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自分も相手も大切に…アサーションで自己表現!【7】 ~感情・思考・行動のバランスをとる~

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日々の生活の中でこんな気持ちになったことはありませんか?

自分の都合があるのに、突然の誘いを断われない…
自分が正しいと思うことは、なんと言われても変えられない…
商品を間違えられても、変えてもらうことができない…
自分の意見を通すために、人の気持ちを配慮できない…

このような状況が続くと、心の中に不満が溜まったり、周囲と関係が悪化してしまうなど、結果的にあなたの生活の質を下げてしまいます。

こうしたトラブルを解決し、より爽やかに生きるための方法が「アサーション」です。

お互いにとって心地いい関係を作るために「アサーション」を学んでみませんか?

第7回は、「自分をよく知り、よりよい自己表現を目指す」の続き「感情・思考・行動のバランスをとる」を解説していきます。

目次

感情・思考・行動のバランスをとる

今回は「感情・思考・行動」の3つの表現を取り上げ、あなたにはどのような傾向があるか確認してみてください。

この3つのバランスを知ることで、あなたの持つ“自分らしさ”が分かってくると思います。

3つの表現で自分を知る

人は、考え、感じ、行動する生き物です。

自分を知るということは、この3つの表現をありのまま、率直に理解して、そこにあらわれる自分らしさを受け入れ、大切に育てていくことです。

また、この3つは個々に存在しているものではなく、お互いに影響し合いながら、私たちの生き方そのものを作り上げています。

人間の赤ちゃんは、「泣くこと」と「眠ること」しかできませんか、成長すると、この3つのやり方で統合できるようになり、その人らしさが作られていきます。

3つの表現をバランスよく育てる

私たちにはそれぞれ、自分が大切にしたいこと、得意なことがあり、それらを育てることで個性や自分らしさを作りますが、気をつけたいのは「3つの表現のバランス」です。

どれか一つに偏ったりしないように、3つの表現を育て、時と場合に応じて発揮できるように心がけてみてください。

【1】感情型の人

基本的特徴とプラス面

思考や行動よりも、感情や気持ちを重視するタイプ。

自分の感情に敏感で、豊かに表現する人が多いです。

いいことがあれば「うれしい」、つらいことがあれば「悲しい」など、自分の感情を大切にし、それを言葉にして表すことが多いタイプです。

感情や気持ちが表情や態度に出やすく、動作にも表現されやすい面があります。

このタイプの人は、表現がストレートで素直なので、感情が周囲の人にも伝わりやすく、本人もスッキリするので、イヤな気持ちをいつまでも持ち続けることは少ないでしょう。

気をつけたいマイナス面

感情型の人は、自分の感情に振り回されて、その場に応じた適切な判断ができなくなったり、時には自分の激しい感情に回りを巻き込んでしまい、周囲の人を支配したり、おびえさせたりする場合があります。

また、感情型の人の中には、心の中でいろいろなことを敏感に感じていても、それを表現するのが苦手な人もいます。

そのような人は、人に理解してもらえない感情が自分の中に蓄積され、欲求不満はストレスとなり、ある時激しい感情として爆発する場合もあります。

【2】思考型の人

基本的特徴とプラス面

感情は行動より、考えることを大切にし、慎重で冷静なのが特徴。

何かあった時にすぐ感情を表現することや、先の見通しなしに行動することは軽率で非論理的だと避けるタイプ。

何かする時は十分調べてデータを集めたり、筋道を立てて分析と検討をしてから判断すべきと考えています。

論理的なことを大切にするため、話の理屈が通っていて、合理的な説明が得意。

データに裏付けられた客観的な判断ができるので、周囲の人からも信頼を得られます。

気をつけたいマイナス面

客観的なデータにもとづいて考え、結論を出してからでないと行動に移さないため、観察力は思考力があっても、行動力が不足する面があります。

「試しにやってみよう」と気軽に考えたり、行動することが少なく、周囲の状況に対し臨機応変さが不足していて、急な状況の変化に対応できない場合もあります。

データを重視するあまり、理屈っぽい面が強く表れることがあるため、情緒に乏しい人のように思われたり、面白みに欠ける人に見えたりします。

【3】行動型の人

基本的特徴とプラス面

まず行動してみることが好きなタイプ。

「とにかくやってみて考えるのはその後でいい」と思っていて、あれこれ考えるよりは行動したい性質があり、物事にとりかかるのが早く、積極的でです。

行動型の人が感情を表現する時は、身振り手振り、声の大きさ、話し方の変化も豊かに用いて表現します。

新しい情報を見るとすぐに飛びつくことも多く、新商品をすぐに使ってみたり、話題のスポットに行ってみるなど、好奇心が強い面があります。

気をつけたいマイナス面

行動型の人は、自分の行動を反省したり、整理したりしないままにしてしまうことがあり、ひとときの体験や行動にとらわれて、今さえよければいいという傾向があります。

ものごとをしっかり検討することや、自分の感情を落ち着いて味わうことに不足する面があります。

いつも気軽に行動して、イキイキしていることが多いので、うらやましく思う人も多く、先頭に立って動いてくれて助かるところもありますが、先の見通しが欠けているので、失敗した場合に後に続く人たちも道連れになりかねません。

時にはものごとをじっくりと考える時間を持つと、成功や失敗が自分の知恵として蓄積され、行動の結果が次回に生きるでしょう。

フィードバックをもらってもっと自分を知る

「20の私」や「感情・思考・行動のバランスをとる」を読んで、どれだけ自分のことが分かったでしょうか?

すぐに自分を理化宇するのは難しいことですが、他者との付き合いの中で簡単にできる方法があります。

自己理解が人間関係を左右する

人との付き合いが難しくなる原因として、自己理解ができていない(自分がどんな人間なのかが分かっていない)ことが挙げられます。

自分がダメ人間だと自己卑下的に思っていれば、他者に対して防御的になるでしょうし、優越感が強すぎれば、他者の正当な意見を軽視して強引にものごとを進めて、嫌われたり敬遠されてしまうかもしれません。

このように、自己理解が歪んでいると、それに基づいた行動も歪んでしまい、他者や周囲の状況の受け取り方も歪んでくるので、人間関係に悪い影響を及ぼすことがあります。

フィードバックは自分を理解する大切な鍵

自分では気づいていないクセや他者に与えている影響など、自分自身が分かっていないことは多くあります。

それを自分だけで知るのは難しいのですが、そのために大切なのが「フィードバック」です。

これは、自分の行動が与えた影響について「どう思う?」と聞いて、他者に教えてもらうことです。

お互いに理解の歪みはあり得るので、正しい答えとは限りませんが、自分を知る手がかりにはなります。

多くの人同じようなフィードバックをしてくれた時、それは自己理解の需要な鍵になります。

あなたを大切に思う人から積極的にフィードバックをもらうと成長の助けにもなります。


 
 
次回、「アサーションに必要な自己信頼」、へ続く


 

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