「ついカッとなって怒鳴って後悔…」
「怒りを抑えて苦しくなった…」
誰しも一度はこんな経験があるはず。
「怒り」で人間関係が壊れたり、仕事にも影響したり…何かと扱いづらい感情ですが、人間にとって必要な感情のひとつです。
大切なのは「怒り」に振り回されず、上手に付き合うこと!
「アンガーマネージメント」は、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。
アンガーマネージメントで人生をもっと楽に生きてみませんか?
第22回は、「アンガーマネージメントを実践する②」の続き、「アンガーマネージメントを実践する③」を解説していきます。
目次
アンガーマネージメントを実践する③
前回に引き続き、「実生活に役立てるアンガーマネージメント」として、場面別の実践方法とコツをご紹介します。
自分が怒りを感じた時、他人に怒りをぶつけられた時の参考にしてください。
【5】しつこいクレーマーに対応するには
クレーム対応がやっかいだと思われる原因は、クレームを言っている本人が何を言いたいのか、よく分かっていないケースが多いからではないでしょうか。
ただ単に言いたいことを言う人を相手にすると、一向に解決が見えてこないので、結果「どうすればいいの…」と途方に暮れてしまうパターンです。
クレームは、3つのタイプに分けて考えると対応策が見えてきます。
- 様子見タイプ
…クレームをつけたいだけで、本気で問題解決したいとは思っていないタイプ。 - 様子見タイプ
…自分には一切の非がないと考えて、相手を追い詰めれば満足するタイプ。 - カスタマータイプ
…双方が譲歩できる落としどころをみつけようとするタイプ。
クレーマー対応には線引きが必要
3つのタイプで一番労力がかかるのが、③のカスタマータイプです。
①の様子見、②の他責は、「どうして欲しいのか」「どうしたいのか」が本人も分かっていないため、実はそれほど労力がかかりません。
①②の対応の基本は、話をしっかり聞いて、クレームをいただいたことにお礼を伝え、また相手の一次感情に寄り添うことで、多くの場合はこれで納得してもらえるはずです。
その気持ちを解決に導く建設的な提案をしましょう。
しかし、それでもしつこくクレームが続くケースでは、どこまで対応するか、会社としてのガイドラインを用意して、対応方法を決めておくのがベストです。
歌手・三波春夫さんの「お客様は神様です」という有名なフレーズがありますが、「お金を払ったのはこっちなんだから、お客様は神様でしょ」という、しつこいクレーマーが確かに存在します。
しかし、三波春夫さんの真意は「神前で祈るように、お客様を神様だと思い歌う」という芸事に対する情熱を表した言葉なんだそうです。
そもそも、お店のお客や営業先のクライアントのことではなかったということです。
お客様は神様ではありません。
しつこいクレーマーも、お客様でもなければ神様でもないのです。
【6】パートナー関係について学び、分かりあう努力を
夫婦・男女関係の問題は、人間関係の中でも最も難しい問題です。
女性が男性を「自分勝手」「横暴」と感じる一方、男性は女性を「すぐに怒る」「ヒステリー」と感じているというのがよくあるケースで、このような関係だと何か小さなきっかけでケンカに発展してしまいます。
他の人間関係と同じように、男女間のすれ違いも、話し合いで解決するしかないのですが、パートナー関係、特に夫婦の場合は甘えがある上に、お互いなぜか「理解し合っている」という幻想を持っています。
「パートナーなんだから、これくらい言わなくても分かってくれている」と思っていても、結局は他人です。
どんなに大切に思い合っていても、実は理解しているわけではないのです。
また、「コミュニケーションが足りていない」「分かり合っていない」と感じていても、それを認めるのが怖くて話し合いを避けている場合もあるでしょう。
と、割り切りも必要です。
大切な人だからこそ、Iメッセージ(自分を主語にした感情の伝え方)など、伝え方に注意しながら話し合ってみてください。
モラハラは気づきが大切
パートナーを言葉や態度で傷つけることを、「モラルハラスメント(モラハラ)」と言いますが、モラハラの最大の問題点は、加害者・被害者ともに「これはモラハラである」と自覚していないことです。
被害者が加害者の態度を「頼られている」と誤解して、共依存の関係になってしまうケースもあります。
このような関係にならないためには、加害者・被害者ともに、
「健全なパートナー関係とはどのようなものなのか」
と、客観的な情報を身につける必要があります。
もし「相手に不満があるが、自分は頼られている」という状態なら、自分自身の生活を客観的に見直してみましょう。
次回、「アンガーマネージメントを実践する④」、へ続く