仕事でプロジェクトを任されたのに、なかなかやる気が出ない。
「やらなくては」とは思っているのに、どうにも体が動かない。
気づけば、任された仕事ではなく、書類の整理を始めてしまう・・・。
このような経験はありませんでしょうか。
発達障害、特にADHD(注意欠陥・多動性障害)の人は、このような傾向を持っています。
目次
先延ばしが起こってしまうワケ
先延ばししてしまう傾向は、より長期的で、大がかりなものほど出やすくなります。
その理由は、ADHDの症状である先が見えないものを面倒と感じてしまうことと、好きなもの、興味があるものを優先してしまうことにあります。
そのため、仕事がより長期的で、より大がかりなものになればなるほど、行動のイメージが出来なくて何も出来なくなってしまいますし、目の前にあるもっと興味を惹くことを始めてしまいやすくなるのです。
また、特に傾向があるのはADHDを持つ人ですが、ASD(自閉症スペクトラム)を持つ人も、仕事を細かくわけて優先順位をつけることが苦手です。
相談することにも抵抗感を持ってしまいやすいため、そのような状況下では仕事が先に進まないまま悩み続けることになってしまいやすいので注意が必要です。
ADHDの人は、興味を持てない仕事については具体的なイメージを持てないため、段取りをつけることもできず、さらに結果的にやる気をなくしてしまいます。
そして、期日に余裕があるうちは、「まだまだ期限もあるし大丈夫」と先延ばしにしてしまうのです。
一方で、ADHDを持つ人の中には、過集中と呼ばれる症状を持つ人もいます。
この場合、締め切り間近になると、常人以上の集中力を発揮するため、結果的に期限に間に合うこともあるでしょう。
しかし、そのような経験は、「自分は本気を出せばできるんだ」という思い込みを作ってしまうため、先延ばし癖をより強くしてしまいます。
締め切りを自分で設定し、周りに公言する
先延ばしを癖づけないために、追い詰められたほうがパワーを発揮できるなら、自分で早目の締め切りを設定し、周りに公言してしまいましょう。
その新たな締め切りに間に合わせるためにも、小さなゴールをいくつか設定していきましょう。
1.今すぐにやるべきことを1つ決める
全体の計画を立てなくても大丈夫です。
資料を読む、企画書を作るなど、まずは、今すぐやるべきことを1つ選んでみましょう。
2.今すぐやるべきことの締め切りを設定する
自分がそのことだけに集中して取り組むなら、どれくらいで達成できそうですか?
1週間以上かかってしまうようなら、さらにその作業を細かく分けて締め切りを設定する必要があります。
また、なるべく休日ははさまないようにしましょう。
休日をはさむと、「いざとなったら休日にやればいいだろう」と考えてしまい、危機感を感じなくなってしまう恐れがあるからです。
3.周りに公言する
上司や顧客に連絡を取り、「○月○日のご都合のいい日時に、お時間いただけますでしょうか?」などと、約束をしてしまえば、先延ばしも回避できます。
見方を変えて「しなきゃ」から「したい」にする
やるべきことはできないが、やりたいことは積極的にできるのがADHDの特徴です。
ならば、仕事であってもそれを「したいこと」に変換してやれば、やる気を持って取り組むことができるはずです。
見方を変えるコツは、仕事の内容ではなく、その結果起こることに焦点を合わせることです。
「仕事が進む」「ストレスが軽減される」「ほめられる」「自信がつく」など、目の前の仕事を終わらせることによる"イイコト"を想像してみると、おっくうな気持ちを軽減することができます。
まとめ
長期にわたる仕事となると、活動のイメージが付かず、どうしても先延ばしになってしまいがちです。
ADHDの人は特にこの傾向がみられるため、小さな目標をもってそれを少しずつ達成していくということが大切になります。
また、危機感を感じるまで動けないという人は、自分で締め切りを決めてしまい、周りに公言しましょう。
その方が自分の力を発揮できるはずです。