強迫性障害とは、自分の意志とは反対の不安が浮かんで頭の中から消すことが出来ず、その不安を消すために意味のない行為を繰り返してしまう精神疾患です。
強迫性障害によって、日常生活に支障がでたり、周りの人を巻き込んでしまうことがあります。
本人もやめたいと思ってるのにやめられない、そんな苦しい病気です。
目次
強迫性障害とは?
「何度も手を洗う」「何度も戸締り確認をする」など、自分でも意味のないことだとわかっている行為なのにどうしてもやめられない・・・それが強迫性障害です。
症状は様々で、かなり強いこだわりがあるというのもこの疾患の特徴です。
ですが、「そういう性格の人」とか「自分はこんな性格だからしょうがない」と思って、病気だと気が付かないことが多いのも現状です。
強迫性障害は100人あたりに2,3人の患者がいると言われていて、決して珍しい病気ではありません。
10~20代で発症することが多いようです。
自分でもわかっているのに・・・
本人も無駄だとわかっているのに、どうしてもそのことを頭から引き離すことができません。
このような頭からどうしても離れない考えを強迫観念と言います。
強迫観念から、不安が高まり行なった行為のことを強迫行為と言います。
強迫観念から強迫行為を行なうようになり、強迫行為を行なったことでより不安が強くなるといった悪循環に陥ってしまいます。
強迫性障害の主な5つの症状
1.不潔恐怖
- 電車・バスなどの手すりにつかまれない
- 外から帰ってきたら必ずシャワーを浴びて着替えないと気が済まない
- トイレの後は何十分と手を洗い続ける など
外はバイ菌だらけなので、何度も洗わないと汚れが取れないという強迫観念に襲われ、長時間洗浄行為を繰り返します。
洗剤を使って何度も何度も洗うことによって、手や肌が荒れてしまいます。
2.加害恐怖
- 自分のかばんや傘が、誰かにぶつかって怪我をさせていないかと不安になり、何度も振り返ってしまう など
自分の不注意のせいで誰かを傷つけたり、怪我をさせてしまってはいないかという不安が頭から離れません。
また、自分が衝動的な行動に出て、何かとんでもないことをやらかすのではないかと、実際には犯していないのに罪の意識にとらわれて苦しんでしまうこともあります。
これらの不安から、人ごみを避けたり、外出自体が出来なくなってしまうこともあります。
3.確認行為
- 鍵を閉めたか、忘れ物がないか、電気をちゃんと消したかなど、不安になり何十回も確認する
- 病気ではないかと不安になり何度も検査を受ける など
家を出るのに何十回と鍵の確認をするのに、出発してからもまた不安になってしまい、家まで引き返してまた鍵の確認をします。
何度確認してもこの不安は消えず、家族に確認を求めるようになって周りの人を巻き込んだり、確認作業に疲れてしまって結局外出できないということがあります。
また、自分が病気ではないかと不安になり、病院で検査を受けます。
そこで異常なしと言われても暫くするとまた不安になってきて、また検査を繰り返します。
4.儀式行為
- 家事や仕事など毎回決まった順序でやらないと気が済まない など
いつもと同じように正しい順序でやらないと何か不吉なことが起こるといった強迫観念があるため、やり方を気にするあまり、かなりの時間がかかってしまったり、臨機応変に対応できないといったことがあります。
5.強いこだわり
- 物の配置にこだわる
- 不吉な数字は避けたり、自分の好きな数字でないと何も手につかない
- 迷信や縁起によって一日の行動が左右される
- 言葉の意味が気になってしまい、本を読むのにかなりの時間がかかる
- いらない物でも「いつか必要になるかも」と心配でなかなか物を捨てられない など
こだわりが強いあまり、本来の目的が果たせないこともあります。
強迫性障害の特徴まとめ
本人も無駄だとわかっているのに、やめたいと思っているのにやめられない…そんな症状が強迫性障害です。
ですが、性格の問題と思われてそのままにされてしまうことも多くあります。
放置すると、悪化してしまうこともあるので早目に治療を始めると良さそうです。