これまで、アダルトチルドレンの症状や原因などをみてきました。
前回までの記事↓
アダルトチルドレン(AC)とは?① ~子どもの頃のトラウマが原因…!アダルトチルドレンの症状と原因~
アダルトチルドレンとは?② ~6つのタイプとアダルトチルドレン度チェック~
アダルトチルドレンとは?③ ~機能不全家族で子どもが育つと起こること~
アダルトチルドレンは精神疾患ではないものの、二次的に精神疾患が発症する恐れがあります。
今回は、アダルトチルドレンの二次的障害、そして克服方法を詳しくみていきます。
目次
アダルトチルドレンの二次的障害
アダルトチルドレンの人は、以下のような問題を抱えやすくなります。
- 摂食障害
- うつ
- 不安障害
- ひきこもり
- アルコール依存症
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
上記のような二次的な精神疾患があらわれたら、医療機関の協力が必要です。
精神科やメンタルクリニックへ相談・受診してみましょう。
アダルトチルドレンと分かっているだけなら、医学的な取り組みは不要です。
アダルトチルドレンの克服方法は?
アダルトチルドレンの方は、親に合わせ自分を消していたため、自分の意志や考えを持てずにいます。
アダルトチルドレンを克服するためにまずは、自分がアダルトチルドレンであることを認め、過去も受け入れることが大切です。
過去をみつめる
まずは、過去に起きた事実を認め、過去の自分の感情を思い出しましょう。
思い出すのは、怒りや悲しみ、喪失感などネガディブなことばかりで、つらい作業になるかもしれません。
しかし、アダルトチルドレンを克服するためのきっかけとしてはとても大切です。
家族に問題があったなら、当時、その家族に面と向かって言えなかったこと、口にしたくてもできなかったことなどを、信頼懿できる人の前で口にしてみましょう。
また、出すつもりのない手紙を親に向けて書くのもいいでしょう。
アダルトチルドレンの人は、子ども時代に深く傷ついた経験をしているのに、その自覚がないまま育っている場合があります。
それは、本来の自分を見失っているということです。
親宛ての架空の手紙を書くことで、自分がどれだけ傷ついていたかを認識できます。
当時、親に対して言いたかったこと、伝えたかったことを書ききってリセットしてみましょう。
このステップは、責任転嫁することが目的ではありません。
過去の経験を振り返り、「自分がどういう感情でいたか」に気づくことが大切です。
自分を好きになる
アダルトチルドレンの人は、自己肯定感が低いという特徴があります。
これは、子どもの頃、親から条件付きの愛情(いい成績をとらないと褒めてもらえないなど)しか受けられなかったことなどから、自分に自信を持てずにいるためです。
しかし、本来は何もしなくても愛されていいのです。
「何か条件を付けなくても自分は愛される存在」と自信をつけていきましょう。
また、自己肯定感が低いために、「自分を出したら嫌われてしまう…」と思いがちですが、そんなことはありません。
自分らしさをどんどん出していきましょう。
一日一回、自分を褒めるという習慣を作るのも効果的です。
「自分から挨拶できた」など小さなことでも大丈夫です。
自分で自分を認めるために「褒める」「褒められる」を習慣にして自分に自信をつけていきましょう。
感情をおもてに出してみる
今まで、感情を出すことができなかったというのがアダルトチルドレンの特徴です。
ですが、親と離れたことで感情を出し、その感情を味わってみましょう。
考え方の偏りに気づく
アダルトチルドレンの方は、何でも悪いほうに考えがちです。
悪いほうにばかり考えてしまうと、今のつらい状況からなかなか抜け出すことができません。
「自分の考え方には偏りがある」、「考え方に癖がある」ということを自覚しましょう。
そして、物事に対して一つの考えだけでなく、いろいろな視点から見て考えられるようにしましょう。
必ずしも、物事を白か黒かで決めなくてはいけないわけではありません。
グレーな部分があっても大丈夫です。
考えにゆとりも持ってみましょう。
カウンセリングを受ける
アダルトチルドレンを克服したくても、一人では難しいこともあります。
その場合は、臨床心理士などのカウンセリングを受けるのも一つの手段です。
カウンセリングで話をしているうちに、だんだん癒されてくることや、冷静に自分を見つめられることがあります。
信頼できる専門家の元で話をしていれば、カウンセリングを受けることで気持ちが柔らかくなり、安心できます。
カウンセラーと一緒に回復を目指しましょう。
生きる上での技術を学ぶ
アダルトチルドレンから立ち直るために、相手の権利や要求を尊重し、意見や要求を相手が受け取りやすいようにコミュニケーションする方法を身につけましょう。
自分の感情を認めて表現し、助けを求めます。
助けを求めることで、アダルトチルドレンの問題に向き合い、解決していきます。
自分の気持ちを表現するだけでなく、相手の話を聞くことも大切で、必要に応じて交渉しましょう。
前もって限度を設定して、その限度の範囲外の物事には「ノー」と言います。
アダルトチルドレンの人は、言いたいことが言えず、相手の要求ばかり飲み続ける受動的な態度が見受けられます。
相手を尊重するのはいいことですし、頭から否定するより、尊重しようとする姿勢は人間関係の不和を回避し、良好にします。
しかし、自分の感情を押し殺してばかりいてもバランスが悪く、ストレスになっていくばかりです。
一番いいのは、お互いが尊重しあえること。
真向から否定ばかりするのではなく、お互いに気持ちよくやり取りができるくらいの自己主張を目指しましょう。
参照:
アダルトチルドレン: 生きづらいと感じるあなたはアダルトチルドレンかも?アダルトチルドレンの特徴と強みを解説 Kindle版, 飯沼 彩,2021/10/18