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ほめ日記で自分発見!【12】 ~非常時にも効果を発揮する「ほめ日記」①~

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あなたは「ほめ日記」を知っていますか?

「ほめ日記」は、自分で自分をほめる日記のことで、自分の個性やクセを知り、良いものは伸ばし、マイナスなクセを修正して、自分の中に隠れている能力や感情・感性などを表面化させることができます。

あなたも「ほめ日記」で、自分の可能性を発見して、最高の人生を創造する力に繋げてみませんか?

第12回は、「『自分をほめる』が強さを育てる!3度目の挑戦でつかんだ合格」の続き、「非常時にも効果を発揮する『ほめ日記』①」を解説していきます。

目次

非常時にも効果を発揮する「ほめ日記」①

2011年3月に起きた東日本大震災。

命からがら逃げてきた方々、ご家族を亡くされた方々、被災された全ての方々の大きな恐怖や絶望、悲しみ、怒りなどは、直接的な被害に遭わなかった私たちには到底想像しきれませんし、どんな言葉を使っても表現できるものではないと思います。

今回は、「ほめ日記」が引き出す、自尊感や心の強さは、震災のような非常時にも役にたつという一端をご紹介したいと思います。

登場する方々は被災地の周辺の方々で、震災で直接的な被害を受けていませんが、大きな震災は周辺にとどまらず、日本中に精神的に大きなショックを与えたのは確かです。

そんな時の心理と「ほめ日記」の効果について参考になれば幸いです。

自尊心を育てていて良かった---群馬県・Aさん(32歳)

群馬県に住んでいたAさんは、仕事をしていたデパート内で東日本大震災に遭いました。

突然の大きな揺れと同時にガラスが割れて、物が落ちて破損する大きな音がしたと同時に、前方を見ると煙のようなものがもうもうと上がって視界がきかなくなりました。
立っていられないほど揺れ、建物が崩壊して押しつぶされて死ぬかもしれない…そんな恐怖が体を走り抜け、うずくまってしまったんです。
ところが次の瞬間、「生きろ!」という命の声が体の中から聞こえて、ハッと立ち上がって真っ暗な中を走ることができたのです。

走り出してからは、Aさんはとても冷静に行動できたそうです。

悲鳴を上げる人や、恐怖におののいている人たちに、「大丈夫、大丈夫」「みんな、必ず無事でいるから大丈夫よ」と声をかけて励まし、安全な場所に避難誘導したAさん。

自身も家族の安否が気になっていたそうですが、落ち着いていられたことに驚き、こんな力があったのかと思ったそうです。

これはきっと、「ほめ日記」で毎日自分をほめて、自分に優しく「大丈夫、大丈夫」と励まし、命に感謝していたからだと思います。
地震の後も、テレビやラジオの情報にむやみやたらに不安になることなく、不安をあおるような会話に惑わされることもなく、毅然とした態度でいられた自分がいました。
これも、「ほめ日記」を2年間やり続けた証だと思いました。
今回ほど、日頃から自己尊重感を高めておくことの大切さ、自分の命の大切さを思い知ったことはありません。

Aさんは、日頃から指導的な立場にいたわけではなく、ただの平社員でした。

元々は自分から周囲に声をかけるようなタイプではなく、自信もないため人の言葉に左右されて落ち込みやすい消極的な人でした。

「自分を何とか変えたい」という思いから、2年前に始めた「ほめ日記」の実践によって、自尊感を育てて、内在していた多くの力を表面化させてきたのです。

平時には見えにくい能力や心の働きなどが、このような非常時にも見えてくるようです。

震災のストレスで便秘気味に…それでも腸は動いていた---宮城県・Bさん(27歳)

宮城県仙台市で一人暮らしをしていたBさんは、震災に遭う数か月前から「ほめ日記」を書いていました。

それまで落ち込みがちだったのですが、NHKの朝の特集番組で「社会への適応力を増す」という説明があった「ほめ日記」を見て、「これだ!」と早速書き始めたのがきっかけです。
書き始めると気分が上昇して、もっと学びたいと「ほめ日記」の講座も受講しました。
その2か月後に大震災。
激しい揺れにドキドキしながらも、意外と冷静に行動している自分がいました。
その後の一カ月に起こった出来事は、自分の人生に起きるとは想像もしていなかったことばかりでした。
電車は走らない、空港は閉鎖、沿岸部はがれきの山、家族と連絡が取れない不安、尊敬していた人の死、毎日続く余震…。
目に入るもの、聞こえてくるもの情報、体が感じるもの、全てが恐怖や悲しみとなって心に迫ってくる中で、肯定的、客観的に見る視線を忘れずに、自分を保つことができたと思います。

Bさんの震災1か月後の「ほめ日記」

  • 余震の恐怖にも負けずにちゃんと生活できている私は思ったより強いね!大丈夫。
  • 今、こんな状態でも学ぼうとしていろいろ模索している私は、とても前向きでいいね。
  • 心配してくれる家族、恋人、友人がいることをありがたいと感じられる私はとても素敵だね。
  • ほめている時は元気になれるし、自分の心が明るくなると世界も明るく見える。素敵ね。
  • 震災のストレスからか、便秘気味になったけど、それでも腸は動いてくれていることに気づいた。ありがとう。すごいね。
  • 他人の心ない一言にも、自分の力で自分を立て直せた私は確実に成長しているね。素晴らしい!

大震災の後、一時的に無力感や罪悪感に襲われたり、うつ状態や落ち込みが急激に悪化した人たちが増えたと思います。

直接的な被害を受けていなくても、テレビのニュース映像の影響で、不安や恐怖心に駆り立てられることは誰にでもあるものです。

特に心配なのは、うつ症状から立ち直った人や、自尊心を取り戻し、前向きになった人たちが、大震災でぶり返してしまうことでした。

しかし、「ほめ日記」の心地よい効果を経験したことのある人なら、やめていてもすぐに再び書き出すことは簡単です。

深い落ち込みや、自己否定のスパイラルにストップをかけることができるはずなのです。

大震災のような非常時だけでなく、身の回りで起きた出来事で、不安を感じるようなことがあれば、ぜひ「ほめ日記」を書き続けてください。


 
次回、非常時にも効果を発揮する「ほめ日記」②、へ続く


 

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