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発達障害とは?⑧ ~アスペルガー症候群の人の困り事、その対処法~

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今回は、アスペルガー症候群の人が、仕事上・生活上で困っていることの対処法を詳しく見ていきます。

前回までの記事⇒発達障害とは?① ~代表的な3つの障害の特徴~はこちら
前回までの記事⇒発達障害とは?② ~アスペルガー症候群の特徴~はこちら
前回までの記事⇒発達障害とは?⑤ ~アスペルガー症候群の人が困る事~はこちら

目次

仕事上で困る事への対処

アスペルガー症候群の人は、「コミュニケーションが苦手」という特徴が強いため、職場や日常生活でもなかなか理解されずらい事があります。

コミュニケーションは、何も会話だけのことではありません。

仕事や日常生活など、他人と関わる上でコミュニケーションはどうしても必要になってきます。

相談が苦手という人

アスペルガー症候群の人の中には、相談が苦手という人が多いようです。

仕事で必要な相談や交渉まで躊躇してしまうことが多いので、仕事の成果に影響が出てしまうこともあります。

アスペルガー症候群の人は、自分勝手と思われがちですが、実際は人の感情を気にする人が多いのです。

ですが、相手の気持ちを考えるのが苦手なため、人間関係でうまくいかないことも多くあります。

また、会社に入ると、上司・先輩は「わからなかったら質問して」とはいうものの、「自分で考えて」とも言ってくるのでどうしていいかわからなくなってしまう人も多いのではないでしょうか。

「わからないことがあるけれど、これは相談していいことなのか?自分で解決すべきなのか?」と、発達障害を持っていない人も判断に困ってしまうところでもあります。

相談は悪いことではない

相談しなかった結果、怒られてしまうのであれば相談して怒られるほうが心の傷は小さいようです。

相談すべきかどうか迷う時は、相談したほうがいいケースのほうが多くあります。

また、失敗は重ねながら、少しずつ学んでいくものです。

経験を重ねて少しずつ何を相談するべきか会得していきましょう。

自分なりに、相談することとそうでないことを判断するには?

「相談はしてもいいこと」と言いましたが、何から何までいちいち相談に行くようであれば、それは「自分で解決する気がない」、「人任せ」と思われてしまうかもしれません。

例えば、ネットで調べればすぐにわかるようなことは自分で調べるべきで、一度教わったようなことであればメモを見返すべきです。

ですが、メモが見つからない、メモしていなかったという時は、もう一度聞くしかありません。

これ以上、何度も聞き直してしまわないように聞いたときにはしっかりとメモを取るようにしましょう。

ネットで調べてもわからないようなことや、初めてのことなどは相談にいくようにしましょう。

業務の報告が苦手という人

仕事で「報告」はとても大切なことです。

報告をしたつもりでも、相手にちゃんと伝わっていなくては意味がありません。

アスペルガー症候群の人は、相手が何を聞いているのか、何を求めているのか推測するのが苦手という特性があります。

例えば、「打ち合わせはどうだった?」という上司の言葉に対し、勝手に話すポイントを決めて返答するというのが好きではありません。

そのため、打ち合わせの最初から最後までを全て説明しようするあまり、情報量が多すぎてうまく伝わりません。

逆に、「どうだった?」という曖昧な質問に対して、何を答えればいいのかわからなく、言葉足らずになる2つのパターンがあります。

報告は4つのポイントに絞る

業務の簡潔な報告のためには、細かい経緯などは省いても構いません。

とりあえず、ポイントを絞って報告しましょう。

業務が順調に進んでいる場合

用件結論2つのポイントを伝える

例:「〇〇の件で打ち合わせに行ってきました」
  ↓
「こちらの見積もりで概ねOKです」

このように、業務が順調に進んでいれば、報告はこれだけで大丈夫です。

うまくいっていないところがある場合

用件結論理由対策4つのポイントを伝える

うまくいっていないところがある場合は、用件結論なぜうまくいっていないのかその理由と、対策案を伝えましょう。

例:「〇〇の件で打ち合わせに行ってきました」
  ↓
「こちらの見積もりは見直しを求められました」
  ↓
「予算を超えてしまっているため、追加は難しいとのことです」
  ↓
「部品の一部を輸入品にかえればコストを抑えることができるので、見積もりを作り直せますが、いかがでしょうか?」

といった具合です。

対策案があると、上司もアイディアが出しやすくなると思うので、完璧な対策案である必要はありません。

上司にアイディアを出してもらうための踏み台というつもりで持っていきましょう。

また、対策案は自分でやれることを前提にしましょう。

人任せの対策案では責任感がないと感じられてしまいます。

細かい点などは、伝えなくてもいい?

