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依存性パーソナリティ障害とは?① ~ひとりになったら生きていけない!常に人に依存してしまう依存性パーソナリティ障害、5つタイプとその特徴~

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前回までの記事↓
パーソナリティ障害とは?① ~生きずらさの原因は…?10種類のパーソナリティ障害とその特徴~

自分で自分の物事を決めるのが苦手で、ささいな決定も親やパートナーに頼ってしまうのが「依存性パーソナリティ障害」です。

一人でいることが苦手で、いつも誰かといないと不安になります。

また、相手とケンカしたり、嫌われるのを怖れて、自己主張を抑えてしまいます。

目次

依存性パーソナリティ障害の特徴は?

依存性パーソナリティ障害の特徴を一言であらわすと、

面倒をみてもらいたいという過剰な欲求があり、従属的でしがみつく行動がある。不安を感じる。

となります。

パーソナリティ障害の中で、Ⅽ群(不安や恐怖を強く感じる。抑うつ的な症状がみられる)に分類されています。

依存性パーソナリティ障害の人は、「いつも誰かに守られていたい」という強い欲求があります。

根底には、「自分に自信がない」「自分は劣っている」といった気持ちがあるためです。

そのため、ちょっとしたことでもすべて人に決めてもらい、自分の人生に対する責任から逃れようとするのです。

依存性パーソナリティ障害は、圧倒的に女性に多くみられ、家庭内では下の子であることが多いようです。

また、依存性パーソナリティ障害の症状は、通常20代までに顕著に現れます。

他の病気もしばしばみられ、以下のうち1つ以上の病気もみられます。

  • うつ病気分変調症などの抑うつ障害
  • 不安症
  • アルコール使用障害
  • 別のパーソナリティ障害(境界性、演技性など)

主な症状は、

  • 小さなことでも自分で決めることができない
  • 責任を求められる決断などは避ける
  • 常に誰かに面倒を見てらいたい
  • 一人になると不安が強くなる
  • 嫌われたくないという思いが強く、その人のためなら嫌なことや理不尽なことでも引き受けてしまう
  • 相手に見捨てられたら、一人では生きていけないと思う

など。

依存性パーソナリティ障害の人は、「今日は何を着ていこうか…?」など、ほんの小さなことでも自分で決めることができません。

些細なことでも、他人に決めてもらうことで、責任をとってもらおうとします。

仕事面においても、決断を下すことが苦手なので責任を求められる立場は避け、他人に従属的な立場に立ちやすくなります。

依存性パーソナリティ障害の人は、「一人になったら生きていけない」と思っているため、嫌われないようにと、自分が理不尽な扱いを受けても文句を言えません。

例えば、恋人に暴力を振るわれても、離れることが出来ず必死にしがみつきます。

一人でいることが不安のため、頻繁にメールを送ったりもします。

依存性パーソナリティ障害の人が頼るのは、リーダーシップがあって頼りになるような人です。

そのような人たちに頼って、自分の人生を安全な方に導いてもらおうとします。

相手の気を引くために、わざと弱い自分を演じることもあります。

依存性パーソナリティ障害の5つのタイプ

依存性パーソナリティ障害には、その症状により大きな差があり、全く正反対のものに見える場合があります。

1.自分の弱さをアピールするタイプ

責任から逃れるため、いかに自分が弱いかをアピールするタイプ。

自分を守ってくれる人物に従い、自分の人生の責任を取ってもらおうとします。

このタイプは病院や福祉施設などの安心できるような環境を好むため、一般社会から遠ざかりやすい傾向にあります。

2.相手に合わせるタイプ

相手の顔色を常にうかがい、相手に合わせて振る舞ったりするタイプ。

「見捨てられたくない」という思いから、「相手にどうしたら好かれるか」を常に考えています。

その人なしでは生きていけないと思っているのに、いざ別れみるとすぐに次の相手を見つけたりします。

その相手は、自分に優しくしてくれる人、という甘い基準になりやすく、本人には不釣り合いな相手を選ぶことも少なくありません。

ひどい暴力を振るわれたり、アルコール依存の夫と別れられなかったりする女性は、このケースが多く、反社会性パーソナリティ障害や、自己愛性パーソナリティ障害の人に都合よく利用され、搾取を受けやすいと言えます。

3.子どもタイプ

自分はまだまだ子どもで、自立するには早いということを周りにアピールし、子どものように自分を守ってほしいというタイプ。

子どものような話し方や態度をとるのが特徴で、守られた中での生活を楽しむため、責任のある役割などは避けます。

日常生活能力自体が低下していることも多く、何から何まで親やパートナーに頼ってしまいます。

このタイプの人は、パニック障害やうつ病、身体疾患の合併症などを抱えていることも多くあります。

4.自分がいないタイプ

「自分の幸せ」は「相手の幸せ」と捉え、全力で相手に尽くすタイプ。

相手に依存することで自分の存在価値を感じられるため、自分を犠牲にしてまでも相手のために尽くしてしまいます。

自分で主体的に生きていくことを求められると不安を感じ、リーダーシップをとってくれる人を求めます。

良いパートナーやリーダーに恵まれると、良い方向に力を発揮できますが、頼る相手を間違えると不幸な結果になり、間違いだと分かっていても自分からなかなか関係を清算できません。

遊び人や暴力的な夫に、自己犠牲的な献身を捧げたり、新興宗教などにのめりこみ、利用されやすいのもこのタイプの人です。

自分の人生に無関心なタイプ

相手に尽くすということより、自分自体に興味が無く、物事に対して積極性がないタイプ。

「自分の人生」がどうなろうと、それが重要だと思っていないため、自分から行動することはありません。

楽しい、嬉しいなどの感情もあまりありません。

自分に対して興味がないため、このタイプの人の治療が一番困難と言えます。

依存性パーソナリティ障害の特徴まとめ

依存性パーソナリティ障害は、自分で物事が決められないというのが大きな特徴です。

依存性パーソナリティ障害と一口に言っても、5つのタイプがあり、特徴もそれぞれ違いがみられます。


参考:
パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか, 岡田尊司, PHP研究所,2004/5/31
依存性パーソナリティ障害(DPD),MSD マニュアル家庭版

 

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