2018年に放送された「グッド・ドクター」というドラマをご存知ですか?
主人公の小児外科研修医が「サヴァン症候群」ということで話題になったため、何となく名前は聞いたことがある…という方もいるのではないでしょうか。
今回は、そんな「サヴァン症候群」の特徴を詳しくみていきます。
目次
サヴァン症候群とは?
サヴァン症候群とは、
知的障害や自閉症スペクトラムなどの発達障害などがある人の中で、ある特定の分野に対して突出した能力を持っている人や症状を指します。
例えば…、
など。
サヴァンとは、フランス語でsavant。
日本語に訳すと「賢人」「学者」「博学」などの意味を持っています。
サヴァン症候群の人は、上記のように卓越した能力・才能を持っていますが、単純な計算や周囲とうまくコミュニケーションをとることが苦手、という一面もあるようです。
また、サヴァン症候群は、自閉症の方の中では約10%に見られ、その他の疾患の中では約0.1%に見られます。
女性よりも男性に多く見られるのも特徴です。
有能サヴァンと天才サヴァン
サヴァン症候群には、「有能サヴァン」と「天才サヴァン」と呼ばれる2つのタイプがあります。
有能サヴァン
有能サヴァンは、本人の全体的な知的発達レベルに比べて、ある分野の能力だけが突出している状態のことを言います。
本人の中でその能力が際立っていても、それが世間的にみて秀でているというわけではありません。
天才サヴァン
有能サヴァンと同様、ある分野に対して突出した能力を発揮しますが、世間的にみてもかなり優れた能力がある状態を指します。
天才サヴァンは文字通り驚異的な能力であることが特徴で、全世界的にみても珍しく、100人程度の人しかいないと言われています。
サヴァン症候群の特徴
サヴァン症候群の中でも、その能力はさまざまあります。
計算能力
難関な計算が素早くできます。
例えば、「○年○月○日は何曜日?」といったカレンダー計算が、計算によって「×曜日」と素早く答えることができる人が多くみられます。
記憶力
本や映画のセリフなどの膨大な量のものを、一度読んだだけで完璧に覚えることができます。
また、短い時間で円周率を暗唱したり、記憶した記述を逆から読み上げたりできます。
しかし、記憶した内容を理解しているとは限りません。
芸術的能力
一度見ただけの記憶で、かなり鮮明な絵を描ける人がいます。
例えば、動いている動物をみて筋肉の様子をデッサンできたりします。
音楽的能力
音楽の教育を受けたことがなくても、一度聞いた楽曲を完璧に再現できたりします。
知覚的能力
10か国語など、複数の言語を自由に操ることができます。
天才サヴァンと呼ばれる人は、上記のような脳力を1つ、もしくは複数発揮することがあります。
しかし、記憶能力にとても優れており、今まで読んだ何千冊という本の内容をすべて暗記していて、コンピューターのような脳を持っていると言われていたそうです。
サヴァン症候群の特徴まとめ
サヴァン症候群と一口に言っても、さまざまな人がいるため、全ての人が突出した能力を持っているわけではありません。
サヴァン症候群の人は、「天才」と称されることもあります。
それぞれの分野で活躍し、名を残した人もいます。
しかし、ベースに何か知的障害や発達障害を持っているため、本人は生きづらさを感じていることもあります。
サヴァン症候群を正しく理解し、過剰な期待をかけて追いつめない、などの配慮も必要と言えるでしょう。