スキーマ 認知行動療法

生きづらさの原因となっている"スキーマ"②「『だれにもわかってもらえない』『ダメな自分が恥ずかしい』」

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この記事では、生きづらさの原因となることがある「スキーマ」について紹介していきます。

今回からは、前回の記事で紹介した早期不適応スキーマの具体的な例を見ていきましょう。

前回の記事はこちらから!

自身のスキーマを理解して自分を苦しめている考え方から抜け出すために、早期不適応スキーマの実例を紹介していきます。

だれにもわかってもらえない

人には、「基本的欲求」と呼ばれるものが備わっています。

食欲や睡眠欲といった欲求だけでなく、「自由に行動したい」という欲求など、大小はあれども誰もが持っている欲求です。

その中のひとつとして挙げられるのが、「人に理解されたい、受け入れられたい」言い換えれば「愛されたい」という感情です。

この欲求は、小さいころに両親から愛情を注がれることで、「自分は受け入れられている」「自分はここにいていいんだ」といった意識とともに満たされていきます。

しかし、例えば親が忙しくてあまり話をする時間を設けられなかったり、頑張ったことがあってもほめてもらえなかったりすると、この欲求を満たすことができず、無意識のうちに「自分は受け入れてもらえない」という意識を作り上げてしまいます。

これが、「わかってもらえない」スキーマなのです。

このスキーマを持っている人は、以下のような考え方が前提にあります。

・誰からも理解されない
・自分を愛してくれる人はいない
・自分は孤立しいる
・本当の友達なんてできない

このスキーマを持つ人の中には、最初から人と深く関わろうとしない人が多くいます。

これは、「『自分を見てほしい』と近づいてもどうせ報われないのだから、最初から期待しなければ傷つかずに済む」

という考えによるものです。

時には反対に、周囲からは過剰と思えるほどに好意を伝え、またそれを返してもらうことを求める人もいます。

これは、「周りから愛されない自分が愛されるためにはそれだけ多くの表現が必要になる」と考えてしまっているからであり、

また傍から見たら過剰なほどの好意でなければ、それが自分に向けられたものと認められないからでもあります。

このスキーマを持つ人は、他者からの好意を素直に受け取ることができず、たとえ理解を示してくれる人がいても、「裏に何かあるに違いない」などと考えてしまう傾向にあります。

すなわち、「自分は理解されない、愛されない」と決めつけてしまっているがために、それらを得られるはずの場面で自分から退けてしまっているのです。

 

ダメな自分が恥ずかしい

あなたは、自分のことを「周囲の人間よりも劣った、ダメな人間だ」と考えていませんか?

もしそうであるならば、「欠陥・恥スキーマ」を持っているかもしれません。

小さいころから、自分以外の兄弟姉妹と比較されてきた場合。

あるいは、失敗によって親の期待を裏切ってしまった、というような場合に作られることのあるスキーマです。

この期待を裏切ったというのには、両親から「お前はダメだ」とか、「なんでこんな簡単なこともできないんだ」等と言われた場合も含みますが、それだけではありません。

これは早期の例ではないですが、後天的にこのスキーマが作られてしまう原因の例として、「受験の失敗」が挙げられます。

親にお金を出してもらい、応援してもらったにもかかわらず合格できなかった。同世代の他の人たちよりも成績が下であった、という経験は、「自分はダメな存在だ」という思い込みに繋がりやすい出来事です。

このスキーマを持つ人は、「自分はダメな存在だ」という前提を持ち、さらに「そんな恥ずかしい自分を見られてはいけない」という思い込みに苛まれています。

具体的には、以下のような考え方を持っています。

・周りの人に比べて自分は劣っている
・うまく人と話せない、見た目も良くない
・失敗ばかりする
・こんな自分が恥ずかしい

このスキーマを持つ人は、「無能な自分」を人に知られないために、極端に失敗を恐れます。

そのため、一度失敗を経験すると、同じ失敗をしないために、その経験に通じる可能性のあるものを強く拒絶し、遠ざけようとします。

同じく、「自分がダメだということを知ってしまった」と感じた他者との付き合いを絶とうと、極端な行動につながる場合もあります。

反対に、弱い自分を隠すために、実際以上に自分を大きく見せようとふるまう場合もあります。

まとめ

今回の「生きづらさの原因となっている"スキーマ"」では、
「わかってもらえない」スキーマ
「欠陥・恥」スキーマ
について学びました!

思考の特徴が自分に当てはまっていないか、確認してみましょう!



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