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自分も相手も大切に…アサーションで自己表現!【28】 ~言葉の内容と態度・行動を一致させる~

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日々の生活の中でこんな気持ちになったことはありませんか?

自分の都合があるのに、突然の誘いを断われない…
自分が正しいと思うことは、なんと言われても変えられない…
商品を間違えられても、変えてもらうことができない…
自分の意見を通すために、人の気持ちを配慮できない…

このような状況が続くと、心の中に不満が溜まったり、周囲と関係が悪化してしまうなど、結果的にあなたの生活の質を下げてしまいます。

こうしたトラブルを解決し、より爽やかに生きるための方法が「アサーション」です。

お互いにとって心地いい関係を作るために「アサーション」を学んでみませんか?

第28回は、「よりよい自己表現を生み出すためには…『言葉以外のアサーション』と『気をつけたい言葉』」の続き、「言葉の内容と態度・行動を一致させる」を解説していきます。

目次

言葉の内容と態度・行動を一致させる

言っていることと、態度や行動が一致しない人に会ったら、戸惑いを感じませんか?

言った本人に悪気はなくても、本意をどう受け止めていいのか分からないので、相手の人は困ってしまいます。

明確な自己表現のために、言葉と行動を一致させるように心がけましょう。

言葉と行動の不一致は相手を惑わせる

例えば、ニコニコと笑顔で「腹が立った」と言われても、嬉しいのか怒っているのか相手には分かりません。

そのため、相手は気持ちの受け取り方がわからず、どう反応したらいいか戸惑うでしょう。

このような時、相手がアサーティブな人なら「どちらを伝えたいのですか?」とはっきりと聞くでしょう。

しかし、多くの人は往々にしてどちらかを察して反応してしまうものです。

特に、子どもは部下などの立場の弱い人がこの種のメッセージを受け続けると、常に判断に困る状況に置かれてしまうため、脅威を感じたり、こらしめられているような気持ちになる可能性もあります。

非主張的な人に多い「二十拘束的な表現」

言っている事(言語表現)と、それに伴う態度・行動など(非言語表現)の不一致を「二十拘束的な表現」といい、相手に矛盾した二つのメッセージを同時に与える事で、身動きできない拘束状態にしてしまう、という意味があります。

ふくれっ面をしながら「いいですよ」というのが例になりますが、はっきり自分の意見が言えなかったり、あいまいな言い方をすることが多い、非主張的な人の表現が、この「二十拘束的な表現」になる可能性があります。

二十拘束的な表現をしていないか、常日頃相手にどのようなメッセージを送っているか、見直してみましょう。

矛盾していることがある「攻撃的命令」

命令の中にも、メッセージが矛盾していることがあります。

「自由にしなさい」
「人に頼らず自分でやりなさい」

といったメッセージがその例で、言っていることの内容は、

「自由を許す」
「自立を促す」

という意味に思えますが、命令で自由や自立を伝える、という矛盾が起こっています。

そのため、命令をした人の下では、自由に行動したり、誰にも頼らず自分だけで行動したとしても、実際は命令した人に従っている、ということになるのです。

言葉、感情、態度、行動がいつも一致するとは限らない

赤ちゃんが「泣く」という行為で不快感を表現しますが、成長するとともに怒った表情や逃げるという非言語的表現や、「気持ちが悪い」「嫌だ」という言語表現ができるりょうになります。

この段階までは、感情と表現はほぼ一致しています。

しかし、さらに成長すると次第に表現が複雑になり、感情と一致しないことが増えていきます。

感情が渦巻いている時に無表情に黙ったり、感情を抑えて「気持ちが悪い」と言ったり、悲しいのに怒ったり、怒っているのに泣いたり、悲しくないのに泣いたり、笑顔で「腹が立った」、というようなこともするようになります。

不一致に気づいたら自分を見直す

このような言葉と態度・行動の不一致は、

「感情的になるのは良くない」
「怒ってはいけない」
「泣いてはいけない」

といった知的な作用が働き、感情表現に歯止めをかけてしまっているためかもしれません。

このような不一致を受け止めてくれる人もいるかもしれませんが、多くの場合、相手は戸惑い、反応に困って黙ってしまうでしょう。

これが、不一致メッセージに対する信号です。

このような時は、自分が表現したい事、考えている事、感じている事が適切に言葉や態度・行動に出ていない可能性があります。

不一致が相手やあなたを苦しめているなら、表現方法を見つめ直してみることが必要でしょう。

ただ、「自由にしてもらいたい気持ちと、心配な気持ちが両方ある」といった場合など、複雑な感情を表現するために、不一致をそのまま正直に表現することもあるでしょう。


 
次回、「怒りは相手のせいではなく自分が起こす感情」、へ続く


 

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