仕事の内容にもよりますが、"会議"というものに参加する機会があるかもしれません。
会議では、多くの人が集まり、情報の伝達、共有を行うほか、相談、審議によって意思決定を行います。
しかし、発達障害を持つ人は、そんな会議の場が苦手なことがあります。
少し想像してみましょう。
だいぶ仕事にも慣れてきて、初めて会議に参加することになりました。
緊張しながら参加してみたところ、何人もの人がバラバラに、様々なことを喋りだします。
初めのうちは頑張ってついていこうとしていたのですが、何を言っているのか全然わからず、気づけば置いてきぼりになってしまいました。
ホワイトボードに情報は記入されていくのですが、単語や数字ばかりで何のことだかわかりません。
混乱しているうちに、会議は終了。結局ほとんど何も理解できていません。
どうして、このようなことになってしまったのでしょうか。
複数人での会話が苦手という特性
発達障害を持つ人は、1対1の会話なら問題なくても、複数人の会話となると全く頭に入らないことがあります。
その結果、会議の場に限らず、職場で全体に向けて話された言葉が、自分にも話されていると感じられない場合があります。
そのために、会議や朝礼、終礼など、人が集まる場面での連絡・指示などが頭に入ってこないのです。
また、一人が複数人に向かって話す言葉を受け取るのが苦手なだけでなく、複数の人が入り混じっている会話も、苦手なことが多い分野です。
複数の人が一斉に話す場面では、それぞれの声を聞き分け、内容を理解しなければなりません。
そのためには、個々の感情を読み取り、どのような前提があり、それをどのように解釈し、どう思っているのかを瞬時に推測する必要が出てきます。
その中では、「以前に出た話を踏まえての話」など、省略が含まれることも多いでしょう。
残念ながらこれは、発達障害を持つ方の多くが苦手としていることなのです。
どうしたらいいかな?
会議・打ち合わせは予習をする!
最初にも述べた通り、発達障害を持つ方は、会議の場において、個々の話を解釈しきれず、話に置いていかれてしまいやすくなります。
そこで、事前にわかっていることをまとめておくようにしてみてください。
会議の場で新しく出てくる情報が多ければ多いほど話についていくのは難しくなりますが、裏を返せば事前に多くの情報を手に入れ、その解釈も済んでいれば、その場で考えることも少なくなります。
会議が始まる前に、会議の目的を確認したり、自分がやらなくてはならないこと、確認を取らなくてはならないことなどを整理しておきましょう。
会議についてまとめておいたメモを手元に置いておけば、いつでも確認することができます。
また、会議が始まったらこのメモに大事なことだけを追加する形をとっていけば、会議にも集中できるでしょう。
もしかしたら、会議中にメモを取ることが難しいという人もいるかもしれません。
【大人の発達障害】メモの取り方がわからないという記事も参考にしてみてください。
他にも、会議中どうしてもメモができないという人は、ボイスレコーダーや、カメラなどを活用するという手段もあります。
ただし、この方法を使うのであれば、事前にそういった道具を使用しても良いか、必ず確認をとっておきましょう。
まとめ
発達障害を持つ人は、1対1の会話に問題はなくても、複数人の会話となると全く頭に入らないということがあります。
これは、複数の人に対しての言葉を自分に向けた言葉として受け取れない特性や、個々の気持ちを推測するのが苦手な特性によるものです。
仕事で困る場合、特に会議の時などは、あらかじめわかっている情報をメモに書き出したり、自分がやるべきことなどをまとめておくことで、スムーズに参加しやすくなるでしょう。