発達障害を持つ方の中には、感情のコントロールが苦手、といった特性を持つ方がいます。
ASDを持つ人の多くはこだわりが強いため、自分の持つルールと異なる行いをする人を見ると、強い怒りがこみあげてしまい、うまくコントロールできなくなる場合があります。
また、ADHDを持つ人は衝動的な行動を抑えることが苦手なため、怒りのままに突発的な行動を起こしてしまい、周囲との不和の原因となる場合もあります。
今回は、そんな怒りへの対処法をまとめてみました。
目次
自分の怒りのレベルを知る
怒りとひと口に言っても、「イラッとする」「頭にくる」「怒りで顔が真っ赤になる」など、その程度は様々です。
発達障害を持つ方は、物事を白か黒か、0か100かで判断しやすい傾向があります。
実はこの傾向は、怒りの程度が強くなりやすいという問題につながってしまっています。
例えば、何か物事が行われるとき、100の成功になることは実のところほとんどありません。
そのため、多くの人は、「だいたい80くらいの出来だろう」といったように無意識のうちに想像しているのです。
ところが、発達障害を持つ方は100の期待を持ってしまいやすく、いざ結果が出たとき、現実との差が大きくなり、感じる怒りも大きくなってしまうのです。
怒りの原因は?
怒りという感情は、「物事がうまくいかなかったとき」や「予想外のことが起きたとき」などに沸いてくるかと思います。
怒りが沸いてくるときに共通しているのは、「自分の信じるルールが破られたと感じた」ことです。
「こうなるはずだったのに」とか、「こういうときはこうしなければいけないのに」といった、自分の中にあるルールを緩めていくことも、怒りに対処するためには重要です。
自分の怒りを分析する
怒りをコントロールするためにも、自分の怒りの傾向を分析してみましょう。
どんなときに怒りが沸くのか、怒りが沸いたときにどんな行動を取っているのかを知っておくことは、対策のために重要です。
例えば、カーっとなって周りに怒りをぶつけてしまいがちであるとしましょう。
周りに怒りをぶつけることで、そのときは気持ちがすっきりするかもしれませんが、周りの人たちにはどう思われるでしょうか?
「怒りやすい人」「怖い人」「厄介な人」などといったマイナスイメージが付けば、その人との人間関係はギクシャクするばかりでしょう。
一時的な行動をすることで、自分で自分を生きづらくしてしまうことに注意しましょう。
また、このようなやり方では周りの人には"怒りだけ"が伝わり、あなたの気持ちや本当に伝えたいことは伝わりません。
自分の気持ちを伝えるには、冷静に判断、行動をする必要があるのです。
気持ちを切り替える
冷静に行動するには、怒りの気持ちを切り替えることが必要になってきます。
気持ちを切り替える方法は様々ですが、あまり難しくなく、効果の高いものとして、その場を離れるという方法があります。
席を外してトイレに行ったり、何か飲み物を買ってきたりなど、何かしら気持ちを切りかえるきっかけを作りましょう。
ただし、職場において何も説明せずに持ち場を離れてしまえば周囲の迷惑になるため、必ず連絡し、許可を取るようにしてください。
気持ちを切りかえるために役立つ方法は人それぞれなので、他にも自分にあった方法を見つけていきましょう。
まとめ
発達障害を持つ方は、感情のコントロールが苦手な傾向があり、何か嫌なことがあったり、うまくいかなかったりしたときに、強く怒りを感じてしまいやすいと言えます。
大切なことは、その怒りに対してうまく対処していくことです。
怒りを感じるたびに周りにぶつけたりしていては、職場に居づらくなってしまったり、自分で自分を生きづらくしてしまう可能性があります。
そのため、自分にあった気持ちの切り替え方法を見つけ、実践していくことが大切です。