日々の生活の中でこんな気持ちになったことはありませんか?
自分が正しいと思うことは、なんと言われても変えられない…
商品を間違えられても、変えてもらうことができない…
自分の意見を通すために、人の気持ちを配慮できない…
このような状況が続くと、心の中に不満が溜まったり、周囲と関係が悪化してしまうなど、結果的にあなたの生活の質を下げてしまいます。
こうしたトラブルを解決し、より爽やかに生きるための方法が「アサーション」です。
お互いにとって心地いい関係を作るために「アサーション」を学んでみませんか?
第33回は、「コミュニケーションの質をアップ!…相互理解の質を上げるコツと質問の使い分け」の続き「コミュニケーションの質をアップ!…おまけの答えと限界を知る」を解説していきます。
目次
コミュニケーションの質をアップ!
自己表現やコミュニケーションは、相手があってこそ成り立つものです。
あなたは相手についてどのくらい知っていますか?
心地よい自己表現をするためには、相手を知るための努力と工夫も大切です。
いろいろなヒントをご紹介しますので、ぜひ活用してみてください!
質問されたらおまけの答えを言ってみる
私たちの会話は、情報の交換で成り立っているため、そのやりとりの関係は「物の売り買い」のように考えることもできます。
この捉え方ができると、お互いの意見や考えを引き出すヒントになるため、コミュニケーションがもっと楽しくなります。
例えば、
と質問することを、
と言い、「代金」を支払うようなことだと考えてみましょう。
質問された側は、それに答えることで「商品」を提供している、と考えるのです。
このやりとりで大切なのは、支払い(質問)と商品(答え)に、ある程度のつり合いが取れている必要がある、ということです。
尋ねられた側が価値を感じるような支払い(質問)をしてきて、尋ねた側にとっても意味があるような商品(答え)が返ってくれば、それはバランスが取れた会話、ということになります。
買い物、日常生活でサービスがあるように、会話にもそれがあるのです。
おまけの情報があると会話が豊かに楽しくなる
では一つ例をあげてみましょう。
と友人に質問されたとします。
とだけ答えたら、相手は物足りなさを感じてしまうでしょう。
私たちが何か質問する時は、言葉にならない期待や思いも込めているので、質問されたことにだけ答えていると、会話がつまらないものになることも考えらえます。
そこで「おまけ」をつけて、会話を楽しくします。
おまけの答えとして…、
「新鮮な野菜を買ったよ」
「新しいお店を見つけたんだ!」
など、相手が関心を持ちそうなエピソードを加えたら、会話が広がりコミュニケーションがさらに楽しくなりますね。
お互いの全てを知る事はできないことも知っておく
人は自分の中で起きている事や、伝えたい事を全て表現することはできません。
なぜなら、それはあまりにも複雑で情報量が多いためです。
よって、完全な自己表現というものは存在しません。
例えば、誰かとちょっとした会話をしている時でも、その時自分が感じている事を同時に出すことはできません。
また、話題として取り上げる順番を考えた上で、どの事柄についての説明を詳しくするか?簡単にするか?どちらかを選ばなければなりません。
このように、プロセスや選択する事が多いので、表現することには限界があります。
これは誰にとっても共通なことなので、ガッカリせず、もっと知りたい事や伝えたい事があったら、根気よく会話を続けることが大切です。
限界があると知った上で対応すれば諦める必要はない
何が不必要なのかすぐに決めることは難しく、必要だと思っていたことを表現し終わった後、まだ表現したことが残っていたことに気づく場合もあります。
さらに、伝えたいことを表現する言葉を知らなかったり、ぴったり合う言葉がすぐに見つからなかったり、言葉にできないほど状況が込み合っていることもあります。
以上のような理由もあり、自己表現には限界があるのですが、限界があることを知った上で、どうしても伝えなければならない重要なことだけは、しっかり伝えつつ、小さなことにはこだわらないなど、時と場合に応じて、無理のない柔軟な自己表現を心がけていきましょう。
自己表現の限界
- 自分の感じていること、考えていること、全てを伝えることは無理
- 相手と自分の言葉の意味づけが完全に一致することはない
- 「うまく伝わったらラッキー」くらいの柔軟な気持ちが大切
- 詳しく正確に知りたい事は時間をかけて丁寧に話し合う
- 必要なことだけわかれば大丈夫、と細かい事にこだわりすぎない
- 時と場合に応じて「どこまで伝えればいいか」を判断する
次回、「聴くこと=相手を深く理解することの大切さを知る」へ続く