発達障害を持つ方は、言葉をそのままの意味で捉えたり、思ったことを全て正直に伝えてしまったりといった特性を持っています。
しかし、それらの特性は、「本音」と「建前」の使い分けと相性が悪いため、「社交辞令」を苦手、よくわからない等と感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は社会に出て働く中でどうしても必要になってくる、「社交辞令」についてと、その対処方法についてまとめました。
目次
そもそも社交辞令ってなに?
そもそもの話として、「社交辞令」とは一体どのようなものなのでしょうか。
一言で説明するならば、「人付き合いや物事をスムーズに進めるために発言する挨拶や褒め言葉」となります。
発達障害の特性として、思ったことをそのまま言ってしまうというものや、嘘をつくことができない、理解できないといったものがあります。
もちろん、本人に悪気があるわけではないのですが、「真実である言葉」と「相手が求めている言葉」「場面で求められている言葉」は違うことが多々あるのです。
そんな時に、その「求められている言葉」を使うのが社交辞令であり、上手く気づくことができなかった場合、相手を傷つけてしまったり、場の空気を壊してしまうことになってしまうのです。
その結果、自分では「正しいことを言っているのに」と思っているにもかかわらず、どんどんと周囲から人がいなくなっていってしまうことになってしまいます。
正直であるのは良いことなのですが、相手を傷つけないための「社交辞令」も使い分けられるようになると、より人間関係をスムーズにすることができます。
例えば、お菓子をもらったとき
相手「よかったら食べてください。」
私「これ嫌いなのでいらないです。」
このように、正直に自分の思ったことを話すことが、相手を傷つけてしまう場面というものは多くあります。
こんな時に、真実そのままを伝えるのではなく、相手のことを考えた言葉選びをしたり、あえて真実とは違うことを伝える「優しいウソ」とでもいうものが社交辞令です。
先ほどの場面であれば、たとえ嫌いだとしても、「ありがとうございます」と相手に感謝の気持ちを示してお菓子を受け取った方が、相手は嬉しく感じるのではないでしょうか。
その後、そのお菓子を食べる気にならなければ、例えば家族や友人にあげてしまっても良いのです。
くれぐれも、職場のゴミ箱にそのまま捨てて、お菓子をくれた人がそれを見つけて悲しむ、といったことはないように!
また、受け取ってしまうと以降も定期的にそのお菓子をくれそうで申し訳ない、といった場合など、断る選択をした方が良い場面もあるかと思います。
その際は、「ありがとうございます。でも、甘いものは得意ではないので、他の方にあげてください」なんて言い方をしてみてはどうでしょうか。
断る場合でも最初に相手への感謝を表して「ありがとうございます」を伝えましょう。
少なくとも直接「嫌い」「いらない」と言うのは避けたほうが良いでしょう。
相手は自分が悪いことをしたように感じてしまって落ち込んでしまうかもしれませんし、失礼な奴だと怒ってしまうかもしれません。
容姿に関することへのコメントは避ける
自分の容姿を気にしている人は少なくありません。
自らの容姿の中にコンプレックスがある人は多いものです。
正直に伝えて傷つけてしまう例として挙げられるのは、「太ったね」とはっきり言ってしまうことなどです。
例え自分が「太っていること」を特に悪く思っておらず、見たままの事実として伝えたとしても、相手が太ってしまったことを気にしていれば、傷ついてしまうでしょう。
容姿に対するコメントは極力避けるようにしてください。
正直に伝えてはいけないと聞くと、おかしいと感じるかもしれません。
しかし、社会や仕事でうまくやっていくために社交辞令は必要なものなのです。
社交辞令は礼儀と同じく、相手への気配りや敬意を示すためのものです。
仕事上、相手やお客様に好感を持ってもらうことは大切で、それがあなたの成績や成果にも繋がってきます。
社会で生活していく以上、社交辞令もマナーのひとつと考えて、少しずつ覚えていくようにしてください。
周りの人や先輩の対応の仕方を注意して見て、参考にすると良いでしょう。
まとめ
慣れないうちは社交辞令は難しく感じるかもしれませんが、社会人として必要なマナーのひとつと覚えていきましょう。
また、思ったことを正直に伝えてしまう人は、悪気がなくても相手を傷つけているかもしれません。
発言する前に少し考える時間を作り、否定的な言葉はなるべく避けるようにしましょう。