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怒りに振り回されない!アンガーマネージメント【18】 ~上手に叱るためのポイント~

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「いつもイライラ…」
「ついカッとなって怒鳴って後悔…」
「怒りを抑えて苦しくなった…」

誰しも一度はこんな経験があるはず。

「怒り」で人間関係が壊れたり、仕事にも影響したり…何かと扱いづらい感情ですが、人間にとって必要な感情のひとつです。

大切なのは「怒り」に振り回されず、上手に付き合うこと!

「アンガーマネージメント」は、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。

アンガーマネージメントで人生をもっと楽に生きてみませんか?

第18回は、「3つのコミュニケーションのタイプ[アサーティブ]」の続き、「上手に叱るためのポイント」を解説していきます。

目次

上手に叱るためのポイント

近年、「叱る」ことに対して苦手意識を持つ人が多いようです。

その原因を探ってみると、「叱る」をめぐって誤解があるようです。

本来、「叱る」ことの目的は、相手の成長を願い、望ましい行動をしてもらうために、意識と行動を変えてもらうことです。

自分のストレス発散でも、相手を叩きのめして再起不能にすることでもありません。

しかし、多くの人がそれを分かっていながらも、ついカッとくる怒りの感情に振り回されて、本来の目的に合わないような叱り方をしていないでしょうか。

そもそも「叱れない」という人も多く、その理由が、

  • 適切な叱り方をされた経験がないので。どう叱っていいのかが分からない
  • パワハラだと思われたくない
  • 相手がメンタルヘルス不調になるのでは、という不安
  • 部下に嫌われたくない、反発されたくない
  • 経験がなく、上手に叱る自信がない

このような気持ちがあるため、提出物の期限を守らない部下に対しても、「提出期限が過ぎているけど、忙しかったのかな?」「いつまでだったらできる?」と、相手の様子を伺うような言い方をしてしまいます。

これでは、本来伝えるべき「期限を守って欲しい」「守らない場合、次の仕事を引き継ぐ担当者にも迷惑がかかる」ことを言えていないので、相手には次回からどう改善して欲しいのかが伝わりません。

では、どのような叱り方が理想的なのでしょうか?

叱り方のポイント

①「何」について叱っているのか論点がぶれないようにする

よくあるのが、叱っている間に過去のことまで引っ張り出したり、あれこれ付け加えて、結局何について叱っているのか分からなくなり、本題から話がそれてしまうケースです。

「〇〇さんって、期限を守らないだけじゃなく、報告も忘れる時があるよね…。それにいつも机の上は整理されてないし、他にも…」

という具合です。

特に、何度も同じことを繰り返したりすると、過去もことについてもつい一言言いたくなりますが、このように論点がぶれてしまうと逆効果です。

日頃から「一時に一事」を意識して、的を絞って叱りましょう。

②「どのように」すればいいのか具体的な表現で伝える
「社会人らしい服装に」
「ちゃんと報告して」
「しっかりと段取りを組んで」

こんな抽象的な表現を使っていないでしょうか?

自分にとっての「しっかり」と、相手にとっての「しっかり」は、必ずしも同じとは限りません。

その言葉から感じるイメージが違うまま、共通認識にならないまま叱っても、相手は思うような行動をしてくれません。

どのようにしたらいいのか(よかったのか)、具体的に伝えましょう。

例えば、「ちゃんと報告」してもらいたいなら、

「帰社したらその日のうちに報告する」
「結論から先に伝えて、経過はそのあと伝える」
「5W1Hはもれなく具体的に伝える」
「事実と主観は分けて伝える」

など、具体的に指示しましょう。

③「なぜ」という理由・目的を理解できるように伝える

相手に意識と行動を変えて欲しいなら、「何を、どのように」変えて欲しいのか、「なぜ、なんのために変えて欲しいのか」という、叱っている理由・目的を伝えましょう。

「そこまで具体的に伝えていないし考えていなかった」
「そこまで言わなくても分かるだろう」

という声も多いかと思いますが、是非一度、普段の自分自身の言動を振り返ってみてください。

少し突っ込んで聞かれても、「それが会社の決まりだから」「人として当たり前だから」という理由を盾に、具体的なメッセージとして伝えていないことがないでしょうか。

実際は、理由や目的を伝えないと自発的に行動に移せないものです。

「当たり前でしょう…」「そこまで言わなくても…」という気持ちは行ったん横に置いて、それができないと組織や自分にとって、どのようなデメリットがあるか考えてみましょう。

④相手を信じて向き合う

叱る相手と向き合う時に「姿勢や心がまえ」も大切です。

心の中で「こんなことを言わせるあなたが悪い!」「どうせ言っても直るわけがない」「こちらが言っていることが正しい!」と、思ってしまうことはありませんか?

相手を信じない気持ち、どうせ伝わらないという諦めの気持ち、相手を責める気持ちなど、こちらが心の中で思っていることは、態度や語調で伝わるものです。

特に「私が正しい!」という気持ちで向き合うと、例え正論だったとしても相手が素直に耳を傾けてくれない可能性も大きいです。

「改善してくれる」「聞いてくれる」と信じて相手と向き合うことも大切です。

こんな叱り方はNG

アドバイスという名目で説教する
  • 私が若い時は〇〇した
  • こういう時は〇〇した方がいい
感情的になる
  • 自分のストレスのはけ口のように、感情的に怒りをぶつける
  • 本当に嫌になる…イライラする!と愚痴のように言い続けて怒りをぶつける
威圧的に恐怖で動かそうとする
  • 今度〇〇したらどうなるか分かっているんだろうな
相手のためでなく、自分の保身のために叱る
  • 君が失敗すると俺の評価が下がるだろ…!
  • 君が失敗すると私の立場がなくなる
  • あなたがそういうことをすると、私の出世に響く
過去を引っ張り出す
  • 前にもこんなことがあったよね、そういえば…
  • 前から言おうと思ってたけど、この際だから言うわ

(人格を否定したり、「なぜ」で相手を追及することもNGです)


 
 
次回、「相手の怒りへの対処法」、へ続く


 

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