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ほめ日記で自分発見!【10】 ~介護うつからの回復!想定外の恩恵も…~

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あなたは「ほめ日記」を知っていますか?

「ほめ日記」は、自分で自分をほめる日記のことで、自分の個性やクセを知り、良いものは伸ばし、マイナスなクセを修正して、自分の中に隠れている能力や感情・感性などを表面化させることができます。

あなたも「ほめ日記」で、自分の可能性を発見して、最高の人生を創造する力に繋げてみませんか?

第10回は、「愛してくれなかった母との確執が氷解!まず自分を許す」の続き、「介護うつからの回復!想定外の恩恵も…」を解説していきます。

目次

介護うつからの回復!想定外の恩恵も…

結婚してから35年。
二人の息子も独立し、これからやっと自分のことができると思った矢先に、5年前から介護を必要とする夫の両親と同居。
パートの仕事をしながら、口うるさいお姑さんの介護、病院通い、おじいちゃんの世話など…気の休まらない日々が始まりました。

そう話すのは、60代女性・Sさん。

同居を始めてから2年目くらいから体のあちこちに痛みが出たり、体調を崩すことが増えた3年目頃に介護うつに。
仕事はやめたものの疲労は溜まる一方、心の我慢も限界に達した感じでした。
私は何のために生きているのか、何のための結婚だったのか、考えれば考えるほど分からなくなっていました。

元々、Sさんは明るく前向きな性格で、「人間は何でもやる気があればできる」という生き方が好きな方でした。

夫は無口で、必要最小限の話をするだけだったため、心の通った会話をすることのない35年だったそうです。

子どもが自立したら、二人の生活を立て直すつもりでいたのに、両親と同居するようになったら、夫は親の言いなりで、ますます夫婦の関係は溝が深くなって…。
義母は、坐骨神経痛と脊柱管狭窄症で、医者からはリハビリすれば歩けるようなると言われていましたが、本人は「やりたくない」と、ほぼ寝たきりの状態でした。
義母のわがままは同居する前から分かっていたので、覚悟はしていたものの、毎日の意地悪な言動は想像を超えるものでした。
いつか分かってもらえるはず…いつか感謝してもらえるはす…と頑張ってきたSさんも、さすがに先が見えなくなり、不満が膨れ上がるとともに、自己否定の谷底に滑り落ちてしまいました。

Sさんは、夫にうつと診断されたことを話し、義母はホームに入ってもらうことになりました。


 

元々、前向きな性格で、物事に一生懸命取り組む性格だった人の自己回復は、環境にもよりますが、比較的早い傾向があります。

「混乱した頭を休めて、静かに自分の心と向き合いたい」という希望があったSさんは、次の3つを実践しました。

  1. ほめ日記(毎日)
  2. フィーリング・トレーニング(できる範囲で)
  3. 光のイメージ(できる範囲で)

Sさんは、3つの課題をかなりの時間を費やし、毎日実践しました。

すると、顔色は良くなり、気持ちも落ちつき、体の痛みもかなり楽になったそうです。

以下は、Sさんの気づきや変化です。

  • 結婚以来35年間、夫、おじちゃんおばあちゃんに喜ばれることをしなければならないという義務感で生きていた。義務感から少し開放されて気持ちが楽になった。
  • 自分の価値は、周りから認められることで初めて価値のある人間と決まる、他人の見方が自分なのだと思っていた。
  • 人にほめられなくても、自分で自分の価値を認めればいいのだと分かった。
  • 両親から上部な体をもらったことに改めて感謝できた。
  • 命に「ありがとう」と伝えると、ふわっと腹部があたたかく包まれる感じになり、心身がリラックスする。
  • 白い大きな光の玉に寄りかかっているような、包まれているような気持ちよさを感じ、安心感が広がる。

