仕事において、メモを取るのは重要です。
指示された仕事、新しく決まったこと、変更になったことなど、仕事をしていると次々に新しい情報が出てきます。
それをすべて自分の頭で記憶しておくのは難しいので、そういった情報を紙に書いたり、PCで入力したりしてメモを作らなければいけません。
しかし、「メモを取ろう」とは思っているものの、いざ必要なときになると、何を書いていいのかわからず、真っ白のままになってしまう・・・。
あるいは、一字一句相手の言葉を移そうとするも時間が足りず、結局中途半端なメモになってしまって必要なことがわからない・・・。
もう一度聞きに行くのは申し訳ないからと自分で判断して行動したら、相手の望んでいたことと違っていて怒られてしまった・・・。
そんな経験はありませんでしょうか。
今回は、メモが取れない原因と、その対処法について考えていきたいと思います。
発達障害はメモが苦手?
ADHD(注意欠陥・多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム)を持っている人は、メモを取るのが苦手な傾向があります。
ADHDを持っている人は、自分が関心を持つことにはすごい集中力を発揮できるのに対し、関心のないことには集中しづらいという特徴があります。
そのため、「聞かなくちゃ」と思っていても情報が頭の中に入ってこず、メモを取る手も進まない、ということが起こってしまう場合があります。
また、関心がなかったためにその時間のこともほとんど記憶しておらず、思い出しながらやろうとしても何もわからない、ということになりやすいです。
ASDを持つ人の場合は、大事なポイントを選んでメモをすることが苦手、という特徴があります。
メモを取るときは、相手の言葉を一字一句書き写していては間に合わないので、"大事なポイント"に絞って書いていく必要があります。
しかし、ASDを持つ人にとっては、明確な基準のない「大事さ」を測ることが難しく、結果何を書けばいいのかわからない、という状況になりやすいのです。
また、発達障害を持つ人には、「視覚優位」という特徴を持つ人がいます。
これは、図形などから目で見て理解することが得意な一方で、耳で聞いた言葉を理解するのに時間がかかってしまう、という特徴です。
この場合、相手の話を聞いていてもその意味をすぐには理解できず、そのままメモを取るタイミングを逃してしまうことに繋がるかもしれません。
メモのフォーマットを用意しておこう!
発達障害のためにメモを取るのが苦手な方の特徴を紹介してきましたが、これらに共通していることは、「何をメモすればいいかがわからない」ということです。
メモを取る内容が明確であればASDを持っていても迷わずにメモが取りやすくなりますし、ADHDを持つ人でもそのような情報に絞って集中することで話を受け入れやすくなります。
そこで、はじめからメモのフォーマットを用意することをおすすめします。
例えば、仕事の指示を受けたとき用のフォーマットであれば、日付、内容、目的、日時、場所、担当者、関係者などを書いておくといいでしょう。
このフォーマットを使うポイントとしては、全ての項目をしっかり埋めることです。
「わかっているから書かなくても大丈夫」と思って空欄にしてしまうと、次第に「ここは書かなくてもいいや」という風に考えてしまうものです。
そうなってしまえば、いざ必要なときに必要な情報がメモにないといったことが起こってしまうかもしれないので、しっかりとすべての項目は埋めるようにしましょう。
そして、完成したメモは一度依頼者に見てもらい、確認してもらいましょう。
聞き間違いなどがあるかもしれませんし、追加の指示を受けることもあるかもしれないので、必ず相手に確認してもらうようにしてください。
まとめ
なかなか短時間でメモを取るということは難しいことです。
ADHDやASDを持つ人は、特にメモを取るということが苦手な傾向にあるため、あらかじめメモのフォーマットを作っておけば、いつもよりスムーズにメモを取りやすくなります。
聞き逃し、聞き間違いがあるかもしれないので、メモが取れたら確認を取るようにしましょう。