スキーマ 認知行動療法

生きづらさの原因となっている"スキーマ"③「『自分が犠牲になればいい』『だれかに頼らないと不安だ』」

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この記事では、生きづらさの原因となることがある「スキーマ」について紹介していきます。

今回は、「自己犠牲スキーマ」と「無能・依存スキーマ」について紹介していきます。

前回の記事はこちらから!

自身のスキーマを理解して自分を苦しめている考え方から抜け出すために、早期不適応スキーマの実例を紹介していきます。

自分が犠牲になればいい

様々な場面において、「他者が苦しむところを見るくらいなら、自分が苦しめばいい」と考える人がいます。

自分の仕事が終わっていても、残業してでも他の人の仕事を手伝ったり、欲しかったものが最後の1つとなっているとき、相手に譲ってしまったりなど、他者を優先し、自分を犠牲にしてしまいます。

一見すれば他者の幸福を願う素晴らしい行動であるように見えますが、実のところ、「自分を犠牲にする」というのは健康的な状態であるとは言えません。

このような「自己犠牲スキーマ」を持つ人は、自分を犠牲にしてでも他者が幸福であればそれだけで幸福でいられるのかというと、実のところそうではありません。

欲しかったものが得られなかったことを後悔したり、無理をすることで心身を崩してしまったりなど、犠牲にした分苦しんでしまうことになります。

このスキーマを持つ人の思考の例として、下記のようなものが挙げられます。
・自分より相手を優先するのは当然
・みんなが喜んでくれるならそれが幸せ
・だれかが苦しむなら、自分が犠牲になりたい
・人のよろこびは自分のよろこび(実際には負荷となっている)

このスキーマは、まだ幼いころに親に負担をかけていると感じてしまったり、本来負うべきではないほどの責任を負ってしまった場合に作られます。

例えば、幼いころにケガや病気をしてしまい、親に経済的に負担をかけていると感じてしまった場合。

あるいは、親がアルコール依存症であり、「自分が頑張らなきゃ」と必要以上に自分に負荷をかけて育ったような場合など。

こうして作られたスキーマは、意識せずに常に自分が犠牲となるような選択肢を選び感謝されても謙遜して受け取らず、そしてたとえ自分が直接関係していたことでなくとも、助けられなかったときに自分を強く責めるといった行動を生み出します。

だれかに頼らないと不安だ

あなたは、「自分で決断をすることが苦手だ」と感じていませんか?

責任のある仕事を可能な限り避けようとしたり、早急に終わらせなければいけない課題であっても、他の人の指示を待ち続けてしまうことはありませんか?

あるいはプライベートでも、だれかと出かけたとき、「何を食べに行くか」「どの映画を見るか」など様々な場面で、意思決定をすべて他人に委ねてしまっていませんか?

このように、自分で何かを決めたり、責任を負うことを極端に恐れ、強い不安から悩みこんでしまう方は、「無能・依存スキーマ」を持っている可能性があります。

「無能・依存スキーマ」の思考例としては、下記のようなものが挙げられます。
・自分は無能だ
・ひとりでは何もできない
・だれかに決めてほしい
・他人の指示通りに動きたい

幼いころ、親に過剰な干渉を受けて育ってきた人は、このスキーマを持ちやすくなります。

この干渉というのは、必ずしもネガティブな意思で行われたものとは限りません。

むしろ、子供を可愛がるあまりに過保護に接してしまったことが、このスキーマを持つきっかけとなることも珍しくないのです。

何かに挑戦しようとすると「危ないからやめなさい」と言われ、自分が何も動かなくても、親がなんでもしてくれる。

そのような状況が続いてしまうと、自分で何かを選ぶということができなくなってしまうのです。

新たにチャレンジすることを恐れ、課題を先送りにしたり、「自分には無理」という思い込みから助けを求めたりするようになってしまいます。

まとめ

今回の「生きづらさの原因となっている"スキーマ"」では、
「自己犠牲」スキーマ
「欠陥・依存」スキーマ
について学びました!

思考の特徴が自分に当てはまっていないか、確認してみましょう!



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