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自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!【10】 ~【自尊感情】…自分には価値があると思える感覚~

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突然ですが、あなたにとって「幸せ」とはなんですか?

  • お金持ちになること
  • 玉の輿にのること
  • 幸せな結婚をして子供を育てること
  • 大きな会社に入って安定した職があること
  • 商売やスポーツで大成功して有名になること

これらの目的は達成すると嬉しいものです。

しかし、「自己肯定感」が低いと、これらの目的を達成しても幸せを感じられません。

一次的には嬉しいかもしれませんが、喜びが長続きしないのです。

「自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!」では、自己肯定感とうまく付き合う方法を身につけ、幸せな毎日を過ごすための方法をご紹介していきます。

第10回は、【6つの感】のどこが低くなっているのか?」の続き、「【自尊感情】…自分には価値があると思える感覚」を解説していきます。

目次

【自尊感情】…自分には価値があると思える感覚

【自尊感情】は、あなたが自分の持ち味、個性、人柄などを自分で評価し、自ら生きる価値を認識して、自分の活かされた命を大切にする感情です。

自尊感情は、「自己肯定感の木」の根っこの部分です。

自尊感情が安定していると、あなたは、

「私ってなかなかよくない?」
「自分っていいよね」

と自分を尊ぶことができ、物事を肯定的に捉えることができます。

とても重要な【感】ですが、日本人は諸外国の人に比べて、自尊感情が低いと言われています。(内閣府調査。13~29歳の若者を対象にした意識調査より)

「自分自身に満足している」と答えた若者は、7.9%。

10人に一人しか「自分自身に満足している」と答えなかったのです。

「どちらかと言えば満足している」と回答した人が、38.4%。

「満足している」「どちらかと言えば満足している」は、合わせて45.8%でした。

これは、アメリカ、ドイツ、フランス、韓国など、同様の調査を行った国で「満足している」「どちらかと言えば満足している」の回答が70~80%を超えていることと比べると、非常に低い数字で、調査国の中では最下位です。

若者を中心としたデータではありますが、若者は大人を見て育つため、この時点で大人も「自分自身に満足できていない人」が多い、ということは一目瞭然です。

30代、40代になってから自然に満足感を高められる可能性は低いと言ってもいいでしょう。

日本の社会は、自尊感情が傷つきやすい構造を抱えている、ということです。

では、自らのパーソナリティを尊重できない状態にあると、人はどのようなトラブルを抱えることになるのでしょうか。

一例をご紹介します。

【事例1】SNSを見るたびに「いいね」の数に一喜一憂してしまう

都内でも有数のオフィスビルで大きな企業の受付業務に従事しているMさん。
地元の友人や学生時代の同級生からは「華やかな毎日を送っている」と憧れの目で見られています。
その憧れの源泉となっているのが、フェイスブックやインスタグラムで、Mさんは毎日の生活の華やかな面を切り取っては発信し、その投稿に「いいね」をもらうことが何よりの喜びになっています。
一見、順風満帆な日々ですが、Mさんはカウンセリングを受けていて、その理由というのが、SNSで繋がっている、より華やかな人たちの暮らしが気になって仕方がない、という悩みを抱えていました。
結婚を報告し、婚約指輪とプロポーズのエピソード語ったエントリー。
給与が恵まれていると知られている外資系企業に勤める友人のパーティの写真。
他の人の幸せな投稿を見るたびに、仕事にも集中できず、給料も少ない中で何とかやりくりしている自分の生活とのギャップに、嫉妬心がわき上がり、居ても立っても居られなくなると言うのです…。

「いいね」をもらっても満たされないのはなぜなのか

Nさんのように、他人と自分を比較して、嫉妬心、劣等感から感情をすり減らしていくのは、自尊感情が低下している時によく見られる症状です。

自分のパーソナリティ(その人の持ち味。個性。人柄)に自信が持てない分、SNSではいい面ばかり発信してしまう…。

その背景にあるのは、低下した自尊感情を埋めるために「誰かに認められたい」という他者承認を求める承認欲求の強さです。

「自分お価値を認めてもらいたい」という承認欲求は誰もが持っている欲求ですが、実は自己承認と他者承認の2段階に分かれています。

自己承認が低下している時、私たちは「自分に〇」と言えません。

つまり、自己認証ができない状態、自分の存在価値が何なのか分からない状態になっていて、満たされない思いをどうにかしようと他者からの承認を強く求めるようになっていきます。

Nさんは仕事に価値を見い出せず、そんな自分に「〇」と言えない状況にあり、その分、地元の友人や学生時代の同級生からの承認やSNSを通じた「いいね」を心の支えにしていました。

初めは嬉しかったのですが、他人の顔色ばかりうかがって本来の自分を偽り、他者承認を得るだけで、自分で自分自身に「〇」と言えなければ、虚しさは増していきます。

「いいね」を集めるために生活費を削って、映えるスポットに出かけたり、SNS上では苦しい胸の内を打ち明けず、都会の暮らしを楽しむ自分をアピール。

SNSを見るたびに「いいね」の数を気にして、一喜一憂してしまう…そんなアンバランスな生活により、Nさんは自分を追い込んでいました。

誰かのためになることが自尊感情を高める

カウンセリングでNさんがすすめられたのは、「ライフチャート」と「タイムライン」という自己認知を改めるテクニックを使い、自尊感情を高めることでした。

「ライフチャート」は、今の仕事、人間関係、プライベートなどを直感的に自己採点していくもの。

「タイムライン」は、1年後、3年後、5年後、7年後の自分がどうなっていたいかをイメージする、というものです。

どちらもテクニックにも、自分が今置かれている状況を客観視して、悩みも本質を知り、どう解決していけばいいのか道筋を明らかにする、という効果があります。

Nさんの場合は、本人が他者承認への欲求が強くなりすぎていることに気づき、SNS以外の方法でも承認欲求を満たせるように生活と人間関係を変えていくことができました。

具体的には、オフィスでの振る舞いをかえて、同僚たちをサポートする業務に積極的に関わるようにしました。

すると、フェイス・トゥ・フェイスで感謝の言葉をもらう機会が増えて、「ありがとう」の積み重なることで、他者承認の欲求が満たされていきました。

「SNSの「いいね」もいいけど、身近な人からの「ありがとう」の言葉の方が、何百倍も気分がいいです。私、生きてる!と、今、感じます!」

Nさんは、自分を認めることで自己承認が進み、結果的に自尊感情が回復し、SNSへの過剰なこだわりも薄れて、等身大の自分に「YES」と言える状態へ変わっていったようです。


 
次回、「【自尊感情】…また失敗するかも…のトラウマを書き換えるには」へ続く


 

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