女の子がかかりやすいと言われている“レット症候群”。
レット症候群は難病に指定されている精神疾患であり、発達障害のひとつに分類されます。
生まれたときは健康な子と変わりがありませんが、生後6ヶ月くらいから言葉の発達が止まったり、ものに興味を示さなくなるなど、レット症候群の症状が見え始めます。
なぜ発症はほぼ女の子なのでしょうか?
今回はそんなレット症候群の原因と治療法、助成制度についてまとめてみました!
目次
レット症候群の原因は?なぜ発症はほぼ女の子?
レット症候群は遺伝子の異常により発症することが近年、わかってきました。
しかし、両親や家系から遺伝するわけではなく、遺伝子の突然変異によって発症すると考えられています。
人の性別は性染色体によって決まります。
女の子の場合、母親と父親のX染色体が対になり、(XX)になります。
男の子の場合は、母親のX染色体と、父親のY染色体で対になり、(XY)になります。
レット症候群の原因である、「MECPS」という遺伝子は、X染色体の中に存在するため、X染色体を2つ持つ女の子のほうが発症の確立が高くなるというわけです。
また、X染色体が2つあると、過剰な情報の遺伝を防ぐため、どちらか一方のX染色体の遺伝情報に絞られます。
そのため、レット症候群であっても、症状が軽い人もいれば、重い人もいるのです。
レット症候群の治療法は?
レット症候群の根本的な治療は、まだ確立されていません。
なので、レット症候群の方に対しては、症状をケアするということを目的に治療を進めていきます。
例えば、けいれんに対しては抗けいれん薬を服用したり、言葉に対しては言語療法、運動に対しては理学療法などを行ないます。
背骨が曲がってしまったらコルセットを着用して姿勢の維持を行なうなどひとつひとつの症状に対応してきます。
レット症候群の補助制度
レット症候群は原因もわからず、治療法も確立されていないため、難病に指定されています。
そのため、医療費の助成制度が設けられています。
難病法では、患者の医療費の負担金は2割が上限となります。
ですが、指定難病の患者さんであっても症状が軽い場合は助成を受けられません。
難病法では、症状の重症度がポイントになってくるのです。
レット症候群は、小児慢性特定疾病にも指定されています。
小児慢性特定疾病の医療補助制度が受けられるのは、18歳以下の方です。
この制度では、医療費の自己負担額の一部の助成を受けることができます。
レット症候群原因と治療法まとめ
レット症候群の原因となる遺伝子はX染色体の中にあるため、女の子の発症する確率が高くなるのですね。
レット症候群を根本的な治療法はまだ確立されていないため、症状をケアするというかたちになります。
継続したケアが必要になり経済的負担がかかりますが、レット症候群の場合、助成制度を受けることができるので、一度、保健所などに相談してみるとよさそうです。