「ついカッとなって怒鳴って後悔…」
「怒りを抑えて苦しくなった…」
誰しも一度はこんな経験があるはず。
「怒り」で人間関係が壊れたり、仕事にも影響したり…何かと扱いづらい感情ですが、人間にとって必要な感情のひとつです。
大切なのは「怒り」に振り回されず、上手に付き合うこと!
「アンガーマネージメント」は、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。
アンガーマネージメントで人生をもっと楽に生きてみませんか?
第19回は、「上手に叱るためのポイント」の続き、「相手の怒りへの対処法」を解説していきます。
目次
相手の怒りへの対処法
相手の怒りはコントロールできない!
感情的に怒りをぶつけたり、常にイライラして不機嫌な人が近くにいると、どうしても気になりますよね。
とは言え、他人の怒りはコントロールすることはできません。
アンガーマネージメントは、「怒りの感情とうまく付き合うための心理トレーニング」ですが、相手の怒りを封じ込めたり、イライラする相手を鎮めるテクニックを身につけるものではありません。
自分の怒りはもちろんですが、相手の怒りに振り回されないように、うまく対処できるようになるためのトレーニングが、アンガーマネージメントです。
自分がコントロールできないものに対して、
「なぜあの人はあんな怒り方をするのか」
と考えると、自分の方がますますイライラしてストレスがかかるものです。
「自分ではコントロールできない範囲のものなんだ」と受け止めて、怒りやストレスを溜めないようにするための対処法を考え、行動することの方がおススメです。
自分に怒りがぶつけられた場合は
まず、相手の感情的な言い方に過剰反応しないことが大切です。
ムッとして売り言葉に買い言葉のように感情的に言い返したり、「なんでこんな言い方をされるのか…」「私が何かしたんだろうか…」と必要以上に落ち込んで溜め込まないようにしましょう。
「感情的に叱る上司が嫌」という場合
上司の言った内容が、こちらが改善しなければならないような正当なものであれば、「何を、どのようにすればいいのか」についてだけ受け止めるようにしてください。
「なんでちゃんと仕上げないんだ!」と抽象的な言い方をされた場合
「恐れ入りますが、どのようにすればいいのか教えていただけないでしょうか」と、落ちついて確認することも重要です。
「何を」「どのようにする」ことを望んでいるのかが分からないと、再度怒らせることになるかもしれないためです。
「君は使いものにならない」と不当な批判が含まれている場合
「使いものにならない」というのは、「あくまでもその人の主観にすぎないと聞き逃す」という選択肢もあります。
聞き逃せないなら、「直さなければならないところは以後、気をつけますが、使いものにならないとまで言われると傷つきますしショックです」と、自分がどのように感じ、どうして欲しいかを伝えるという判断をして、落ち着いて伝えるのもいいでしょう。
この時、相手に勝つことを目的にしないように気をつけましょう。
あくまでも、自分が感じたこと、どうして欲しいか分かってもらうことが目的だと考えて、落ち着いて対応することが、不毛な言い争いを避ける重要なポイントになります。
機嫌が悪く、職場の雰囲気を悪くする人がいる場合
相手の感情は相手のものであり、自分が影響されないように考えること、過剰反応しないことをおススメします。
情動伝染という言葉がある通り、感情は伝染するものです。
特に怒りはエネルギーが強く、他の感情よりも伝染力があると言われています。
誰かの怒りの伝染を受けて、自分自身がイライラしないようにしましょう。
このような人と仕事で関わらなくてはいけない場合、仕事を割り切って普段通りの挨拶を交わし、仕事に必要な報告や依頼事は簡潔にしましょう。
相手がイライラし出したらその場から離れる、声をかける必要がない時は放っておくなどの選択肢もあります。
職場の雰囲気が悪くなるので、どうしても本人に言いたいと思うこともあるでしょう。
その際は、「あなたのせいで雰囲気が悪くなる」などの相手を責めるような言い方ではなく、例えば「〇〇さん、今日はイライラしてるように見えてきになったから声をかけたんだけど、どうしての?」と、率直に感じたことを伝えるようにしましょう。
ただし、相手が素直に耳を傾けてくれるとは限らず、反発されるかもしれませんので、言うか言わないかの判断は自己責任だということを忘れずに…。
次回、「アンガーマネージメントを実践する①」、へ続く