なかったのだな」と冷静に受け止められるのですが、他者からの承認に依存していたら、「自分自身を否定された」「自分には価値がないのだ」と受け止めて、強く落ち込んでしまうことになるのです。
このような、「人からの評価がすべて」になってしまう考え方を「評価されたいスキーマ」と呼びます。
評価されたいスキーマの思考の例として、下記のものが挙げられます。
・他人に認められたい
・もっとほめてほしい
・頑張っている自分を知ってほしい
・できるやつだと思われたい
このスキーマを持っている人は、「他者からどう見えるか」を第一に優先して行動を選択します。
それによって、思い通りに他者から評価されればいいのですが、実際にはそう簡単にはいきません。
相手のためにと思ってした行動が受け入れられないこともありますし、そもそも万人に好意的に受け取ってもらうことは不可能と言えるでしょう。
常にだれかの目を気にして、その評価に一喜一憂するのではなく、自分の価値は自分で認め、他者からの評価は自分自身の価値を決定づけるものではないということを受け入れる必要があります。
人はみんな私を見捨てる
友人や恋人など、自分にとって大切な人が、いつかは自分を見捨てるのではないかといつも不安に思っていませんか?
あるいは、嫌われるのではないか、これから見捨てられるのではないかという不安から、自分から関係を壊したり、避けるようになったりしたことはありませんか?
そのような行動を引き起こすのが、「見捨てられスキーマ」です。
見捨てられスキーマの思考の例として、下記のものが挙げられます。
・人はみんな、私のことを見捨てていく
・大切な人は必ず私のもとを去っていく
・私は人に見捨てられる存在だ
このスキーマを持つ人は、自分はいつも見捨てられており、今親しい人たちもいつかは自分のことを見捨てるのではないか、という不安を常に抱えています。
もしかしたら、どうせ見捨てられてしまうのであれば、初めから親しい人など作らないほうが良いと考えて、人間関係の構築を避けているかもしれません。
このスキーマは、幼いころに親に見捨てられたと感じた経験から作られていることが多く、実際にいつもいつも見捨てられてきたのかというと、実はそうではありません。
見捨てられるだろうと強く予想してしまっているために、実際には相手にそのようなつもりはなくとも見捨てられたのだと相手の言動を解釈してしまっていることもあるため、注意が必要です。
まとめ
今回の「生きづらさの原因となっている"スキーマ"」では、
「評価されたい」スキーマ
「見捨てられ」スキーマ
について学びました!
思考の特徴が自分に当てはまっていないか、確認してみましょう!