さきほどあげた一通りの報告をすれば、細かい情報は伝えなくて大丈夫です。

あとは相手が質問してくるので、それに答えていくという形でOKです。

仕事の報告をするときは、最初から最後まで全て説明をしても相手にはうまく伝わりません。

報告のときは、用件、結論、理由、対策案などのポイントに絞って簡潔に伝えることを心がけましょう。

メモを取るのが苦手な人

アスペルガー症候群の人は、“大事なことをメモする”ということに対して、まず「“大事”とは何か?」と、“大事”の定義を明確にしないと次に進むことができなかったりします。

メモのフォーマットを用意しておく

「大事なポイントをメモすればいい」の「大事なポイント」がわからず考えてしまうのでメモがとれないという人は、はじめからメモのフォーマットを用意しておきましょう。

仕事の指示を受けたとき用のフォーマットであれば、日付内容目的日時場所担当者関係者などを書いておくといいでしょう。

このフォーマットを使うポイントとしては、全ての項目をしっかり埋めること

分かっているから書かなくても大丈夫と思って空欄にしておくと、次第に書かなくてもいいやと思い始めてしまう恐れがあるので、しっかりとすべての項目は埋めるようにしましょう。

そして、完成したメモは一度依頼者に見てもらい、確認しましょう。

聞き間違いなどがあるかもしれませんし、追加の指示を受けることもあるかもしれないので、確認するということはとても大切なことです。

何度も同じことを聞いてしまう人

アスペルガー症候群の人は、人のペースに合わせるということが苦手です。

そのため、人から仕事を教わるということ自体がアスペルガー症候群の人にとっては難しくあります。

特に、最近ではよくOJT研修という実践型の研修を行なっている職場が多くあります。

OJTとは、仕事を実際にやってみながら仕事を覚えていこうというものです。

相手や教えてくれる先輩のペースに合わせながら行なっていかなくてはならないので、どんどん新しい情報が入ってきて混乱してしまいます。

実戦しながら仕事を覚えていくとなると、「これ」、「それ」、「ここ」など、指示語が多かったり、曖昧なものも多かったりします。

さらに、教えてくれる先輩によってやり方が違っていたり、説明の仕方も変わってきます。

そういったことがあると、混乱を招いてしまい、大事な情報が一切頭に残らないということもあるようです。

同じ順序、同じパターンを好むアスペルガー症候群の人にとっては、このような様々なやり方、臨機応変の対応などが苦手なのです。

確実に少しずつ覚える

誰でも、最初から完璧に仕事をこなすことはできません。

分からないところは分からないと伝えることも大切です。

ですが、先輩に頼りきっていては、いつまでたっても仕事を覚えられません。

少しずつ覚えていけるように、まずはしっかり準備をしましょう。

  • メモを用意し、自分なりにメモを取りながら聞く
  • 目で見てわかる情報は写真を撮ってもOK
  • まずは聞くことに専念。最後に質問
  • 記憶が鮮明なうちに全て書き出す
  • 忘れてしまったり分からない事は出来れば当日聞き直す

書き出したものは自分のマニュアルとして、すぐに取り出せるようなところに置いておきましょう。

日常生活で困る事への対処

日常生活の中では、「コミュニケーションが苦手」、かつ「こだわりが強い」という特徴のため、特に家族に理解されづらいという点が挙げられます。

コミュニケーションが苦手だから!?

コミュニケーションで一番の基本になってくるの、やはり「挨拶」です。

初めて会う人でも、自分の仲のいい友達でも、会ったらまず挨拶!

それだけで、印象は変わってきます。

表情を豊かにすると印象が大幅アップ

人の第一印象は、3秒で決まると言われています。

では、その3秒間で人は何で印象を受けるのでしょうか?

それは大きく3つに分ける事ができます。

  1. 服装・身だしなみ
  2. 正しい姿勢
  3. 明るい表情・笑顔

この中でも、特に「表情」は印象に関わってきます。

あなたの周りでも「表情が豊かな人・いつも笑顔の人」と会ったときに良い印象を受けた経験があると思います。

こんな事を言うと、それが出来たら苦労はしないなんて事を思われそうですが。。笑

ここは、「習うより慣れろ!」で、表情を豊かにする4つのポイントと表情和らげる魔法のワードをご紹介したいと思います。

表情を豊かにする4つのポイント

まずは、表情を豊かにする4つのポイントです。

  • 口角をあげる
  • 目元をやさしく
  • 相手と目を合わせる
  • 眉を動かし感情を表現

以上が、表情を豊かにする4つのポイントですが、いきなり実践するのは中々難しいとは思います。意識しながら徐々に慣れて行きましょう。

表情和らげる魔法のワード

  • 「ういすきー」

これは、表情筋のストレッチのようなものです。

このワードを鏡の前などで練習する事で表情筋を柔げることができるかもしれません。

会話の中で気をつけるべき事と上手になるコツ

ここまで、挨拶や印象などについて紹介してきましたが、やはり会話に対して苦手意識を持っている方・もしくは自覚がなくてもこれから挙げていく内容に当てはまってしまっている方は少し意識して気をつけてみましょう。

適切なあいづちをうって「聞いてますよ」アピール

会話の中で相手が話しているときに、しっかり「あいづち」をうつ事で相手の話をちゃんと聞いているよと、伝える事ができます。

アスペルガー症候群の人は、自分の興味のある事とない事とでの反応に大きな差がある事が多いので、あいづちを適切なタイミングで打ってあげる事で話している人は「ちゃんと聞いてくれている」と安心して話す事ができます。

