お役立ち記事 こんな症状ありませんか?…メンタルヘルス解説 発達障害 知的障害 精神疾患まとめ 精神疾患関係

サヴァン症候群とは?② ~原因は脳の損傷やショック!?サヴァン症候群の原因とは~

投稿日:

自閉症の10%の人にみられると言われる「サヴァン症候群」

驚異的な記憶力を持っていたり、難しい計算を頭の中で一瞬のうちに行うことができるなど、素晴らしい才能を持っています。

今回は、そんな「サヴァン症候群」の原因について詳しくみていきます。

前回に記事↓
サヴァン症候群とは?① ~ずば抜けた記憶力!「天才」と称されるサヴァン症候群の特徴~

目次

サヴァン症候群の原因は?

サヴァン症候群の原因は諸説あり、特定には至っていません。

しかし、脳の器質的に要因があるのではないかという説が有力です。

サヴァン症候群は、後天的なものが理由で発症してしまうことおありますが、約9割は先天的なもののようです。

はっきりとした発症のメカニズムは解明されていませんが、サヴァン症候群の人はベースに何かしらの知的障害や発達障害などを持っています。

発症の要因として考えられるものをいくつかあげてみます。

脳の変形・損傷

サヴァン症候群の人の中には自閉症を持っていて、普段の生活には周りのサポートが必要という人が多くいます。

先天的に脳に変形があった場合、サヴァン症候群の特徴は幼いころから見られます。

しかし、元々自閉症があり、途中でてんかんを起こした場合などは、それをきっかけにサヴァン症候群になってしまうことがあります。

映画「レインマン」のモデルになった、キム・ピーク氏は、生まれつき脳の大きさが小さく、またおおきな“コブ“が頭にあったそうです。

その“コブ“が、小脳の一部を破壊してっていることが分かったそうです。

また、近年一番有力なのは、大脳の左半球損傷が原因、というものです。

サヴァン症候群ではない人は、脳の左半球が優勢ですが、サヴァン症候群の人は、脳の左半球機能が低下しているため、それを右半球が補っているようです。

サヴァン症候群の人は、脳の右半球が発達したことにより、このような驚異的な能力を発揮しているのではないか、という説が強くあります。

後天的なもの

後天的に発現するものとして、身近か人の死や、事故、ペンを与えたところ絵を描くことに興味をもち芸術的才能が開花した、などきっかけとなるものはさまざまあるようです。

これらは、獲得性サヴァン症候群と呼ばれます。

また、神経科学者のアラン・スナイダー氏によると、サヴァン症候群の人にみられるような潜在的能力は、あらゆる人の中に眠っていて、脳にちょっとした電気ショックを与えるだけで、この潜在的能力を引き出せる可能性がある、と唱える人もいます。

このように、サヴァン症候群はまだまだ謎の多い疾患と言えるのです。

サヴァン症候群の人が苦手なこと

コミュニケーションが苦手

サヴァン症候群の人は、多くの人が自閉症を持っています。

そのため、コミュニケーションが苦手です。

軽度の場合、親しい人とは話ができますが、重度の場合はほとんど話すことができません。

普段の生活にもサポートが必要

サヴァン症候群の原因として、脳の損傷が考えられています。

そのため、身体能力や運動能力が一般の人よりも低めで、日常生活も周りの人のサポートがないと厳しいことがあります。

サヴァン症候群と呼ばれる人たち

山下清(1992年~1971年)

テレビドラマ「裸の大将」のモデルになった、日本の著名な画家。

彼は18歳の時に突然、放浪の旅にでかけましたが、旅する先々の情景を鮮明に記憶に残しておくことができました。

そして旅先で描くのではなく、記憶を家に持ち帰ってから情景を思い出し、貼り絵を描いたと言われています。

山下清は3歳頃に風邪から命の危険に陥り、一命を取り留めたものの、軽い言語障害と知的障害の後遺症を患いました。

そのため、養護施設に入る事になりますが、施設では、日記や描画、貼り絵を日課にするように指導されました。

山下清の絵画の才能は、本人が潜在的に持っていた才能はもとより、周囲の人たちがその才能を見出し、支援し続けたことで大きく開花できたものだと言えるでしょう。

キム・ピーク(1951年~2009年)

1998年にアカデミー賞を受賞した映画「レインマン」のモデルになったアメリカ人。

先天性脳障害による発育障害で、小脳に障害があり、脳漿も欠損していました。

キムは1歳半頃から読んでもらった本を暗記するなど、驚異的な驚異的な記憶力を持ち、9000冊以上の本の内容を暗記していたと言われています。

また、人が生年月日を言えば、そこから何曜日かを素早く答えることができました。

一方で、日常生活では自分が着たシャツのボタンをうまく閉めることができないなど、父親の介護を必要としてしました。

ダニエル・タメット(1979年~)

イギリス出身のサヴァン症候群の人物。

著書「ぼくには数字が風景に見える」は世界的ベストセラーになっています。

タメットは、天才的な暗算、暗記、自然言語の学習で非常に高い能力を持っていることで知られています。

数字を色や感覚、風景と結び付けて理解する共感覚能力を持っています。

また、非常に速く新しい言語を習得することが可能で、母国語である英語の他にも、フランス語、フィンランド語、ドイツ語など11か国語を話すことができると言われています。

タメットは、アスペルガー症候群と呼ばれる軽度の自閉症を抱えていますが、症状は軽く、日常生活ではほとんど支障がないと言われています。

サヴァン症候群の原因まとめ

サヴァン症候群の症状は様々で、発症の原因と考えられるものも本当にさまざまで、かつ"コレ”といった原因が特定されているわけではありません。

突出した才能を持っていても、その反面、自閉症などで生きづらさもあると思います。

少し変わっているからといって、サヴァン症候群だと決めつけてしまうのもよくありません。

一人ひとりの個性として大切にしましょう。

 

restart_banner


※注意事項※ 障害就職NAVIでは、障害や精神病、それに関連する様な記事で情報発信を行っておりますが、内容によっては学会レベルで意見の分かれる情報もあります。従って、当サイトの記事(情報発信)によって生じる一切のトラブル等に対しては責任を負い兼ねますのであらかじめご了承ください。



-お役立ち記事, こんな症状ありませんか?…メンタルヘルス解説, 発達障害, 知的障害, 精神疾患まとめ, 精神疾患関係
-, , , ,

Copyright© 障害者就職ナビ , 2024 All Rights Reserved.