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感情とうまく付き合うための処方箋【12】 【悲しみ】~「失ったこと」に意味を見いだす方法~

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「現代ストレス社会」と言われる今。

ストレスフルな環境で働き続けるためには、自分で自分を守る工夫が必要です。

その工夫のキーワードが「感情」

「感情とうまく付き合うための処方箋」では、仕事で感じる「怒り」「悲しみ」「落ち込み」「不安」の4つの「感情」を味方につけて、ストレスから自分を守る方法をご紹介します。

第12回は、「【悲しみ】~「涙を流す」のは悲しみを癒すのに効果アリ~」の続き、「【悲しみ】~「失ったこと」に意味を見いだす方法~」を解説していきます。

目次

【悲しみ】~「失ったこと」に意味を見いだす方法~

「悲しみ」は、「大事なものを失った」ときにあらわれるものです。

「大切なものを失った」という事実自体を変えることはできませんが、

「起きた出来事をどうとらえるか?」

は、自分で選ぶことができます。

「なんであんなことになったのか…」と悲しみ続けることもできますが、そこに意味を見出すことで、人は悲しい出来事を自分の成長に結びつけることができるのです。

では、どうすれば失ったことに意味を見い出せるのでしょうか?

そのための、「5つの方法」をご紹介します。

【1】「いいところ」を探す

悲しい出来事から、肯定的な気づきを得ることです。

例えば…、

  • 職場の状況や人間関係について再確認できたこと
  • その出来事を経験した結果、自分が身に着けたもの
  • 失ったことで出てきた新しい可能性

などに目を向けてみます。

「今、このタイミングでその出来事が起こったのは、どんな意味を持つのか?」

出来事の持つメッセージを考えてみるのもよいでしょう。

自分の働きがいに改めて気づく、成長できる挑戦の機会…など、いい方向へ物事をとらえてみましょう。

【2】理にかなっている面に目を向ける

出来事の中に、少しでも理にかなっているところを探すのも良い方法です。

例えば、働き方改革の一環で、来期からペーパーレス化、フリーアドレスオフィスを導入すると、突然告知されたとします。

あなたは初め、あまり気乗りしない印象を持ちましたが…、

「ペーパーレスだとスッキリしたオフィスになって、気持ちよく働けるかも」
「出張するスタッフも多いし、デスクが無人ということも多いから、会社としてはコスト削減になるな」

など、自分も納得できるところを探してみましょう。

少しでも理にかなっている部分や納得できるところを見つけられると、拒否反応的な感情が減って、歩みやすくなり、対人関係にもいい効果があります。

理にかなった部分を把握した上で、「やっぱり、この部分は元のままがいい」という提案ができれば、「よく考え抜かれた提案」として、受け入れられやすくなります。

【3】自己理解につなげる

営業成績で思うように結果が出せない中で、適正や能力がないと自信をなくし、悲しみが生じていた場合、とらえ方を変えれば、自分の苦手なところ、弱さに気づいたという点では、「自己理解が深まった」とも言えます。

苦手・弱さと合わせて、自分の得意・強みを振り返り、「自分が力を発揮できるのは、どんな仕事なのか?」を考えてみることもできます。

【4】役割・目標を再設定する

営業成績発表の件では、【3】の自己理解から、職場や仕事における自分の役割・目標を見直すことができます。

自分の強みや弱み、得意や不得意に合わせて自分の目標は役割を設定し直すことで、

「苦手なことを、ツラい思いをしながらやり続ける」

という不幸なマッチングから抜け出せる可能性が出てきます。

とらえ方を変えるだけでなく、新しい役割・目標に合わせて行動を変えることで、職場の中で新しいアイデンティティを築くことができます。

【5】自分を褒める

厳しい環境の中でよくやっている自分の頑張りに目を向けるのも一つの方法です。

現在、結果が出ないと評価されないというのがビジネスの枠組みになっていますが、それでは人間のエネルギーは湧いてきません。

必ずしも成功したり良い結果に繋がらなくても、その過程でがんばったこと、工夫したこと、努力したことを、

「残念だったけど、よくがんばった…!」と認めてこそ、次へのエネルギーが湧いてます。

「自分のいいところなんて見つけられない…」
「そうは言っても、そんなにがんばれてないよ…」

そう思ってしまう人ほど、本当はがんばっているものです。

自分を褒めることに抵抗があるときは、人から「よくやってるよ!」と言ってもらうのも一つの手段です。


 
ここまで、失ったことに意味を見い出す方法を紹介してきましたが、無理に見つけたり、自分に言い聞かせて思い込もうとする必要はありません。

「5つの方法」を試してみて、「そうかもしれない」「そうだな」と自然に思える範囲でOKです。

「さようなら」の5つのプロセスが進むごとに、少しずつ自然と思える範囲も広がっていきます。

 

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