うつ病になる人は年々増えていると言われており、厚生労労働省の調査では、日本の潜在的なうつ病患者の人数は600万人を超えると言われています。
うつ病患者の中でも、最近増え始めていると言われているのが「非定型うつ病」と呼ばれるニュータイプのうつ病です。
「非定型うつ病ってどんな病気?」では、専門家でも理解が不十分とも言われている「非定型うつ病」とは、どんな病気なのか?その症状や治療法などを紹介していきます。
第46回は、「非定型うつ病 回復のポイント ④ 健康的な食行動」の続き、「非定型うつ病 回復のポイント ⑤ 脳トレで前頭葉の血流を増やす」をみていきます。
目次
非定型うつ病 回復のポイント ⑤ 脳トレで前頭葉の血流を増やす
非定型うつ病の人は、脳の前頭葉の血流が少なく、働きが低下していると考えられています。
脳トレを行って血行を良くし、低下している前頭葉の働きをアップさせましょう。
考えながら手を使う料理は効果的な脳トレ
前頭葉は、脳の中でも、意欲、集中力、想像力、行動力などをコントロールする大事な部分です。
その働きを活性化させるのに有効なのが、脳のトレーニングです。
あるクリニックでは、認知行動療法の前にクレペリン検査(連続加算検査)を行うと、治療期間が通常の3/2になると想定しています。
また、毎日の生活に取り入れやすい前頭葉の脳トレとして、効果を発揮するのが「料理」です。
前回でも触れましたが、
- 献立を考える
- 材料を洗ったり、切ったりする
- 火を使う
- 味付けをする
- キレイに盛り付ける
- 後片付けをする
など、料理をするには思考力や判断力が必要で、なおかつ手を使うたくさんのプロセスがあります。
こうした作業が前頭葉の働きを活性化し、働きをよくすることに繋がります。
皮をむく作業なら、皮むき器より包丁を使った方が脳が活性化する、という報告があります。
脳は手先を複雑に動かした方が、より活発に働くのです。
便利な調理器具もありますが、時間がある時は手間をかけましょう。
楽しみながら脳トレになる作業
料理の他にも、掃除、庭の手入れなどの家事も脳を活発にします。
また、家事以外にも脳トレになることはいろいろあります。
自分が楽しめるものを生活に取り入れていきましょう。
絵を描く
何を描こうか考えたり、色を選んだり、創造性が大切になるのが絵を描く作業です。
前頭葉を刺激し、働きを高めます。
上手である必要はありません。
イメージを膨らませて、自由に描きましょう。
手紙を書く
文字を正確に美しく書こうとすることで、脳が活性化します。
最近はパソコンで手紙をうつ人が増えていますが、手書きの方が効果的なトレーニングになります。
本を読む
目で文字を追い、内容を理解しようとすることが脳トレになります。
声を出して読むと、より活発に脳が働きます。
また、新聞で興味のある記事を読み、ノートに書き写すのもいい脳トレです。
手芸・工作をする
編み物、刺繍、ビーズ手芸、折り紙など、仕上がりを考えながら手を動かす手芸や工作は、脳トレに最適です。
出来上がった時に得られる達成感も、前向きな気持ちにさせる効果があります。
楽器を演奏する
音楽を聴くとリラクセーション効果がありますが、自分で演奏すれば脳トレの効果があります。
楽譜を読み、音をイメージして、手を動かすことで、脳のさまざまな部分が活性化します。
次回、「非定型うつ病 回復のポイント ⑥ 飲酒をやめる」へ続く