ただし、あいづちは多すぎるとうるさく感じてしまいますので、程よいペースを見つけましょう。

相手の目を見て話す

会話をする際、相手の目を見る事で、相手への関心の高さや気持ちを伝える事ができます。

ただ、凝視し続けるのも不自然なので、イメージとしては「相手の目と目の間」を見る様にするといいです。

また、適度に相づちをうち、視線を逸らすなどすると自然に会話が出来ます。

話し上手ではなく、聞き上手を目指そう

アスペルガー症候群の人は、心の距離感がわからない、という方が多いようです。

目上の人に馴れ馴れしく接してしまったり、親しくすべき人に敬語を使ってよそよそしくなってしまったり、うまく距離感をつかむことができません。

こういったことがある人は、無理に話し上手になる必要はありません。

それよりも、聞き上手を目指す方が問題解決への近道になりそうです。

人は基本的に聞くよりも、話すことに喜びを感じるそうです。

そのため、聞き上手になれば相手とトラブルになることなく、お互い気持ちよく過ごせそうです。

話すのが苦手という人は、基本的に相手が主役というスタンスにするとよさそうです。

相手の話を聞いて、それらの話題に対して、質問を中心に返していきましょう。

自分が答えなくてはならないときは、なるべく控えめに。

相手が話そうとしていることをまずは、優先してみましょう。

会話のときに気を付けるべきポイント

  • 相手が話し終えてから自分の話をする
  • 否定的な言葉はなるべく使わない
  • 相づちは適度に。うちすぎるのはNG
  • 目を合わせるのが苦手なら相手の口元を見る
  • 自分が話すのは長くても相手と同じくらいに抑える

人とのコミュニケーションに苦手意識を持っている人、上手くいっていない人にとっては、これらのことは簡単ではないと思いますが、意識していくことで徐々に慣れていくのが良いと思います。

家族や周囲の人にできる事

アスペルガー症候群の人、本人の対処も大事ですが、家族や友人、周囲の人が対応できることもたくさんあります。

人との距離感が分からない

アスペルガー症候群の人は、「暗黙の了解」が理解しずらく、苦手という特徴があります。

一方、視覚的な能力は優先するため、伝えたい事は「見える化」してメモや手紙などで伝えると良いことも。

思ったことを正直に口にしてしまう

「暗黙の了解」が分かりづらいアスペルガー症候群の人は、事実ではああるけれど、言わない方がいいことも、サラッと言ってしまうことがあります。

本人に悪気がない分、直すのは難しいかもしれませんが、不快になりそうなNGワードを書き出し、記号的に覚えてもらうことから始めましょう。

気持ちを分かってくれない

アスペルガー症候群の人は、相手の気持ちに共感することが苦手です。

相手の表情を読み取ることも苦手なため、病気で寝込んでいる家族に対しても気遣うことができなかったりします。

このような場合、曖昧な言葉ではなく、「こうして欲しい」と具体的に伝えましょう。

言葉通りにしか伝わらない

想像力の欠如は、アスペルガー症候群の特徴のひとつです。

言葉を文字通りに受け止める傾向が強く、想像することも苦手なので、時には大問題になってしまうことも。

「言葉の裏」や「考えれば分かるでしょう」は通用しないので、言葉通りに伝えるしかありません。

同時に2つのことをこなせない

アスペルガー症候群の人の脳は、一方通行しかできない1本のレールのようになっています。

また、筋肉や関節からの感覚が脳に伝わりにくい場合もあります。

一方でひとつのことに的を絞れば集中できる能力があるため、一度に複数の作業を頼もうとせず、手順ごとにひとつずつ済ませましょう。

余計な言葉が入るとかえって混乱するため、必要なことだけコンパクトに伝えましょう。

好きなことだと集中しすぎる

興味のない事には見向きもしませんが、好きなことには驚くほど集中するのがアスペルガー症候群の特徴です。

一方で、疲れを自覚しにくく、睡眠や食事さえ没頭して気づくと体調を崩してしまうことも。

「3時間、仕事(集中)したら、10分休憩。お茶を飲んでお菓子をつまみ、トイレにいく」と具体的に休み方を教えましょう。

マイルールを譲らない

アスペルガー症候群の人は、こだわりが強いという特徴があります。

人に迷惑をかけないレベルのこだわりなら問題ありませんが、アスペルガー症候群の人のマイルールは、時に特異に見えることがあります。

これは、変化に対し不安を感じるためです。

「〇〇しないで!」はNG。

「やってくれると嬉しいなぁ」「その方があなたもお得だよ」

など、うまくアピールしましょう。

参考:
司馬 理英子,大人の発達障害 アスペルガー症候群・ADHD シーン別解決ブック,主婦の友新実用BOOKS,2015/2/20
家族のためにアスペルガー症候群とのつきあい方,野波ツナ・宮尾益知・滝口のぞみ,コスミック出版,2015/10/19

 

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