日本人は睡眠に対してなにかしら問題を抱えている人がかなり多いと言われています。
このストレス社会で、不眠症の人は年々増加傾向にあります。
目次
不眠症とは?
不眠症は、睡眠障害の一種です。
誰しも「眠ろうとしてもどうしても眠れない」という不眠体験をもっていると思います。
心配事がある時、試験前日、旅行先など…、さまざまな原因がありますが、通常は数日から数週間のうちにまた眠れるようになります。
しかし、時には不眠が改善せず1ヶ月以上にわたって続く場合があります。
不眠が続くと日中にさまざまな不調が出現するようになります。
倦怠感、意欲低下、集中力低下、抑うつ、頭重、めまい、食欲不振など症状は多岐にわたります。
このように、
- 長期間にわたり夜間の不眠が続く
- 日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が低下する
この2つが認められたとき不眠症と診断されます。
日本では、約5人に1人が「睡眠で休養がとれていない」「何らかの不眠がある」と回答しています。
また、60歳以上の方では、約3人に一人が睡眠問題で悩んでいると言われています。
もはや、現代を代表する病気とも言えます。
不眠症は、20代~30代から始まり、年齢とともに増加します。
また、男性よりも女性に多くみられます。
不眠症は、本人の感覚によって診断されるもので、「睡眠が〇時間以下だと不眠症」という定義はありません。
そのため、いくら睡眠が少なくても、本人が支障を感じていなければ、それは不眠症ではありません。
睡眠がとれず、そのせいで日常生活に支障が出て困る、と本人が感じている場合は不眠症と言えます。
不眠症の主な4つのタイプ
不眠症は、以下の4つのタイプに分けられます。
入眠障害
- ふとんに入ってもなかなか眠ることができず、30分~1時間以上寝つくことができない
一般的に、入眠するまでの時間は30分以内と言われています。
「全然眠れない」と不眠を訴える人で多いのがこの入眠障害で、精神的な問題を抱えているときや、不安や緊張が強いときに起こりやすいと言われています。
中途覚醒
- 夜中に何度も目が覚めてしまう。一度、目が覚めるとその後、なかなか眠りにつけない
日本人の不眠では、この中途覚醒を訴える人が一番多いと言われています。
年齢別にみると、中途覚醒を訴えるのは中高年から高齢者が多いようです。
早朝覚醒
- 朝早く目が覚めてしまう(いつもの時間、または予定時間の2時間以上前)
その後、なかなか眠りにつけない
歳をとると体内時計のリズムが前に崩れやすく、早寝早起きになります。
そのため、早朝覚醒は高齢者に多くみられます。
また、早朝覚醒はうつ病で認められることが多くあります。
熟睡障害
- 眠りが浅く、たくさん寝ても寝た気がしない
寝たはずなのに、疲れがとれない、眠った気がしないのが熟睡障害です。
寝ている間に途中で息が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」や、寝ている間に足が動く「周期性四肢運動障害」など、睡眠中に症状がでる病気を伴っている可能性があります。
不眠症の特徴まとめ
「十分な睡眠がとれずに困っていて、そのせいで日常生活に支障がでる」ような状態が1か月以上続く場合、不眠症と考えられます。
大事な日の前日であれば、ドキドキしたり緊張したりで、眠れないということは誰にでもありうることです。
数日のみ眠れないということはよくあることですが、病気や仕事、家族間でのトラブルなどによって眠れない日々が数週間続くと、それは不眠症に繋がってしまうかもしれません。
「仕事に集中できない」「疲労感が抜けない」など、困っていることがあれば早めに病院に行って相談してみましょう。
参考:
三島和夫,不眠症,e-ヘルスネット, https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html,厚生労働省,(2021)