あなたはどんな家庭で育ちましたか?
そう聞かれても、すぐに答えられる人は少ないのではないでしょうか。
そのくらい、家族というものはデリケートでその形もさまざまです。
「うちの家族、もしかして問題があるのかも…」
「いまの家族(家庭)から逃げ出したい…」
家族に対してそう感じているようなら、あなたの家は「機能不全家族」なのかもしれません。
今回は、アダルトチルドレンに深く関わる「機能不全家族」について詳しくみていきます。
前回までの記事↓
アダルトチルドレン(AC)とは?① ~子どもの頃のトラウマが原因…!アダルトチルドレンの症状と原因~
アダルトチルドレンとは?② ~6つのタイプとアダルトチルドレン度チェック~
機能不全家族とは?
機能不全家族とは、
家庭が崩壊していたり、家族が家族としての機能をはたしていないこと。
を指します。
家族間に緊張状態があったり、家族の誰かが別の自分を演じなければいけなかったり、被害者または加害者になっている場合のことです。
機能不全家族で育つと、子どもにとってはそれが当たり前なので、大人になって社会にでたときに周りの人とうまく関係が築けなかったりします。
幼少期に親から愛情を受けられなかったために、自己肯定感が低かったり、他者への共感ができない、相手の気持ちを考えられない大人に成長してしまうこともあります。
家庭不全家族の例
- 親が依存症(アルコール、ギャンブル、薬物など)
- 親が精神的に不安定
- 家庭内で虐待、暴力、ネグレクトがある
- 両親の仲が悪い
- 親が子どもに関心を持っていない
- 兄弟と比較されたり、ばかにされることが頻繁にある
- 親が過干渉である
- 親の言いなりになっている
- 親が子どもに過度の期待を抱いている
子どもは親なしでは生きていくことができません。
そのため、子どもは親に愛されるために、親の意向に合わせていかなければなりません。
このような状態が続くと、子どもはだんだんと自分の意志がなくなったり、感情を持てなくなってしまうのです。
また、こういった環境で育った子どもたちは将来、高齢となった親に復讐をしたり、自分の親に限らず老人に対して虐待をするようになってしまうこともあります。
アメリカのセラピスト、クリッツバーグは、機能不全家族の特徴を次のように表現しています。
- 強固なルールがある
- 強固な役割がある
- 家族に共有されている秘密がある
- 家族に他人が入り込むことへの抵抗が強い
- 家族の成員にプライバシーがなく、個人のあいだの境界があいまいである
- 家族への忠誠が強いられていて、家族から去ることが許されていない
- 家族の間の葛藤は否認され、無視されている
- 変化に抵抗する
- 家族は分断され、統一性がない
機能不全家族から抜け出すためには?
まずは、親と離れることが一番です。
一緒に住んでいるのなら、家を出ましょう。
それが厳しいようならできるだけ顔を合わせず、話す機会も減らしましょう。
学生なら児童相談所に相談するのも一つの手段です。
親が逆上したり危険だと感じた場合は、警察や公的機関に相談しましょう。
できることなら親とは完全に縁を切ってしまい、自分の身を守るべきです。
そして、親に愛情を求める気持ちと恨む気持ちも捨てましょう。
一番怖いのは、機能不全家族の連鎖です。
自分が暴言や虐待のある環境でそだったため、自分も将来のパートナーや子どもに対して暴言を吐いたり、暴力をふるってしまうおそれがあります。
暴力や虐待が普通の家庭で育ったため、それが「普通の家族」だと思い込んでしまいます。
この「負の連鎖」を食い止め、生きやすくなるために、機能不全家族からの脱却を考えてみましょう。
過去を悔やんでも過去は変えることができません。
自分がアダルトチルドレンであること、そして自分の過去を受け入れることが、克服への第一歩です。
参考:
日本トラウマ・サイバーズ・ユニオン,機能不全家族,https://www.just.or.jp/?terminology=000775