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自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!【13】 ~【自己受容感】…仕事の失敗を押しつけられた過去が忘れられない~

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突然ですが、あなたにとって「幸せ」とはなんですか?

  • お金持ちになること
  • 玉の輿にのること
  • 幸せな結婚をして子供を育てること
  • 大きな会社に入って安定した職があること
  • 商売やスポーツで大成功して有名になること

これらの目的は達成すると嬉しいものです。

しかし、「自己肯定感」が低いと、これらの目的を達成しても幸せを感じられません。

一次的には嬉しいかもしれませんが、喜びが長続きしないのです。

「自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!」では、自己肯定感とうまく付き合う方法を身につけ、幸せな毎日を過ごすための方法をご紹介していきます。

第13回は、「【自己受容感】…ありのままの自分を認める感覚」の続き、「【自己受容感】…仕事の失敗を押しつけられた過去が忘れられない」を解説していきます。

目次

【自己受容感】…仕事の失敗を押しつけられた過去が忘れられない

前回、嫌われるのが怖くて言いたいことをなかなか言えないTさんの事例をご紹介しましたが、今回は、過去の失敗を責任転嫁されたことがずっと忘れられないOさんの事例を紹介します。

数年前、上司と組んで新規プロジェクトの立ち上げに関わっていたOさん。
休日出勤や残業も続き、しんどい毎日でしたが、「上司から求められているから」「チームのためになるから」と、懸命に頑張っていました。
しかし、いざプロジェクトが始動すると、思ったような成果が出ず、頓挫してしまいます。
上司は「うまくいかなかったのは、O君。君のせいだよ」と、Tさんに責任を転嫁したのです。
既に数年前のことですが、上司に裏切られた思いがずっと消えず、ふとした時に思い出してはイライラし、そんな自分の器の小ささに苛立ってしまうのでした…。

過去の怒りから解放される方法とは?

信頼していた相手から裏切られた時の驚きやくやしさ、虚しさは、なかなか消える物ではありません。

ただ、数年前の出来事について思い悩んでいる自分を残念に思う気持ちもあると思います。

相手へのネガディブな感情や、自分へのモヤモヤした思いがうまく処理できずにいると、自己受容感はジワジワと低下し、自己肯定感も低空飛行を続けることになります。

こんな時に有効なのが、自分が抱えている苦しい感情をしっかり認識すること、です。

Oさんがカウンセリングですすめられたのは、「エクスプレッシンブ・ライディング」と呼ばれる感情を紙に書きだすテクニックでした。

これは、1980年代に生まれた心理療法で、ポイントは自己受容感を損なう原因となった出来事と、その時の感情を忖度なしで、自分の思いのたけを正直に紙に書きだします

Oさんの例で言えば、

「上司の〇〇、ふざけるな!」
「人のせいにするな!」
「信じて頑張ったのに、裏切られた!」

という言葉になりそうです。

とにかく書き出すことで、抱えているネガディブな感情をしっかりと認識することができます。

すると不思議なことに、忘れたくても忘れられなかった記憶へのこだわりが、

「ま、いっか」

と小さくなっていきます。

心に痛みがあるということは、Oさんにとって、いつまでも上司が気になる対象ということです。

職場の関係など、いろいろな事情でバッサリと思いを断ち切ることは不可能ですが、

「ま、いっか。そんな人もいるか」

と、自分で許すことを受け容れたことで、上司が気にならなくなり、怒りというネガディブな感情からOさんは自由になり、新しい道に進むことができるのです。

明確になれば、囚われから脱出できる

私たちの脳は、ぼんやりと気にかかっていることほど忘れられず、きちんと整理できて、区切りがついたことは忘れられる、という性質があります。

そのため、書き出すことで、いつまでも気になっていたことや、いつもつきまとってくる不安に変化が生じるのです。

人は区切りをつけられれば忘れられる、ということです。

アメリカの心理学者、ダニエル・ウェグナーが行った「シロクマの実験」と呼ばれる研究では、実験の協力者を3つのグループに分け、シロクマの一日に迫ったドキュメンタリー映像を見てもらい、その後、それぞれのグループに異なる指示を出しました。

  • Aグループ:「シロクマのことを覚えておいてください」
  • Bグループ:「シロクマのことを考えても考えなくてもいいです」
  • Cグループ:「シロクマのことを絶対に考えないでください」

1年後、実験の参加者を集め、映像の内容について覚えているかどうかを尋ねたところ、もっとも鮮明にシロクマのドキュメンタリー映像を覚えていたのは、「シロクマのことを絶対に考えないでください」と指示されたCグループでした。

ウェグナー博士は、この実験の結果を受けて、「何かを考えないように努力すればするほど、かえってそのことが頭から離れなくなる」という脳の働きを、

「皮肉家庭理論」

と名づけました。

つまり、私たちは「忘れたい」「こだわりたくない」と意識していることほど、「忘れられず」「こだわってしまう」のです。

自己肯定感が下がっているとネガティブな出来事への反応が強くなるので、ますすます忘れられなくなります。

そこで、「エクスプレッシンブ・ライディング」で、感情を紙に書き出し、文章化することで、自分で目視できるようにすることで、「忘れたい」「こだわりたくない」出来事とその時の感情が明確になります。

明確に意識すること、忘れやすく、手放しやすくなるわけです。

こうして悩みを乗り越える経験によって、自己受容感も回復していきます。

「ネガティブな感情を抱くのは当然」
「そんな自分も受け入れられる」
「自分は乗り越える方法を知っている」

そんな心境になり、

「だから大丈夫」

と思えるようになるのです。

その他、下がってしまった自己受容感への瞬発型の対処法として、次のような方法も今後、紹介していく予定です。

すぐにできることばかりなので、是非実践してみてください。

自己受容感の瞬発型対処法

  • 自分のデスク上に好きな小物を置く
  • おやつを食べる
  • バスタイムに目のヨガをする
  • セルフハグ
  • 5分だけ掃除をする

 
次回、「【自己効力感】…自分にはできると思える感覚」へ続く


 

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