「ついカッとなって怒鳴って後悔…」
「怒りを抑えて苦しくなった…」
誰しも一度はこんな経験があるはず。
「怒り」で人間関係が壊れたり、仕事にも影響したり…何かと扱いづらい感情ですが、人間にとって必要な感情のひとつです。
大切なのは「怒り」に振り回されず、上手に付き合うこと!
「アンガーマネージメント」は、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。
アンガーマネージメントで人生をもっと楽に生きてみませんか?
第6回は、前回の「アンガーマネージメントとは?」の続き、「怒りが生まれるメカニズムを知る」を解説していきます。
目次
怒りが生まれるメカニズムを知る
そもそも、怒りはなぜ生まれ、その原因はどこにあるのでしょうか?
大抵の人は、怒りの原因を尋ねると、「この状況が…」とか「あの人が私を怒らせた」「この組織が…」と、自分を怒らせた相手の状況や出来事のせいだと言います。
しかし、本当の怒りの原因は、相手でも状況や出来事ではなく、実はあなた自身の中にあります…!
怒りの原因はあなたの中にある
あなたの中にある怒りの原因。
正確には、
のです。
そして、あなたの願望や理想を象徴する言葉が「べき」です。
当たり前に使っている「べき」に要注意!
あなたは、普段の生活で、「~であるべき」「~すべき」という言葉を思い浮かべたり、使うことはありませんか?
この「べき」は、言い換えればあなたの「譲れない価値観」「信条」とも言えます。
「時間は守るべき」
「順番は守るべき」
「高齢者には席を譲るべき」
「電車内では化粧をするべきではない」
「高齢者には席を譲るべき」
「家に帰ったら手を洗うべき」
「靴は揃えるべき」
「上司が命じたら部下はすぐに動くべき」
「上司は部下の様子に気を配ってねぎらうべき」
などなど…。
このように、育った家庭のしつけの中で形成された「べき」や、人生経験の中で見についた「べき」など、さまざまです。
しかし、言い換えると、この「べき」は、
とも言えます。
特に世代や育った環境が違う相手だと、自分と相手の「当たり前」が違うことは珍しくないはずです。
もし「当たり前じゃない?」「普通こうするよね」という言葉にイラっとしたら、あなたの中のどんな「べき」がそう思わせているのか、立ち止まって考えてみてください。
「べき」は悪者…ではない!
こういうと「べき」が怒りを引き起こす悪者のように見えてしまいますが、「べき」自体に正解・不正解はありません。
長年、信じてきた自分の「べき」は、自分にとっての真実です。
と同時に、全ての人にとっての真実ではない、ということです。
それぞれに「違い」があるということを受け止めましょう。
また、一見似たような「べき」を持っているように見えても、人によってその程度は違います。
例えば、職場のデスクの上は「きちんと片づけるべき」を例に考えてみましょう。
- ファイルや文房具など、とにかくきちっと並べられてるのがいいと思う人。
- 書類が積んであっても整理整頓されていればいいんでしょ?と思う人。
- デスクの上には何も置いてないことが片付いていると思う人。
- デスクが雑然としていてもどこに何があるか自分で把握できていればいいと思う人。
このようにさまざまです。
まず、自分がどのような「べき」を持ち、それらを「どの程度」望み、信じているのか。
そして、それは周囲の人と同じかそうでないかを振り返ってみましょう。
次に、人によって「べき」の程度が微妙に異なる例をあげてみました。
職場、家庭、公共の場を思い浮かべながら、書き出すのも、アンガーマネージメントの取り組みのひとつです。
人によって違う「べき」
…10時スタートの会議なら10分前に集合すべき
…10時ちょうどに行けばいい
…同じ職番の会議だから5分くらいの遅刻は許される
…まずいことがあれば報告しておこう
…毎朝の朝礼で報告しよう
…24時間以内に返信が厳守でしょう!
…2日以内に送れば問題ないよね
中には「信じていてもどうにもならない」不毛な「べき」もあります。
「皆から好かれるべき」
「皆と仲良くするべき」
「失敗するべきではない」
などなど…。
上記のような「べき」を信じても叶わないことが多く、それを信じているために自分が苦しくなることがあります。
次回、「怒りの前に生まれる感情」、へ続く