あなたは「ほめ日記」を知っていますか?
「ほめ日記」は、自分で自分をほめる日記のことで、自分の個性やクセを知り、良いものは伸ばし、マイナスなクセを修正して、自分の中に隠れている能力や感情・感性などを表面化させることができます。
あなたも「ほめ日記」で、自分の可能性を発見して、最高の人生を創造する力に繋げてみませんか?
第4回は、「自分を複眼で見る練習」の続き、「引きこもりからの脱出!生身の感情がよみがえった」を解説していきます。
目次
引きこもりからの脱出!生身の感情がよみがえった
今回は、40代・男性Nさんについて。
いじめにあっているわけでも、勉強が嫌いなわけではなく、特別な理由はないけれど、学校へ行くことが苦しく嫌でした。
好きだったのは“考えること”で、一人で心理学や宗教の本を読んでいるときが最も落ち着いていられたという、個性的な子どもでした。
大学は「悟りを開いて死ねたらいい」という思いから中退し、その後、禅寺に入り3年間修業。
社会に戻り就職したあとも、Nさんは飲み会や忘年会などの付き合いを避けて過ごしました。
人間関係が面倒ではなさそうな会社に転職し、その後、結婚。
子どもが生まれて2、3年したころに同僚との関係がうまくいかずに退社すると、一つの会社に長く勤めることが難しく、逃げるように仕事先を変え、心身共に疲れ果ててしまったNさん。
ついには、うつ病で入院するほどの状態になり、起き上がるとめまいがする症状がおさまらず、毎日寝て過ごす“引きこもり”のような状態に。
追い打ちをかけるように、夫婦関係も険悪になる一方でした…。
Nさんは、「病気を治すとか夫婦関係を回復させるということより、「生きていく意味をつかみたい」という宗教的な救いを求めて、「ほめ日記」の講座に参加されました。
目の前の現実的な問題よりも、形而上の答えを求める…どこまでも修行僧的なNさんでしたが、講座をきっかけに「ほめ日記」を書き始めました。
子どもの頃から理屈をこねくり回して、考えすぎて訳が分からなくなることが多かったNさんは、自分や他人のことも理屈に当てはめてしか見ることができませんでした。
Nさんが「これが共感ということなんだ」と相手と自分の一体感のようなものを感じられたのは、「感覚を目覚めさせるフィーリング・トレーニング」(身体の心地よい感覚や生命の感覚を呼び覚ますトレーニング。感覚に集中し、命の本質と繋がり本来の自分を取り戻す)を、受けてからのようでした。
それまでのNさんは、自分のことが分からない、だから相手のことも分かるはずがない。
そのため、自分が主張したいこともうまく伝えられないし、我慢をを続けた挙句、爆発させて逃げてしまうことの繰り返しでした。
自分の気持ちを殺して生きているのですから、自己尊重とは真逆ですね。
今のNさんは、「自分の主張はするけれど、そこに執着しない、というところまで成長できた」という実感があるそうです。
では、Nさんの「ほめ日記」と、「ほめ日記」を書くにあたって気をつけたポイントをご紹介します。
Nさんの「ほめ日記」一例
- 仕事のことで3人と打ち合わせ。疲れることもなく意見を言えてるね。すごいよ。
- 苦しい時期も仕事を投げ出さずにやってきて本当に偉かった。だから今があるんだよ。
- 〇〇さんに親切な言葉を言えた。思ったままを言えるようになったんだね。
- 家に帰って皿洗いを率先してやったよ。素晴らしいよ。
- 人とは違う価値観もOKと思える。深く大きくなった感じだ。
- 少しネガディブになっても、そんなことがあってもいいじゃないか、ちゃんと生活しているじゃないか、って思ってる。これがすごい。
- 若者の引きこもりの支援をしたいと思っている僕は、前向きでいいよ。僕の経験を活かせるに違いない。良い生き方を目指しているじゃないか
Nさんの「ほめ日記」ポイント
外出先でメモ、自宅でノートに
書く時間がない、昼間これをほめようと思っても夜になると忘れてしまうことは「ほめ日記」実践者からはよく聞かれます。
大切なのは「習慣がつくまでは投げ出さない」こと。
Nさんのように、思いついたときに携帯電話のメモ機能に入れておき、自宅でノートにまとめてみてください。
ただし、メモすることを忘れても、気にしすぎず、思い出したときに書くうちに習慣になればいいのです。
要は、「自分の人生を悔いなく生きたい、ほめ日記はその第一歩」と思うことです。
ノートに手書きで書く効用
手書きは前頭前野の血流を良くし、活性化させます。
逆にパソコンやIT機器などを使うと血流を悪くしてしまうことが脳の研究で分かっています。
だとしたら、手書きしないともったいないですよね。
夫感情、夫体感からの回復
Nさんのように、「ほめ日記」と「感覚を目覚めさせるフィーリング・トレーニング」を実践することで、徐々に自己肯定感が高まり、妻や子どもをいとおしく思う感情、自分をいとおしく思う感情が芽生えたそうです。
足を動かしたり、手をぶらぶらさせることで、自分自身の身体と命に感謝の気持ちを得られるはずです。
次回、嫌いだった自分を好きに…!「自分を肯定する脳回路」づくり、へ続く