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感情とうまく付き合うための処方箋【21】 【不安】~「不安のおかげで仕事の成果が出せている」と考えてみる~

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「現代ストレス社会」と言われる今。

ストレスフルな環境で働き続けるためには、自分で自分を守る工夫が必要です。

その工夫のキーワードが「感情」

「感情とうまく付き合うための処方箋」では、仕事で感じる「怒り」「悲しみ」「落ち込み」「不安」の4つの「感情」を味方につけて、ストレスから自分を守る方法をご紹介します。

第21回は、「【不安】~自分の能力や性格に関わる場合、気持ちを誰かに受け止めてもらう~」の続き、「【不安】~「不安のおかげで仕事で成果が出せている」と考えてみる~」を解説していきます。

【不安】~「不安のおかげで仕事で成果が出せている」と考えてみる~

不安になりやすい人は、ポジティブシンキング(楽観的な考え方)ができる人がうらやましく見えると思います。

「あの人みたいに『まあ何とかなるって』とか『大丈夫だいじょうぶ』なんて思えたらいいのに…」

と、ポジティブシンキングの方がぐっと良さそうで、不安で悲観的な方が、なんだか損をしているように見えるかもしれません。

しかし、ポジティブシンキングも「何とかなるなる」と、根拠なく楽観的に考えて、取れるはずの対策を取らずにトラブル続き…なんていう罠もあります。

例えば、車の運転。

普段から「大丈夫だいじょうぶ!」とスピードを出し過ぎて事故を起こしてしまったり、「自分は絶対に大丈夫!」と、根拠のない自信から賭け事に負けてすっからかんになってしまったり…。

ポジティブシンキングが必ずしも良い結果をもたらすとは限らないのです。

不安になりやすい人は、不安をアラートとしてうまく活用して対策すれば、高いパフォーマンスを発揮できると言われています。

これを心理学用語で、「対蹠的悲観性」(Defensibe Pessimism)と呼んでいます。

対処的悲観性がうまく機能するには、自分の「不安になりやすい」特性を嫌がらず、「自分の役に立ってくれている」と受け入れることが大切である、という研究結果があります。

「不安のおかげで、仕事で成果を出せているんだな!」

と、考えて、うまく不安と付き合っていきましょう。

【終わりに】感情とうまく付き合うための4つのコツ

これまで、「怒り」「悲しみ」「落ち込み」「不安」と、4つの感情について解説してきましたが、どの感情にも共通する、うまく付き合うための「4つのコツ」があることに気づかれたでしょうか?

  1. その感情の意味や役割を知る
  2. 感情を抑えこまずに、感じる
  3. 自分のいる状況を俯瞰する
  4. 感情がくれる手がかりに合わせて行動する

例えば、「怒り」では、「自分の大切なものが傷つけられている時にそれを守る」という役割があります。

そう言われると「怒りを感じるのは悪いことではないんだ…!」と思えるようになり、「怒りを感じるのは良くないこと」「怒りを外に出すなんてみっともない」という意識が、だんだんと「怒りを感じる自分」を受け容れられるようになってくるのではないでしょうか。

普段の生活の中で腹が立ったり、イライラすることがあったら、「これだけ腹が立つということは、何か自分の大切なものが傷つけられているんだな」と自分を俯瞰してみることができます。

そして、「怒りのまま衝動的に行動する」ということも減って、関係を壊さない方法で、自分の気持ちを相手に伝えたり、大切なものを守るための行動がとれるようになってくると思います。

人は誰しも生きていると、本気で怒ることもあれば、本気で落ち込むこと、飛び跳ねるほどうれしいと感じること、喜びを感じることもあります。

そんな時に、「4つのコツ」を心に留めておけば、

「強い感情が起きても大丈夫。味方にできる…!」

そう思えるはずです。

もし、「5つめのコツ」を付け加えるとすれば、

「自分にやさしく」

ということでしょうか。

「怒りを感じるなんてよくない」というところから、「怒りを感じてもいいんだ」と、怒る自分をやさしく受け入れるところから始まります。

「感情とうまく付き合うための処方箋」をきっかけに、

「そうだったんだ!」
「これ試してみよう!」

そうスッキリしてもらえたら幸いです!


 
…了

 

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