「ついカッとなって怒鳴って後悔…」
「怒りを抑えて苦しくなった…」
誰しも一度はこんな経験があるはず。
「怒り」で人間関係が壊れたり、仕事にも影響したり…何かと扱いづらい感情ですが、人間にとって必要な感情のひとつです。
大切なのは「怒り」に振り回されず、上手に付き合うこと!
「アンガーマネージメント」は、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。
アンガーマネージメントで人生をもっと楽に生きてみませんか?
第2回は、前回の「そもそも『怒り』ってどんなもの?」の続き、「『怒り』をうまくコントロールできないと損をする」を解説していきます。
目次
「怒り」をうまくコントロールできないと損をする
前回、「怒り自体は悪いものではない」という話をしましたが、他の感情と比べると強い感情のため、うまく扱うことができないと、仕事やプライベートでさまざまな不具合が起きてしまいます。
「怒り」を野放しにしてしまうと、どんなデメリットがあるでしょうか。
人間関係が壊れる
「バカじゃないの?」
「(料理がくるの)遅いんだよ!!!」
つい、カッとなって出てしまった暴言がきっかけで、ケンカをしてしまった。
相手を傷つけて疎遠になってしまった…。
このように、感情的になって自分の周囲の人間関係を壊してしまったり、後味の悪い思いをしたことはありませんか?
怒りは身近な人にほど強くなる傾向があると言われています。
そのため、怒りにまかせた言動によって、大切な人との関係を壊してしまったり、お店でクレームを言う時に、カッとなって感情的な言い方をして、そのお店に足を運びづらくなってしまうなどのケースがあります。
次に当てはまる人がいたら要注意です。
- 人に八つ当たりをして、嫌な思いをさせてしまったことがある。
- つい本音と違うことを言ってしまったことがある。
- 感情的になり、相手をやり込めたり、傷づけるようなことを言ってしまったことがある。
仕事に支障が出る
「何度同じことを言えば分かるんだよ、お前は!」
「そんなことできるわけないじゃないですか!!!」
取引先からのクレームに、カッとなって言い返して、今までの関係が壊れてしまった。
部下に対してミスを指摘しているつもりが、パワハラに発展してしまった。
理不尽なことを行ってくる上司に向かって、ついキレてしまった…。
怒りは、仕事上の人間関係に支障をきたすだけでなく、信頼関係や利益まで損なってしまうケースがあります。
プライベートと違い、冷静さが求められるビジネスの場でも、約9割の人が怒りを感じたことがあるそうです。
また、常にイライラしている人は、周囲から面倒な人、厄介な人と思われて、プライベートや仕事で関わる人たちを委縮させたり、近づきたくない人と思われる可能性もあります。
次に当てはまる人がいたら要注意です。
- 客からのクレームに感情的な対応をして、大問題になったことがある。
- 冷静な判断ができなくなることがある。
- イライラすると仕事が手につかず、ささいなミスを連発してしまう。
- 職場で感情的な対応をして、人間関係や評価に悪い影響が出たことがある。
- 嫌いな上司からの依頼や指示に対してやる気が起きず、仕事の結果が出ない。
怒りをため込み、更なる怒りに発展する
「なぜ私ばかりに仕事を頼むのかな…。他の人も手が空いてるのに」
「その言葉は言わないで欲しいな…」
本当は怒りの気持ちがあるのに、それを見たり気づいたりするのを避ける。
周囲との関係や場の雰囲気を壊したくないと思い。
怒るのはみっともないし、大人気ないので黙っている…。
その場はおさめたつもりでも、溜め込んだ怒りが積もり、次第に激しい怒りに育っていきます。
それが抱えきれなくなると、ついにキレて他人に攻撃の矛先が向いてしまいます。
「なぜ私がこんな思いをしなくちゃいけないんだ。全部相手のせい。状況のせい」という具合に。
反対に、感情的な自分を後悔したり、「怒りを抑えこんでいる自分」が嫌で、怒りを感じる自分を責めたり、罪悪感を持って、だんだん自分に自信が持てなくなってしまう人もいます。
次に当てはまる人がいたら要注意です。
- 溜め込んだ怒りが爆発して、感情的にキレた結果、相手との関係が修復不可能になったことがある。
- ぶちギレで暴言を吐き、後悔したことがる。
- 気になることや嫌なことを相手に言えず、モヤモヤした気持ちになって「なぜこんなことで悩むのか」と自分に自信がもてなくなることがある。
- 嫌なことがあってもはっきり心の中で自分や相手を責めるが、そんなウジウジした自分も嫌になる。
身体に悪影響が出る
人は、怒りを感じると、筋肉が緊張して、心拍数や血圧が上昇します。
そのため、怒りっぽい人は、心臓疾患や高血圧症になりやすいと言われます。
また、イライラすると自律神経のバランスが崩れ、血行不良になるため、肌のくすみ、シミが出るなど老化しやすくなったり、便秘にもなりやすくなります。
次に当てはまる人がいたら要注意です。
- 胃や身体に慢性的な痛みを感じている。
このように、怒りをうまくコントロールできないと、さまざまなことに影響が及んでしまいます。
怒りをうまく扱えるようになることは、心身の健康を保ち、よりよい人間関係を築き、自分に自信を持つこと。
更には、自分が望む人生を手に入れることにも繋がるのです。
次回、「4つの『怒り』の特性」、へ続く