日本人のうち、約4000万人が慢性頭痛をもっていると推定されています。
その頭痛の中でも、最も多いと言われているのが「緊張型頭痛」です。
緊張型頭痛は、主に心身のストレスが原因と考えられていて、今や5人に1人が悩んでいると言われています。
目次
緊張型頭痛とは?
緊張型頭痛とは、頭や首、肩、背中などの筋肉が緊張して起こる頭痛のこと。
痛みは頭の後ろの方や、両側、首筋にかけて起こります。
緊張型頭痛の痛みは、ズキズキッとした痛みではなく、頭全体をバンドか何かで締め付けられているような感覚です。
頭の痛みだけではなく、肩こり、首のこり、めまい、だるさなどを伴うこともあります。
緊張型頭痛には15歳以上の5人に1人が悩んでいると言われおり、男性より女性のほうが1.5倍発症しやすいとも言われています。
緊張型頭痛には2つのタイプがある
緊張型頭痛には、反復性緊張型頭痛と慢性緊張型頭痛、2つのタイプがあります。
反復性緊張型頭痛
頭痛の頻度が月に15日未満で、痛みも軽く、また短時間で30分から数日で治ります。
医療機関を受診するような痛みではないため、受診する人がほとんどいません。
慢性緊張型頭痛
頭痛の頻度が月に15日以上で、ほぼ連日痛みが持続します。
一日の中でも痛みの強さが変動することがありますが、ほぼずっと痛みが続きます。
痛みの頻度や強度が増してくるという特徴があり、まれに、うつ病などの心の病を併発していることもあります。
また、中には体を動かすと痛みがひどくなったり、ズキンズキンといった痛み、音や光に過敏になるといった、片頭痛と似た症状を訴える人もいます。
緊張型頭痛の主な症状は?
緊張型頭痛の主な原因は、身体的・精神的なストレスと言われています。
身体的ストレス
一日中パソコンに向かうことによる目の疲労や肩こり、頭から首にかけての筋肉が緊張し、血行が悪くなって、疲労物質が溜まってしまい頭痛を招くと考えられています。
女性なら、バッグを肩にかけるなどの特定の姿勢が発症の原因になることもあります。
精神的ストレス
日々の心配事、不安、悩み、仕事のプレッシャーなどの精神的なストレスからも頭痛が生じます。
頭痛のメカニズムは解明されていませんが、精神的ストレスが交感神経を過剰優位にし、筋肉の緊張による血管の圧迫。
血液循環不良などを生み、痛みを起こすと考えられています。
ほぼ毎日頭痛が起きる慢性緊張型頭痛は、精神的ストレスが大きく関わっているとも言われています。
緊張型頭痛の対処法は?
生活習慣を改善して予防
適度な運動をする
緊張型頭痛は、肩こりが関係していることが多いため、日ごろから適度な運動を行いましょう。
無理をせずに続けられるようなストレッチ、背筋や腹筋を鍛える体操などが効果的です。
同じ姿勢を長時間続けない
不自然な姿勢を長い時間続けていると痛みの症状が出る場合があります。
スマートフォンを見る時にうつむいた姿勢を続けていたり、デスクワークで座りっぱなしの人は注意が必要です。
肩や首に負担がかかるような姿勢は避け、正しい姿勢をこころがけましょう。
筋肉を収縮させない
ぬるめのバスタブにゆっくりつかる、こった部分に温シップやホットタオルで温めるなど、毎日の生活でこりを溜めないようにしましょう。
ストレスを解消する
精神的ストレスを溜めないために、趣味やスポーツなど、何か打ち込めることをみつけましょう。
ただし、長時間の運転やゲームのやりすぎは注意。
十分な睡眠と、ゆったりとした時間を持ち、心身のストレスをうまく解消することが大切です。
痛みが出てしまった時は
温めてコリをほぐす
ホットタオルや温シップ、マッサージ、半身浴などで首や肩の筋肉のこりをほぐし、血行を良くしましょう。
気分転換をする
精神的ストレスの原因となっている場所から離れるなどして、早めに気分転換しましょう。
薬を服用する
鎮痛剤や筋肉の緊張を緩和させる筋弛緩剤、漢方薬などで痛みを和らげることができます。
また、精神的ストレスが原因と考えられる場合は、抗うつ剤、抗不安剤が効果的です。
ただし、これらの薬は、あくまでも対象療法。
毎日のように痛みが続くようだと、鎮痛剤を飲んでもあまり効果が得られません。
解決には、心身のストレスを根本的に解消することが重要です。
まとめ
日本人の5人に1人は悩んでいると言われる緊張型頭痛。
主な原因は、長時間のデスクワークによる身体的なストレスや仕事や人間関係による精神的ストレスと考えられています。
緊張型頭痛はズキズキとした激しい痛みを伴うわけではないので、日常生活にそこまで支障がでるわけではありません。
ですが、長期間痛みを我慢することで症状が悪化し、うつ病などを併発する恐れがあるので、何か気になることがあれば、一度病院を受診してみることをおすすめします。