うつ病になる人は年々増えていると言われており、厚生労労働省の調査では、日本の潜在的なうつ病患者の人数は600万人を超えると言われています。
うつ病患者の中でも、最近増え始めていると言われているのが「非定型うつ病」と呼ばれるニュータイプのうつ病です。
「非定型うつ病ってどんな病気?」では、専門家でも理解が不十分とも言われている「非定型うつ病」とは、どんな病気なのか?その症状や治療法などを紹介していきます。
第18回は、「体を使わないと心も不調になる」の続き、「非定型うつ病の患者像」をみていきます。
目次
非定型うつ病の患者像
都市型うつ病は非定期うつ病の特徴がある
現在、我が国のうつ病の生涯有病率は、10%前後と言われていますが、そのうち半数近くは非定期うつ病であるという報告があります。
国民の5%は非定型うつ病になる可能性がある、ということです。
しかし、非定型うつ病の場合、「うつ病‘(DSM-5)/大うつ病性障害エピソード」にある、
という診断基準を満たさない人が多く見られます。
「1週間のうち、2~3日だけ悲しくなる」
いわゆる「プチうつ病」の人たちで、受診していないことも多いようです。
非定型うつ病の割合は、抑うつ障害全体の31%というデータがありますが、こういった現状をみると、実際は統計よりかなり多くなることが考えられます。
特に、都市型うつ病の半数以上は、多かれ少なかれ非定型うつ病の特徴を持っている、というのが臨床現場で言われているようです。
若い女性の患者さんが多い
非定期うつ病の患者さんについて、詳しくみていきましょう。
発病年齢
非定型うつ病の発病平均年齢は、24.4歳。
その他のうつ病の発病平均年齢が、30.1歳ですので、明らかに若年で発症しています。
男女の割合
非定型うつ病の全患者のうち、女性が7割を占めています。
一方、その他のうつ病の女性患者は6割余りで、女性の発症が多くみられます。
次回、「非定型うつ病と関わりが深い病気 ① 不安症」へ続く