子どもでも統合失調症を発症してしまうことはあります。
ですが、最初はその症状がわかりにくいため、発見が遅れてしまうことがよくあるようです。
今回はそんな小児統合失調症についてまとめてみました!
目次
小児統合失調症とは?
統合失調症は大人の病気と思われがちですが、子どもでもかかることがあります。
子どもの場合、急に発症するのではなく、半年~数年かけてゆっくり発症するため、周りからは気付かれにくいというのがあります。
統合失調症発症の前兆として現れる症状も不登校や、問題行動を起こす、チックなど、いわば反抗期で済まされてしまうようなことだったりします。
そのため、統合失調症であると気付かれず、発見が遅れてしまうことがあります。
多くの場合、統合失調症は10代後半~30代くらいまでに発症します。
そのため、10歳以前発症するということは稀ですが、中学生のときに発症してもそれは決して稀なものではありません。
一般的に、発症年齢が低いほど、のちに重症になってしまうことが多いため、早めに治療を受けることが大切です。
統合失調症の主な症状は・・・?
統合失調症には、「陽性症状」と「陰性症状」の2つがあります。
陽性反応
実際には起こっていない幻覚が見えたり、悪口などの幻聴が聞こえたりします。
「誰かに監視されている」、「自分の考えが周りに漏れている」などと思いこんでしまう妄想などの症状も見られます。
周りからすれば「何を言っているんだろう?」という感じかもしれませんが、本人にとってはその幻聴・幻覚などがかなりリアルに感じられるため、常に恐怖や不安を感じている状態です。
陰性反応
何ごとに対しても意欲がわかない、何も手につかない、感情表現が乏しくなるなどの症状が見られ、表情に動きがなく、ぼーっとしているような印象を受けます。
また、思考力が低下し、判断力が鈍くなります。
人との関わりを避けるようになり、引きこもってしまうことも。
子どもが統合失調症を発症してしまう原因は?
入学、卒業、転校、両親の不仲や離婚などのストレスが複雑に重なり合うことで発症すると考えられています。
また、親が統合失調症であると、その子どもの統合失調症の発症率は高くなります。
統合失調症は脳の病気です。
親の子育てが悪かったというわけではありません。
小児統合失調症の治療法は?
まずは、子どもの話をしっかりと聞いてあげることが大切です。
「何言ってるの」「おかしいよ」などと言われ、無理やり病院に連れて行かれると、子どもの不信感が増し、親子の関係が悪化してしまうかもしれません。
否定せずに、一通り話を聞いてあげましょう。
そのほうが、「自分の話を聞いてもらえた」と思い、病院に行くのを同意してくれる可能性が高くなります。
精神科を受診しつつ、地域の福祉センターや保健所などに相談をするのもいいかもしれません。
統合失調症の治療としては、薬物療法が基本になります。
主に抗精神病薬を用いて、幻覚や妄想などの症状を和らげていきます。
また、本人とその家族に対して心理療法も併せて行なうとより効果的です。
本人とその家族も統合失調症について、正しい知識を持って治療に取り組むことが有効とされています。
統合失調症はすぐに治るものではありません。
ゆっくりと時間をかけて治療を進めていきましょう。
小児統合失調症のまとめ
統合失調症は、主に10代~30代で発症すると言われているが、10歳以下で発症することもあります。
発症の前兆としては、不登校、問題行為などがありますが、反抗期として見落とされがちです。
少しでも気になることがあれば、早目に治療を受けることが大切です。
まずは子どもの話を否定せずにしっかりと聞いて、信頼関係を築きましょう。
サポートする側も統合失調症の正しい知識を持って接することが大切です。