あなたは、仕事をするときに、以下のような悩みを持ってはいませんか?
・仕事を始めた後でも携帯が気になってしまったり、座っていられず何度も席を立ったりしてしまう。
・なかなか仕事を進めることができず、締め切りのギリギリになってバタバタしてしまう。
こういった悩みは、発達障害の特性によるものかもしれません。
ASDを持つ方には、多くの場合好きなことには何時間でも集中することができる一方で、興味のないことにはまったく集中できないという特性があります。
ADHDの場合でも、気が散ってしまいやすかったり、別の何かが気になるとにそちらに集中してしまう、といった特性があります。
そのために、やらなくてはいけないことであっても、重要なことであるとわかっているにも関わらず集中して取り組むことができないため、うまくいかなかったり、叱られてしまうという方もいるのではないでしょうか。
興味のあることなら集中できるが、興味のないことは集中できないというのは、ある程度は誰にでもあることです。
発達障害を持つ人の場合はそれがとても極端に出てしまうのですが、なまじ障害を持っていない人にもわかる感覚であるがゆえに「気持ちの問題だ」「甘えている」と思われてしまうのです。
ひとつのことに集中できないという特性を逆に利用する!
発達障害を持つ人は、並行して作業を行なうのが苦手な傾向にあります。
ASDを持っていると、行動の優先順位をつけることが難しいため、どのタスクから手を付ければいいのかわからず、パニックになってしまいます。
ADHDの場合には、注意の切り替えが苦手なため、過集中してしまうこともあれば、思い付きで別の行動を始めてしまうこともあります。
しかし、あえて複数の作業をすぐに始められるように準備しておくことを有効に使うという方法があるのです。
それは、作業に優先度をつけず、飽きたら違う作業に移るという方法です。
この方法は、ひとつのことはあまり進まなかったとしても、全体的に見れば自分が抱えている作業を進めていくことができます。
この方法でやっていると、Aの作業を行なっているときに、急にBの作業のいい考えが浮かぶかもしれません。
そのため、AとB、両方の作業に使う資料やファイルをすぐに使えるように用意しておくことで、スムーズに双方の作業を進めていくことができます。
症状の出方によっても向き不向きがあるので誰にでもオススメ、というわけではありませんが、ひとつの作業に集中できずに悩んでいる、という方は参考にしてみてください。
時間ではなく、進捗で区切って休憩を入れる
複数の作業を受け持っており、そのいずれも期限に余裕があるのであれば“飽きたら次”という方法で作業を行なうことができますが、ひとつの仕事に集中して取り組まなくてはならないときもあるでしょう。
そのようなときには、ある程度仕事に区切りをつけて休憩をとり、メリハリをつけることが大切です。
ここで注意が必要なのが、「15時になったら休憩を取る」というように、時間で設定しないということです。
時間で休憩を設定してしまうと、集中力が途切れてしまった場合でも、その時間までダラダラとしてしまいやすくなります。
そこで、「ここまでやったら休憩」というように、仕事の進捗で区切りをつけるようにすることで、より有効に時間を使いやすくなります。
また、休憩の時間にコーヒーを飲むなど、わかりやすく自分へのご褒美を用意することで、モチベーションが保ちやすくなります。
ほかにも、これは職場で許可が出るならですが、音楽を聞きながら仕事をすることも効果的です。
まとめ
発達障害の特性として、ひとつのことに集中できない、気が散りやすいというものがあります。
仕事に集中できずに困っているという人も少なくないと思いますが、そんな人は、あえて複数の仕事を並行して行うという選択もあります。
ひとつの作業に飽きたら別の作業に移る、という方法のほうが、全体的に仕事を進めていくことが出来る場合もあります。
また、「ここまで終えたら休憩」と、仕事の進捗で細かい目標を設定して取り組むと効率よく仕事を進めることができます。