「ついカッとなって怒鳴って後悔…」
「怒りを抑えて苦しくなった…」
誰しも一度はこんな経験があるはず。
「怒り」で人間関係が壊れたり、仕事にも影響したり…何かと扱いづらい感情ですが、人間にとって必要な感情のひとつです。
大切なのは「怒り」に振り回されず、上手に付き合うこと!
「アンガーマネージメント」は、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。
アンガーマネージメントで人生をもっと楽に生きてみませんか?
第7回は、前回の「怒りが生まれるメカニズムを知る」の続き、「怒りの前に生まれる感情」を解説していきます。
怒りの前に生まれる感情
前回、怒りは「べき」という価値観、「~であるはず」「こうあって欲しい」という期待や理想が裏切られたときに生まれる、という話をしました。
ここでもう一つ、怒りが生まれる秘密についてお話していきます。
それは、怒りは「二次感情」ということです。
怒りの裏側には、本来相手にわかって欲しい、悲しい、ツラい、寂しい、悔しい、不安、困惑、といった感情が潜んでいます。
これを「一次感情」と呼びます。
怒り自体がとても強い感情のため、そこに潜む一次感情になかなか気づくことができないまま、自分でも気づかないうちに怒りに姿を変えてしまうのです。
こうなると、相手に本来分かって欲しかった気持ちを分かってもらえないままになってしまいます。
ここで一つ例をご紹介します。
LINEで「既読」になったものの返信がない。
電話しても留守電。
やっと連絡がついて、すぐに反応しなかったことを「ひどい」と訴えても、彼氏は「仕事が忙しい」の一点張りです。
「私と仕事、どっちが大事なの!?」と、問いつめると「うるさい!」と逆切れされてしまいました…。
さて、この時の彼女が本来伝えたかったこと、分かって欲しかったことは何でしょうか?
「不安、心配」と彼女は答えました。
今までならすぐに返信があったのに、待っても返信が来ない。
もしかしたら無視されているのかも?
でも思い当たることがない…。
こんな気持ちが大きくなり、あふれて怒りになったのです。
しかし、彼氏とのやりとりを見てみると、不安や心配よりも、すぐに返信しなかった理由を聞き出そうとすること、問いつめて責めるような言い方ばかりが伝わっていないでしょうか?
本来なら、
と、言いたかっただけなのに、
「着信があったら、すぐに折り返し連絡するべき!」
という、期待が裏切られた瞬間、本当は分かって欲しかった気持ちが「怒り」になって、相手に向けられてしまったのです。
怒りを感じた時、
裏側にはどんな気持ちが潜んでいるのか?
本来、分かって欲しい気持ちは何なのか?
そこに目を向けてみましょう。
また、その気持ちを相手に伝えるには、どうしたらいいのかを落ち着いて考えることが大切です。
イライラしたら自分の心のコップを点検!
最近、なぜだイライラしがち…、いつもならこんなことでイライラしないのに…。
そう感じる時はありませんか?
そんな時は、まず自分の心の中に「感情を入れるコップ」があると想像してください。
そのコップの中に、一次感情がたくさん溜まっていると、ほんの少しの刺激を与えただけで、怒りとなってあふれてしまういます。
例えば、何か心配事や不安を抱えてる、傷つくことされて悲しい、好きな人と会えなくて寂しい…など、思い当たることはありませんか?
また、寝不足、仕事が多くて心身ともに疲れている、などの状態もイライラしやすくなる原因になります。
いつもよりイライラする自分にきがついたら、心の中にはどんな一次感情が潜んでいるのか?を、客観的に見たり、認めることが大切なのです。
次回、「怒りのピークは6秒!衝動をコントロール」、へ続く