たくさんのプラスの変化や気づき、新しい生命感覚との出会いなど、わずか2週間の成果としてはとても大きいものでした。

しかし、2週間の変化で、もう一生ネガディブにならず過ごせるかというと、そういうわけではありません。

この変化を維持し、脳内の回路を太くして定着させるためには、繰り返しが必要になります。

Sさんも、元に戻らないように…と、その後も「ほめ日記」を続け、自分の趣味に時間をとりながら日常を楽しむ、という生活が少しずつできるようになりました。

Sさんの2か月後の「ほめ日記」

  • 主人と話す時、きちんと向き合って笑顔で話すように心がけるようになった私は成長したよ。無口な主人もぼそぼそと話すようになってオモシロイ。
  • 「自分が変わっていけば周りも変わる」と思えるようになった私はすごい。
  • り残したり、できなかったことがあっても、自分を責めなくなった私は成長したね。
  • 自分だけでなく、他人の良いところを見ようと思っている自分に気がついた。変わったね。
  • 思い切って友だちと一泊旅行をした。解放感とこうしたことが自分を大切にすることなんだと体で分かった。やればできるじゃない。自分の体と心に優しくできた私は、もともと愛情深いんだ。
  • 朝早く起きてホテルの周辺を散策中、神社があったので立ち寄り、知らないうちに「おばあちゃんの痛みが少しでも良くなりますように」と祈っている自分にビックリ。気持ちにゆとりがあれば、私も優しくなれるんだ。素晴らしい。

Sさんはわずか2か月で意識せず、自然にプラスの発想が出てくるようになりました。

毎日の3点セットの取り組みで、プラスの「自分のほめ回路」が短い期間でしっかりつくられたようです。

3か月後には、「毎日明るくゆとりのある生活をエンジョイしている人」になっていました。

Sさんの3か月後の「ほめ日記」

  • 笑うことが増えて、顔の筋肉がよく動くなったようになったね。笑顔がステキ。
  • 孫の服を縫うようになってドンドン腕が上がってきているのは素晴らしい。
  • 本当にやりたいことが絞れてきて、楽しめるようになってきたのはいい感じ。
  • 体に対して思いやりが出てきたのは、心が素直になってきたからだね。足の痛みがなくなってきて、普通に歩けるようになったのはありがたい。そう思えるのも成長の証だね。
  • 真っすぐに立っている時、重心が下がって地面と磁石みたいにくっついて地面と繋がっていると感じる時がある。こんな生命の感覚が分かるのは素晴らしい。
  • 個性的な家族の中にあって、家庭をよく切り盛りしていて、エライ!

初めは毎日ほめることを書くなんて、自分にできるのかしら…と思っていました。
でも、書くことがこんなに楽しいのかと、新たな自分発見ができました。
書き始めるといくらでも書けてしまうし、意外と文才があるのかも…とほめています。
60代になってこんな意欲が出てくるなんて、本当に人間の可能性って無限なんですね。

Sさんの「ほめ日記」ポイント

比較をしない

他者と比べて、「私は〇〇〇なのに、△△さんのようにできない」という自己評価はくれぐれもしないようにしてください。

大切なのは、「私はこうなのだ」という自分のケースを受け入れ、できれば興味を持って受け入れ、変化していくプロセスを楽しんでください。

そうすることが、自己尊重の意識を高め、本質と出会う時期を早めることになります。

介護の悩みはさまざまなケースがあるため、単純に「介護そのものを楽にする方法」というわけではありませんが、心が楽になることは間違いないと思いますし、自尊感を高めることで何か突破口が見えてくるかもしれません。

Sさんと同じ悩みではなくても、「ほめ日記」を書くことで想定を超えるプラスの展開が起きるかもしれませんし、少なくとも気持ちの持ち方や介護への視点を変えることはできると思います。

フィーリング・トレーニング

これは、身体の心地よい感覚を呼び覚ましていくトレーニングです。

自分の体や命の感覚に集中して呼び覚ますことで、命の本質と繋がり、本来の自分を取り戻していきます。

光のイメージ

私たちの持つ意識はエネルギーそのものです。

マイナスの意識は暗くて重たいエネルギーを放射し、プラスの清らかな意識は明るく輝くエネルギーを放射します。

この明るく輝くエネルギーを「光」としてイメージすることで、清らかなもの、聖なるものを心に呼び戻し、表面化させやすくなります。

自分のペースでOK

「ほめ日記」もフィーリング・トレーニングも「自己の本質に出会うメソッド」なので、これを合わせて毎日実践して、光のイメージを取り入れたことが、Sさん本来の愛や自尊感が表面化するのを加速させたのだと思われます。

「本質との出会い」は、内的な経験の大きさや深さ、その人の精神性、これまでの内的な学びなどによって、かかる時間は違ってきます。

単純に、「両方毎日やれば2週間で変われる」ということではありません。

「ほめ日記」を2、3日書いてみたけど特に何も分からない、何も感じないという人もいますし、1か月書いてみてようやく分かってきたという人もいます。

私たちは、早いとか遅いとか、時期的なことに捉われ比較しがちですが、「私の場合はこうだ」と自分を受け入れ、それぞれのペースで実践してみてください。


 
次回、「自分をほめる」が強さを育てる!3度目の挑戦でつかんだ合格、へ続く


 

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