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統合失調質パーソナリティ障害とは?② ~無関心・無表情は自己防衛のため!バランスが崩れると大変…統合失調質パーソナリティ障害の原因と治療法~

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統合失調質パーソナリティ障害とは?① ~他人に興味が無さすぎる!一人を好む統合失調質パーソナリティ障害の4つの特徴~

パーソナリティ障害には、様々な種類がありますが、その中でも、周りに全く興味を持たず、感情も表にださない、そんな症状を持つのが「統合失調質パーソナリティ障害」の特徴です。

目次

統合失調質パーソナリティ障害の原因は?

統合失調質パーソナリティ障害の人は、一見わかりにくいですが、実はとても繊細な心を持っています。

それには、子どものころの家庭環境が大きく影響しているようです。

というのも、“周りに関心がない”というのは自分を守るために身につけた手段なのです。

周りとの関わりを避ける、感情を外に出さないようにするなどの方法で自分のバランスを保ってきたのです。

そのため、一人で行なう仕事なら問題はありませんが、プロジェクトリーダーであったり、チームの一員になったりすると、少なくともチームメンバーとコミュニケーションを取らなくてはなりせん。

そうなると、今までの自分のバランスが崩れ、うつ病などの発症を招いてしまうこともあります。

周りを気にしない=心が強い、鈍感などと思われやすいのですが、実はとても脆く弱い心の持ち主なのです。

また、遺伝的要素も統合失調質パーソナリティ障害の発症の一因ではないかと考えられています。

統合失調質パーソナリティ障害の治療法は?

統合失調質パーソナリティ障害の人は、自分が病気だという自覚がないことが多く、かつ本人が苦痛だと感じていないことが多いです。

自分を変えようという気持ちがあまりないため、治療に持っていくというのがまず難しいところです。

心理療法

先ほども述べたように、統合失調質パーソナリティ障害の方は、自分が病気だという自覚がなく、自分を変えていこうという気持ちもあまりないことが多いです。

そのため、自分の性格などに悩んで病院を受診するということはほとんどありません。

受診をされる場合は、うつなどの症状を訴えての受診が多いです。

ですが、なぜうつになってしまったのか、そのきっかけや背景を患者さん自身把握していないことも多くあります。

そのため、まずは自分自身がどんなことが苦手なのか、どんな場面に苦痛を感じるのか、自分自身についてもっと知っていく必要があります。

また、本人には病気の自覚がないため、自分の行動によって起こるトラブルや問題などを本人に気付かせる必要があり、繰り返し何度も何度も指摘していく必要があります。

人格とは長い時間を経て形成されたものなので、すぐに変えるということは難しいのです。

時間をかけてじっくりと治療していきましょう。

また、周りの人も温かく見守ってあげることが大切になってきます。

薬物療法

統合失調質パーソナリティ障害の治療は主に心理療法ですが、薬物療法も使われることがあります。

といっても、直接的に人格を変えられるような薬はありません。

薬物療法は、うつ症状や、不安などの症状は出たときに、その症状を和らげるために使われます。

そのため、薬物療法は、必要最小限の薬の量で行なっていきます。

周囲の人の接し方

統合失調質パーソナリティ障害の人は、他人に対して壁を築くことで、自分を守っています。

それだけ、自我の殻がデリケートで脆いということです。

不用意に近づいたり、あからさまに親しみを示すと、侵入されたと脅威を感じてしまいます。

統合失調質パーソナリティ障害の人と接するには、相手の聖域に踏み込むようなことはできるだけ避け、少し遠めの距離を保ち、淡々と接するところが出発点となります。

また、関係の親密度が増すにつれて、自分の世界を侵食されるような気持ちを持つため、恋愛が進行するのとは逆に、気持ちが冷めてしまうことがあります。

お互いが淡泊な関係で満足するタイプならうまくいきますが、どちらかがどんどん相手を求めたり、頼るようになると、統合失調質パーソナリティ障害の人は、重荷に感じたり、うっとおしく感じるようになります。

カップルでうまくやっていくには、同じ趣味やテーマを持ち、つかず離れずで暮らしていくか、同好の友、または協力者として、お互いの世界を尊重し、侵犯しない関係を保つとうまくいく可能性があります。

統合失調質パーソナリティ障害の人の克服ポイント

統合失調質パーソナリティ障害の人は、無理に社交的にふるまったり、人付き合いを増やすよりも、気の合った少数の人と関係を深める方がよいでしょう。

気が進まない人間関係を続けるより、自分の特性を知り、それに合ったライフスタイルや職種を選ぶと、ストレスがなく楽しみながら成功するポイントになります。

プログラマー、設計士、トラック運転手、郵便配達など、孤独な環境でも成り立つ職業が多くあります。

統合失調質パーソナリティの人は、自分の天性を否定したり、無理矢理変えようとせず、むしろ長所として活かしましょう。

ストレスを感じて、うつや不安などの症状が出てしまうより、自分の天性とあった仕事やパートナーと出会うことができれば、充実した人生を送ることができるでしょう。

統合失調質パーソナリティ障害の原因と治療法まとめ

統合失調質パーソナリティ障害の方は、病気という自覚がないことが多いため、治療をするのが難しくありますが、うつなどの症状によって支障が出る場合は病院を受診した方が良いでしょう。

発症の原因としては、子どものころの育成環境や遺伝が考えられます。

治療には主に心理療法が使われ、まず自分を知ることから始めていきます。

人格を変えることは、とても難しいものです。

ゆっくりじっくり、時間をかけて治療を進めていきましょう。


参考:
パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか, 岡田尊司, PHP研究所,2004/5/31

 

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