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思い込み過ぎが病気を重くする・・?心気症とは

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自分の体について、心配したり、健康でありたいと思うのはごく普通のことですが、ちょっとしたことで「自分は重たい病気だ」と思い込んでしまう・・・。
そんな人は心気症という病気かもしれません。

目次

そもそも心気症とは?

心気症とは、体のちょっとした変化や不調を「なにか重大な病気なのではないか」と必要以上に疑ってしまう病気です。実際に病院で診察してもらい、異常なしとわかっても「本当は病気なのではないか」「医師は病名を隠しているのではないか」と疑うようになります。不安が拭えないと家族や周囲の人に執拗にいい続けます。
妄想的な自己診断によって、自分の納得のいく診断が下されるまで病院を渡り歩くドクターショッピングも少なくありません。

心気症は比較的20代以上の人に多くみられる傾向にありますが、年齢に関係なく、男女共に誰でも起こりうる病気です。

具体的な心気症の症状

頭痛、不眠、肩こりなど、誰もが経験のあるようなことでも、「重い病気の前兆だ」と考えてしまったり、少しの不調でも病気がどんどん進行していると思ってしまいます。
何か体に不調を感じると、例えば風邪を引いただけでも、ネットでその症状を調べまわり、自分の症状と一致するもの、その中でも「重めの病気に自分はかかっているんだ」と信じ込んで、絶望感を覚えます。

このように心気症の人は、自分の健康に意識が強く向いているため、病気や死に対して異常なまでに強い不安を抱いています。
そんな自分の健康に対する強い意識がまたストレスとなり、症状を固定化していきます。そこから、精神面でも別の異常が現れるようになり、心気症+不安障害やうつ病との合併症状ということも少なくありません。そのため、治療は慎重に行なう必要があります。

原因はいったい・・・?

過去に大きな病気にかかった経験があったり、身内や近親者の死などが原因と考えられています。
また、子どものころの家庭環境も影響があるとされています。特定の考え方や、偏った捉え方、生活上のストレスにより病気に対して疑いやすくなってしまっていることも考えられます。

心気症になりやすい人

心気症になりやすい人として、一般的にプライドが高く、真面目、几帳面、勤勉な人があげられます。
これは、真面目な人がプライドを傷つけられた時、その怒りや悲しみをうまく対処できず、心気症という病気に逃げてしまいやすいからです。

心配性の人も心気症にかかりやすいと言われていて、自分の症状についてネットや新聞、テレビなどでたくさん調べることによって、どんどん自分を不安にしてしまうからです。

心気症に有効な治療法は?

有効とされている治療は、

  • 精神療法
  • 薬物療法

の2つです。

精神療法

精神療法の
・認知行動療法
・集団療法
が効果的です。

自分の行動を見直す認知行動療法や、同じような症状の人たちと話し合い、「ツラいのは自分だけじゃない」と、少しずつ前向きに考えるようにしていく集団療法が効果的です。
しかし、本人は身体疾患であると確信しているため、治療が難しい場合があります。医師との信頼関係をしっかり築いてから治療を始めないと、「あの医者はしっかり検査していない」「あの病院はおかしい」などと考え、他の病院を何件もまわるドクターショッピングの原因になってしまうかもしれません。

医師としっかり信頼関係を築いてから、身体の症状には心理的な原因がある、ということを本人に気づかせて治療を進めていきます。
そして、本人が自分から診察を受けるようにさせることが大切です。

薬物療法

強い不安や、それにともなう心身症状を鎮めるために抗不安薬や、抑うつ状態が続いている人に投与する抗うつ薬が効果的とされています。
妄想的に自分が病気だと思い込んでしまっている場合は、抗精神病薬を用いる場合もあります。

軽度の不調でも自分は重大な病気にかかっていると思い込んでしまう心気症。
心気症患者の方は自分の症状に心理的要因があると思っていないため、治療には周りの人のサポートが必要です。医師としっかり信頼関係を気づいてから少しずつ治療を進めていきましょう。


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