クレランボー症候群とは、フランスの精神医学師クレランボーさんにちなんで名づけられました。
いわゆるストーカー行為のようなものです。
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クレランボー症候群とは?
クレランボー症候群とは、相手は自分のことを愛していると勝手に思い込み、付きまとったり、待ち伏せしたりする人のことを言います。
これらの妄想には、まったく根拠はありません。しかし、相手は自分を愛しているという強い確信を持っていて、それは揺らぐことはありません。
ストーカーやパーソナリティ障害にとても近い症状と考えられています。
「あなたのことは愛していない」ということを伝えても、本人はなかなか受け入れられず、「これは妄想だ」と気付かせることはかなり難しいとされています。
男女共に発症しますが、女性の割合が高いと言われています。男性が発症した場合、犯罪行為に繋がることが多く、注意が必要です。
クレランボー症候群の具体的な症状は?
- 「自分は愛されている」「相手は自分なしでは幸せになれない」など、強い妄想を抱く
- 監視する、待ち伏せをする
- 何度も電話を掛ける
- 情緒が不安定で感情的になりやすく、暴力をふるうこともある
- 「あなたのことは愛していない」と伝えても、本人はそれを受け入れられない
- ストーカー行為をしても罪悪感や自覚がない
最初のころは、「相手は自分に好意を持っている」という妄想だけですが、相手からの連絡が途絶えたり、他の人と交際しているのを目撃すると「誰かが自分たちの仲を引き裂こうとしている」などと思い始めます。
その後、徐々に苛立ちや憎しみが態度にあらわれるようになり、暴力行為に出ることもあります。
本人は障害であるという自覚がないため、カウンセリングなどで改善していくことは難しいです。
この妄想は何年も続くことが多く、別のターゲットを見つけない限り、終わりません。
クレランボー症候群、そもそもの原因は?
欲求不満が原因と考えられています。クレランボー症候群の人は、自分よりも地位の高い人に恋愛妄想を抱くケースが多いそうです。
その理由としては、自分より地位の高い人と結ばれることで精神的な充実感を得たいという心理があるようです。また、気分障害などの精神障害との複合型である場合も多くあります。
クレランボー症候群の治療法は?
クレランボー症候群の人は、自分の妄想が絶対であると思っているため、まわりの人が話をしても効果が出ず、カウンセリングをしても医師を敵と考えてしまうため効果は期待できません。
そのため、抗精神病薬などの薬で症状の改善を目指すべきです。また、本人は自分を異常だと思っていないため、治療には家族や周りの人のサポートが必要不可欠です。
暴力行為をふるって来たり、危険な場合は入院が必要になります。
クレランボー症候群、重症になると犯罪行為に出ることもあり、とても深刻な疾患と言えます。はやめの治療を心がけましょう!