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パーソナリティ障害とは?① ~生きずらさの原因は…?10種類のパーソナリティ障害とその特徴~
悪いことをしても罪悪感を感じない、ルールを守れないなどの特徴があるのが「反社会性パーソナリティ障害」です。
妄想性パーソナリティ障害の人は、人を信じられないながらも、信じようとする葛藤があり、それが執着行動に駆り立てますが、反社会性パーソナリティ障害の人は、頭の中に「信じる」という言葉がないかのような言動をします。
また、人を騙したり、利用することに対して良心の呵責を感じることがありません。
反社会性パーソナリティ障害とは?
反社会性パーソナリティ障害は、社会のルールを守れない、破ったことに一切罪悪感を感じないのが特徴で、「サイコパス」とも呼ばれます。
道徳心に欠けるため、人を騙したり、裏切っても平気です。
社会的規範や通念を軽視したり、無視することに、ある種の快感を覚えて、そこに自分の強さや存在を実感したりします。
反社会性パーソナリティ障害の特徴は?
反社会性パーソナリティ障害の特徴を一言であらわすと、
他人の権利を侵害する反社会的行為がある。自分の利益や快楽のための嘘。攻撃性(暴力)、無責任、良心の呵責の欠如など。
となります。
パーソナリティ障害の中で、B群(感情的で移り気、不安定。演技的な行動を取りやすい)に分類されています。
反社会性パーソナリティ障害は男性に多く、アメリカの調査での有病率は人口の約3%が男性、女性は約1%にみられるそうです。
主な特徴は、
- 社会のルールに従うことが出来ない
- 自分の利益のために人を利用する
- 急に攻撃的になる
- 行動が衝動的で無責任
- 周囲を気にかけない
- 口が上手
- 極度のナルシスト
- 危険な状況においても恐怖を感じない
- 薬物やアルコール依存などの問題を起こしやすい
- 表面的には魅力的だが、本当の友達はいない
など。
反社会性パーソナリティ障害の人のほとんどに、物質使用障害(物質の使用により問題が生じているにもかかわらず、その使用を続ける行為。アルコール、薬、カフェイン、大麻、幻覚剤、シンナー、コカイン、タバコなどの物質)がみられ、物質使用障害患者の約半数に反社会性パーソナリティ障害がみられます。
反社会性パーソナリティ障害は18歳以上の人でのみ診断されます。
反社会性パーソナリティ障害の人は、自分が言っていることは全て正しいと思っています。
周りとは違う発想力を持っているので、周りから慕われることもありますが、付き合いは表面上だけで、本当の友達と呼べる存在はいません。
しかし、本人はそのことを全く気にしていません。
自己愛性パーソナリティ障害の人の人は、「自分は特別だから、周囲の人が自分のために動くのは当然」という考え方をしますが、反社会性パーソナリティ障害の人は、単純に自分が楽しむために人を利用します。
時には、巧みな話術で周りを陥れることもあります。
仕事においても、ひとつの職場に落ち着けず、転々とする傾向があります。
反社会性パーソナリティ障害の人は、自己評価が高く、独断的で自信家だったり傲慢だったりしますが、望むものを手に入れるためには、感じよく、口がうまく、説得力があるように振る舞うことがあります。
反社会性パーソナリティ障害、いわゆる「サイコパス」は、一般的に社会の下層に分布する人のように考えられていますが、近年、他人を犠牲にしながらも社会的にうまくやっていく「成功したサイコパス」に分類される人たちが少なくない可能性が指摘され始めています。
例えば、組織のリーダー(社長)、上司、大学教授…など。
表面的には魅力があり、正常ですが、共感力が欠如しているため、自分の行為が人に与える心の痛みが全く分かりません。
また、良心の呵責がないため、部下や周囲にプレッシャーをかけ続けてしまいます。
反社会性パーソナリティ障害の特徴まとめ
反社会性パーソナリティ障害の人は、社会のルールを守らず、破ったことに一切、罪悪感を感じないのが特徴です。
良心の呵責も欠如しているため、他人を傷つけたり、他人の物を盗んだりすることにも無関心だったりします。
そのため、周囲の人は、その言動に困惑し、振り回されてしまいます。
参考:
パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか, 岡田尊司, PHP研究所,2004/5/31