障害者雇用促進法の改定や、障害者総合支援法の制定により、障害を持っている方の雇用数は年々増えています。
国も自治体もサービスを提供していますし、就労移行支援事業所などのはたらきで、障害を持っている方が就職しやすくなったり、働きやすくなったり仕事を継続しやすくなったりしています。
そこで今回は、一般枠、障害者枠それぞれの雇用のメリット・デメリットについてまとめてみました。
目次
障害者雇用でのメリット・デメリットは?
障害者雇用でのメリット
1. 障害に配慮のある環境で働くことができる!
これが最も大きなメリットといえるでしょう。
障害者雇用促進法という、障害のある方も就職できるように環境を整え、自立できるように支援する法律があります。
この法律は、障害のある人に対して、給料を下げる、実習や研修をしないなどといった差別を禁止するのと同時に、個々の障害(=苦手分野)に対して、配慮を求めることができます。
・仕事がしやすいように、作業する場所・道具などに工夫をする。
・休憩の際に、体調や通院に配慮する。
などです。
配慮事項の具体的な例としては、
- 報連相や臨機応変な対応が苦手。コツコツ・黙々と、一人で完結できる仕事を多くしてもらう。
- 話し声や物音が多いと集中できない。証明を落とした静かな場所で作業させてほしい。
- 集中してしまうと周りの状況が見えなくなる。定期的に休憩の声をかけてもらう。
- 全体的な見通しを立てるのが苦手。面談の時間を設けて客観的にアドバイスがほしい。
といったものがあります。
こういった、障害の特性上の苦手分野を配慮事項として企業側に伝えて、働きやすい環境を用意してもらうことができるのが障害者雇用の特徴です。
ただし配慮事項を企業にわかりやすく伝えるためには、自分の得意・不得意を客観的に理解している必要があります。
ただ単に苦手なこと・対応して欲しいことを伝えれば良いというわけではなくて、自分が業務に専念できる環境や条件を自分で説明できるようにしておかなくてはいけないということです。
実は、障害者雇用枠での就活を一人で進めようとしたときにぶつかるのがここの壁。
就労移行支援事業所などの支援サービスを使い、自分の得意・不得意を客観的に分析するサポートをしてもらうのがオススメです。
2. 就職がしやすい!
一般雇用枠での応募になると、どうしても障害を持っていない人との競争になってしまうため、障害特性上、不利になってしまいます。
一般雇用では先述のような配慮事項を伝えることは原則できません。
しかし障害者雇用では、障害を持っているということと、配慮事項を伝えるということが前提になっています。
またハローワークや先述の就労移行支援事業所などには障害者雇用に詳しい専門のスタッフがいるので、相談しながら得意な業務・環境に絞った効率的な就活をしていくことができます。
そのため、障害者雇用枠のほうが就職しやすいと言えるのです。
障害者雇用でのデメリット
求人数が少ない
一般求人に比べ、障害者枠の求人数は少なくなります。
そのため、希望の業種・職種が見つからないといったことも。
また、希望の職種はあっても、比較的簡単な作業を任されることが多く、仕事の領域が浅くて狭いということがあります。
総合的・管理的な仕事を任されたい人や、専門的な仕事をしたいという人・もっと深く仕事に関わりたいという人は、一般雇用で応募するようです。
一般雇用でのメリット・デメリットは?
一般雇用でのメリット
多くの企業から選ぶことが出来る
障害者枠に比べ職種が広くあり、専門職もあります。
会社の規模も様々で、数ある会社の中から選ぶことができます。
また、経験を積んでいけば昇給、昇格もあり、やりがいを感じることができます。
もちろん障害者雇用枠でも昇給や昇格はありますが、一般雇用に比べて業務内容が狭いためなかなかあがりにくいのが実情です。
一般雇用でのデメリット
ストレスが溜まりやすい
一般雇用の場合、障害を伝えずに就職しているため、当然ながら企業側も本人の障害を把握していません。
そのため、障害を持っていない他の社員と同等な対応、同等な成果が求められます。
コミュニケーションがニガテ、仕事を順序立ててこなすことがニガテな人などはストレスが溜まり仕事が辛くなってしまうかもしれません。
特に、中小企業だと、一人で様々な業務を担当することがあったり、体調を崩しても休みがとりにくいことがあります。
一般雇用の場合は中小企業よりも、大企業のほうが比較的安定していて働きやすくあります。
ただ、大企業のため入社も倍率が高く、難しいということが言えます。
まとめ
障害者雇用でも、一般雇用でもそれぞれメリット・デメリットがありますね。
優先するものは人によって違うと思いますが、無理なく続けられる仕事を探していきましょう。
給料がいいからと無理をして身体を崩してしまっては意味がないですよね。
じっくりと、自分にあった仕事・働き方を考えてみましょう。
そのためにも、自治体や先述の就労移行支援事業所などのサービスで、適職や自己分析について相談できる人が見つかるとよいですね。
まずは相談から始めてみませんか?