強迫性障害とは、本人も「やめたい」「無駄だ」とわかっているのにやめられない、そんな疾患です。
では、強迫性障害を改善させていくにはどうしたらいいのでしょうか。
今回は治療法をまとめてみました!
目次
無理にやめさせようとしてもうまくはいかない!
何十回も繰り返す強迫行為を家族や周りの人はどう思っているのでしょうか?
本人の行動を目の当りにしている家族からすると、「早くやめさせたい」「いい加減にしなさい!」と思ってしまうかもしれません。
ですが、無理にやめさせようとしても逆効果になってしまいます。
無理に行為をやめさせても、本人の不安は解消されません。
むしろ、不安や、その行為をしなかったことによってなにか悪いことが起こるのではないかという恐怖が生まれ、本人はパニックになってしまいます。
または、強迫行為ができないことに怒りを感じ、暴力を振るうこともあります。
その結果、より強迫観念や強迫行為にこだわるようになってしまい、症状が悪化してしまうのです。
ここで大切なことは、本人のこの行動は病気の症状によるもの、ということをしっかり理解しておくことです。
早めに病院を受診しよう!
症状が悪化する前に、早目に病院を受診しましょう。
適切な受診科として、精神科・精神神経科、心療内科が挙げられます。
精神科・精神神経科は心の病気を専門にしているところで、心療内科は心の問題によって引き起こされている身体症状を扱っています。
どちらも、強迫性障害の治療を受けることができます。
基本的には、週に1回くらいのペースで通院して治療をしていきますが、強迫性障害の症状が重症の場合は、入院したほうがいいかもしれません。
治療法は主に、薬物療法と認知行動療法が使われます。
認知行動療法
問題となっている行動のもととなっている考え方のゆがみを指導者とともに修正していく治療法です。
例えば、何度も玄関の鍵をかけたか確認してしまう場合、なぜそのように不安を感じてしまうのか、その根源の不安を解消していきます。
一度鍵をかけたことを確認すれば大丈夫という考えのもと、実際に一回だけの確認で不安でも家を出るようにしてみる、というような実験を繰り返して「何度も確認しなくてもいいんだ」と、少しずつ慣れていきましょう。
薬物療法
強迫性障害の治療には主にSSRI“Selective Serotonin Reuptake Inhibitors”の略で、選択的セロトニン再取り込み阻害薬という、抗うつ薬の一種が用いられます。
SSRIはセロトニンを減らさないようにする作用があり、強迫症状を抑える効果があります。
ですが、即効性はないため、効果が出るのに約2週間~1か月くらいはかかると考えておくといいでしょう。
残念ながら、服薬を続けても効果がでないこともあるようです。
薬物療法は認知行動療法と併用することで、より高い効果が見込まれます。
強迫性症害治療法まとめ
周りの人が心配してやめさせようとしたり、叱ったりすると逆効果になってしまうので注意が必要です。
症状が悪化してしまう前に病院に行き、治療を始めましょう。
強迫性障害はすぐに治るものではありません。
根気強く治療を続けていきましょう!