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自分も相手も大切に…アサーションで自己表現!【29】 ~怒りは相手のせいではなく自分が起こす感情~

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日々の生活の中でこんな気持ちになったことはありませんか?

自分の都合があるのに、突然の誘いを断われない…
自分が正しいと思うことは、なんと言われても変えられない…
商品を間違えられても、変えてもらうことができない…
自分の意見を通すために、人の気持ちを配慮できない…

このような状況が続くと、心の中に不満が溜まったり、周囲と関係が悪化してしまうなど、結果的にあなたの生活の質を下げてしまいます。

こうしたトラブルを解決し、より爽やかに生きるための方法が「アサーション」です。

お互いにとって心地いい関係を作るために「アサーション」を学んでみませんか?

第29回は、「言葉の内容と態度・行動を一致させる」の続き、「怒りは相手のせいではなく自分が起こす感情」を解説していきます。

目次

怒りは相手のせいではなく自分が起こす感情

怒りは他の感情と同じように、周りの何かに反応して起こる感情で、危険は脅威に対して持つ自然なものなので、そのまま感じることが大切です。

しかし、周囲の人の言動や出来事がきっかけで起こるので、

「人のせいで怒らされた」

と思いがちな感情でもあります。

しかし、自分を怒らせているのは自分自身です。

同じような目にあっても怒らない人がいることを考えてみると分かると思います。

自分が自分を怒らせているとは思えない理由は、怒りになどの不快な感情は、自分が起こすはずはないと思っているからかもしれません。

さらに問題なのは、怒りが「良くない感情」とされていることが多いため、うまく表現するのが難しい面があることです。

そのため、怒りを感じること自体に罪悪感を持ったり、自己嫌悪を持ったり、怒りを無理に抑えることで、うつ状態に陥ることもあります。

ここで大切なのは、不快感や怒りなどマイナスと思われる感情も必要、ということで、この感情があるからこそ、私たちは危険を避けて、身を守ることもできるのです。

大きな危険になる前に、適切に怒りを受け止めて、表現することが大切なのです。

3段階の怒りと対応方法

怒りを表現する前に、自分の怒りの程度を把握しておくことが大切です。

不快なことが続くと、「やめて欲しい」という気持ちになりますが、それでもやめてくれなければ、苛立ちを感じるようになり、それでも続くと「やめろ!」と怒鳴りたくなるもの。

怒りがマイルドな段階なら、それほど強い言い方になりませんが、中程度の時に「やめて欲しい」と言えば、怒りの蓄積を防ぐことになります。

強い怒りになってしまった場合は、まずできるだけ言葉だけで表現する努力をしましょう。

この時に自分が攻撃的になりすぎると、お互いに更なる怒りを生んでしまう恐れがあるので、相手に脅威を与えないように、

「何が嫌なのか」
「どうして欲しいのか」

上記を、できるだけ言葉で伝えようとしてください。

怒りに適切に対応することは問題解決のきっかけになる

怒りの表現は、お互いが問題解決の能力を発揮するきっかけにもなります。

その時は、自分の気持ちを正直に伝えるとともに、感情的になりすぎず、お互いの置かれている状況を客観的に説明して、共有することが大切です。

自分の怒りが相手に脅威を与えてしまうこともあるかもしれませんが、その時は、自分の怒りを直接ぶつけるのではなく、冷静に客観的に説明することを心がけてください。

また、自分にとって深刻な問題であることを説明することを心がけ、自分のできることをしましょう。

攻撃的になるような強度な怒りしか出せそうにない時は、まず誰かに話して心を落ち着けるのも工夫の一つです。

問題解決能力を発揮するためにも、心の冷静さを心がけましょう。

怒りの3段階
  • マイルドな怒り
    好きではない、同意できない、イヤだ、などと感じる気持ち
  • 中程度の怒り
    腹立たしい、反対だ、イライラする、などの不安な気持ち
  • 強度の怒り
    頭にくる、カッカする、ぶん殴ってやりたい、などの激怒の気持ち

他人の怒りへの対応

他人から怒られるとビックリしてしまう人や怖いと思う人が多いと思いますが、相手が感じている怒りにも程度があります。

その程度をまず受け止めて、自分にできる対応を伝えていくようにしましょう。

相手の怒りを否定しないことも大事です。

冷静に対応して怒りの伝染を避ける

自分に対して誰かの怒りが向けられた時は、どう対応すればいいか考えてみましょう。

これまで、怒りはその人自身が起こしている感情と説明しましたが、この場合も同様で、きっかけにあなたが関わっていたとしても、怒りの感情は相手自身が起こしているものです。

怒りの伝染を避けるためにも、「相手の怒りは相手のもの」と覚えておきましょう。

また、何も伝えずに怯えたり、相手の怒りを自分のせいだと受け止めたり、仕返しに怒り返すことはやめましょう。

意味もなくお互いがイヤな気持ちになるような攻防がはじまりかねません。

怖い気持ちは相手に率直に伝える

また、相手の怒りを否定しないことも大切です。

相手の怒りは怒りとして受け止めて、その理由を理解し、その怒りに対応する意思があると伝えましょう。

受け止めることを避けると、ほとんどの場合、より一層怒りを強めることになります。

相手の怒りが、現実的な危険を及ぼす例は実際のところ少ない、ということも頭に入れておきましょう。

もし、あなたが「怖い」と感じたら、

「怖い」
「動揺している」
「少し待って欲しい」

など、思っていることを正直に言葉で伝えた方が、相手も受け入れやすいでしょう。

問題解決の基本的な方法は、相手の怒りに対する対処する場合も、自分の怒りの場合と同じです。

お互いの状況を丁寧、かつ、客観的につかんで、自分たちに出来ること、すべきことを確認して、順番に整理して実行することです。

一見、手間がかかるように思えますが、結局この方法が一番の近道だったりします。


 
次回、「コミュニケーションの質をアップ!…理解の方法」へ続く


 

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